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デザインという営みにコピーを与えてみる。

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このマガジンでは、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集め、分類し、デザインとは何かを再解釈する学習プロセスを記録しています。
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記事一覧

第12回「本書は教科書として構想され、辞典となった」(佐々木健一 『美学辞典』より)

第12回「本書は教科書として構想され、辞典となった」(佐々木健一 『美学辞典』より)

このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第11回では、中川幸夫の「美しかっただけでは判らない。花はどの花も美しいのです」を紹介しました。

さて、第12回でご紹介し、書き留めておきたいのは、東京大学名誉教授であり美学やフランス思想史を専門とする佐々木健一氏のことばです。

「本書は教科書として構

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第11回「美しかっただけでは判らない。花はどの花も美しいのです」(中川幸夫 『君は歩いていくらん 中川幸夫狂伝』より)

第11回「美しかっただけでは判らない。花はどの花も美しいのです」(中川幸夫 『君は歩いていくらん 中川幸夫狂伝』より)

このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第10回では、パウル・クレーの「ヴァイオリンよりはむしろヴァイオリンについて」を紹介しました。

さて、第11回でご紹介し、書き留めておきたいのは、戦後いけ花の天才と呼ばれた中川幸夫のことばです。

「美しかっただけでは判らない。花はどの花も美しいのです」

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第10回「ヴァイオリンよりはむしろヴァイオリンについて」(パウル・クレー『造形思考』より)

第10回「ヴァイオリンよりはむしろヴァイオリンについて」(パウル・クレー『造形思考』より)

このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第9回では、矢萩喜従郎氏の「思考する織り物」を紹介しました。

さて、第10回でご紹介し、書き留めておきたいのは「ヴァイオリンよりはむしろヴァイオリンについて」です。

「ヴァイオリンよりはむしろヴァイオリンについて」

この言葉は、バウハウスで教鞭をとっ

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第9回「思考する織り物」(矢萩喜従郎 『平面 空間 身体』 より)

第9回「思考する織り物」(矢萩喜従郎 『平面 空間 身体』 より)

このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第8回では、レスター・エンブリーの「使える現象学」を紹介しました。

さて、第9回でご紹介し、書き留めておきたいのは、「思考する織り物」です。

「思考する織り物」
この言葉は、グラフィック、サイン、写真、アート、建築、評論、出版を手がける領域横断型のデザ

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第8回「使える現象学」(レスター・エンブリー)

第8回「使える現象学」(レスター・エンブリー)

このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第7回では呉清源先生の「碁は調和の姿」を紹介しました。

さて、第8回でご紹介し、書き留めておきたいのは「使える現象学」です。

「使える現象学」
この言葉は、哲学者レスター・エンブリーの主著『Reflective Analysis, A First In

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第7回「碁は調和の姿」(呉清源)

第7回「碁は調和の姿」(呉清源)

このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第6回では寺山修司の「必然ということばは社会的で、偶然ということばは個人的である」を紹介しました。

さて、第7回でご紹介し、書き留めておきたいのはこちらです。

「碁は調和の姿」これは、昭和囲碁界最強の打ち手といわれた中国出身の囲碁棋士・呉清源先生のこと

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第6回「必然ということばは社会的で、偶然ということばは個人的である」(寺山修司『幸福論』より)

第6回「必然ということばは社会的で、偶然ということばは個人的である」(寺山修司『幸福論』より)

このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第5回では安部公房の「小説というのは、まだ意味に到達していないある種の原型を作者が提供し、読者はそれを体験する」を紹介しました。

さて、第6回でご紹介し、書き留めておきたいのはこちらです。

必然ということばは社会的で、
偶然ということばは個人的である。

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第5回「小説というのは、まだ意味に到達していないある種の原型を作者が提供し、読者はそれを体験する」(安部公房)

第5回「小説というのは、まだ意味に到達していないある種の原型を作者が提供し、読者はそれを体験する」(安部公房)

このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第4回ではディーター・ラムスの「良いデザインの10カ条」を紹介しました。

さて、第5回でご紹介し、書き留めておきたいのはこちらです。

「小説というのは、まだ意味に到達していないある種の原型を作者が提供し、読者はそれを体験する」

これは「砂の女」や「箱

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第4回「良いデザインの10カ条」(ディーター・ラムス)

第4回「良いデザインの10カ条」(ディーター・ラムス)

このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第3回ではいけばな草月流初代家元・勅使河原蒼風の言葉「ウソをつけよ、ウソがまことなのだ。」を紹介しました。

さて、第4回でご紹介し、書き留めておきたいのはこちらです。

「良いデザインの10カ条」
これは、BRAUNのプロダクトデザイナーとして数々の名作

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第3回「ウソをつけよ、ウソがまことなのだ。」(勅使河原蒼風『花伝書』より)

第3回「ウソをつけよ、ウソがまことなのだ。」(勅使河原蒼風『花伝書』より)

このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第2回では「あたくしはお取り次ぐするだけ」という八代目文楽の言葉を紹介しました。

さて、第3回でご紹介し、書き留めておきたいのはこちらです。

「ウソをつけよ、ウソがまことなのだ。」
いけばな草月流の初代家元・勅使河原蒼風の言葉です。前後の文章があってこ

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第2回「あたくしはお取り次ぐするだけ」(鈴木康之『名作コピーの教え』より)

第2回「あたくしはお取り次ぐするだけ」(鈴木康之『名作コピーの教え』より)

このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。しばらくは、わたし個人がデザイナーとして影響を受けたことばを振り返る作業になりそうです。よろしければお付き合いください。

さて、第2回でご紹介し、書き留めておきたいのはこちらです。

「あたくしはお取り次ぐするだけ」こちらは、寄席の名人、八代目文楽の言葉

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デザインという営みにコピーを与えてみる。第1回 これから書いていきたいこと

デザインという営みにコピーを与えてみる。第1回 これから書いていきたいこと

はじめにキャッチコピーやボディコピーをつくりながらデザインを進めると、なぜ頭の中が整理されるのだろう。そんなことを考えたことがあります。

言い換えると、デザインする対象に関する広告コピーを考えることが、本質を捉える作業を促す感覚があるのです。

コピーを考えるということは、本質を捉えるために、多くを捨てる作業だからかもしれません。モノを取りまく人や環境をひっくるめて、たったひとつの感動に集中する

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