田中宏明|STUDIO MEMBRANE

STUDIO MEMBRANE デザイナー|北海道大学オープンエデュケーションセンター…

田中宏明|STUDIO MEMBRANE

STUDIO MEMBRANE デザイナー|北海道大学オープンエデュケーションセンター 博士研究員|人間が何かを生み出す学習と創造のプロセスを解明するために、自らも作り続け、学び続けたいと考えています。 https://www.studio-membrane.com

マガジン

  • マンガを描くとはどういうことか? 実践稽古

    このマガジンでは、「マンガという総合芸術が生まれてくる過程で何が起こっているのか」を、先人に学びながら、自らマンガを描くことで探求していきます。

  • デザインという営みにコピーを与えてみる。

    このマガジンでは、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集め、分類し、デザインとは何かを再解釈する学習プロセスを記録しています。

最近の記事

  • 固定された記事

Drawing Poetry:学習と創造のプロセスを描き出すための「制作学(poïétique)」

はじめにわたしは、デザイナーであると同時に、制作活動を通して人がいかに学ぶかについて探究しています。人が何かを生みだすとき、どのような状況に身をおいているのだろう。学習と創造がうまく結びつくのはどんな時だろう。そもそも、学習とは? 創造とは? といった具合です。 このページでは、学習と創造のプロセスを描き出すための「制作学」として検討中の「Drawing Poetry」というアプローチについて記述します。このアプローチ自体が未熟な発達段階にありますが、ご意見やコメントなどい

    • #07「マンガのなかのわたし」(第2話:作者のアバターに聞いてみよう)

      WONDER ORDER(あるいはORDER WONDER)では、マンガ・リフレクションを通して、なぜか気になる対象(ワンダー:不思議)について考え、そこにある本質(オーダー:秩序)を少しでも理解しようと思索を進めていきます。どこに向かうかわからない漫(そぞ)ろな足取りになりがちですが、The Sense of Wow!der の心持ちで、学習と創造のプロセスを楽しみ、記録していきます。 第7回は、第6回に引き続き「マンガのなかのわたし」をテーマに、自伝コミックスやエッセイ

      • #06「マンガのなかのわたし」(第1話:ルジュンヌ君に聞いてみよう)

        WONDER ORDER(あるいはORDER WONDER)では、マンガ・リフレクションを通して、なぜか気になる対象(ワンダー:不思議)について考え、そこにある本質(オーダー:秩序)を少しでも理解しようと思索を進めていきます。どこに向かうかわからない漫(そぞ)ろな足取りになりがちですが、The Sense of Wow!der の心持ちで、学習と創造のプロセスを楽しみ、記録していきます。 第6回は、「マンガのなかのわたし」をテーマに、自伝コミックスやエッセイマンガのなかの「

        • #05「本当の美」(第3話:「笑みの本質」は美醜を超えて)

          WONDER ORDER(あるいはORDER WONDER)では、マンガ・リフレクションを通して、なぜか気になる対象(ワンダー:不思議)について考え、そこにある本質(オーダー:秩序)を少しでも理解しようと思索を進めていきます。どこに向かうかわからない漫(そぞ)ろな足取りになりがちですが、The Sense of Wow!der の心持ちで、学習と創造のプロセスを楽しみ、記録していきます。 第5回は、第4回に引き続き「本当の美」をテーマに、クリストファー・アレグザンダーが理想

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        Drawing Poetry:学習と創造のプロセスを描き出すための「制作学(poïétique)」

        マガジン

        • マンガを描くとはどういうことか? 実践稽古
          1本
        • デザインという営みにコピーを与えてみる。
          12本

        記事

          #04「本当の美」(第2話:知識の薮をかき分けて)

          WONDER ORDER(あるいはORDER WONDER)では、マンガ・リフレクションを通して、なぜか気になる対象(ワンダー:不思議)について考え、そこにある本質(オーダー:秩序)を少しでも理解しようと思索を進めていきます。どこに向かうかわからない漫(そぞ)ろな足取りになりがちですが、The Sense of Wow!der の心持ちで、学習と創造のプロセスを楽しみ、記録していきます。 第4回は、第3回に引き続き「本当の美」について考えるために、クリストファー・アレグザン

          #04「本当の美」(第2話:知識の薮をかき分けて)

          #03「本当の美」(第1話:知識の薮に住む我ら)

          WONDER ORDER(あるいはORDER WONDER)では、マンガ・リフレクションを通して、なぜか気になる対象(ワンダー:不思議)について考え、そこにある本質(オーダー:秩序)を少しでも理解しようと思索を進めていきます。どこに向かうかわからない漫(そぞ)ろな足取りになりがちですが、The Sense of Wow!der の心持ちで、学習と創造のプロセスを楽しみ、記録していきます。 第3回は、「本当の美」について考えるために、クリストファー・アレグザンダーの思索の源流

          #03「本当の美」(第1話:知識の薮に住む我ら)

          #02「続・文字割れ」

          WONDER ORDER(あるいはORDER WONDER)では、マンガ・リフレクションを通して、なぜか気になる対象(ワンダー:不思議)について考え、そこにある本質(オーダー:秩序)を少しでも理解しようと思索を進めていきます。どこに向かうかわからない漫(そぞ)ろな足取りになりがちですが、The Sense of Wow!der の心持ちで、学習と創造のプロセスを楽しみ、記録していきます。 第2回は、第1回でモヤモヤが残ったため、引き続き「文字割れ」について考えをめぐらせまし

          #02「続・文字割れ」

          #01 「文字割れ」

          WONDER ORDER(あるいはORDER WONDER)では、マンガ・リフレクションを通して、なぜか気になる対象(ワンダー:不思議)について考え、そこにある本質(オーダー:秩序)を少しでも理解しようと思索を進めていきます。どこに向かうかわからない漫(そぞ)ろな足取りになりがちですが、The Sense of Wow!der の心持ちで、学習と創造のプロセスを楽しみ、記録していきます。 第1回は、個人的に大好きな「文字割れ」について、考えをめぐらせました。一緒に面白がって

          【短編文学コミカライズ#01】 安部公房「鞄」(16p) 〜制作振り返り(1):コンセプト導出まで〜

          小説家・安部公房の短編小説「鞄」コミカライズの制作過程を振り返ります。「鞄」は、安部公房の小説技法のエッセンスを体感できる傑作短編です。この記事では、安部公房の創作論をふまえて、自分なりに大切にしたいコンセプトを導き出したプロセスを綴りました。 マンガは以下にアップしています。 安部公房が考える「小説」の目的安部公房は、「小説という表現形式の中で、言語の生理へのフィードバック機能を利用し、読者にとって未体験の「現実感覚」を、読者の内部に再構築する試み」を追求した人でした。

          【短編文学コミカライズ#01】 安部公房「鞄」(16p) 〜制作振り返り(1):コンセプト導出まで〜

          【短編文学コミカライズ#01】 安部公房「鞄」(16p)

          原作: 安部公房「鞄」、『笑う月』(新潮文庫)所収 コミカライズ: 田中宏明(STUDIO MEMBRANE)

          【短編文学コミカライズ#01】 安部公房「鞄」(16p)

          マンガ実践稽古#01:ベタを効かす表現 × タテスク形式に挑戦【成果物の紹介】

          このマガジン「マンガを描くとはどういうことか? 実践稽古」では、「マンガという総合芸術が生まれてくる過程で何が起こっているのか」を、先人に学びながら、自らマンガを描くことで探求していきます。 実践稽古の目的実践稽古では、自分なりに探求してみたい目的を設定して実践をドキュメントしていきます。今回は、次の2点に焦点をあてて実践稽古を行った試作マンガを紹介します。 マンガ表現:ベタを効かす マンガ形式:縦スクロールの表現 (試行錯誤の過程や成果物の省察などは別の記事にまとめ

          マンガ実践稽古#01:ベタを効かす表現 × タテスク形式に挑戦【成果物の紹介】

          第12回「本書は教科書として構想され、辞典となった」(佐々木健一 『美学辞典』より)

          このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第11回では、中川幸夫の「美しかっただけでは判らない。花はどの花も美しいのです」を紹介しました。 さて、第12回でご紹介し、書き留めておきたいのは、東京大学名誉教授であり美学やフランス思想史を専門とする佐々木健一氏のことばです。 「本書は教科書として構想され、辞典となった」佐々木健一氏の『美学辞典』の序文は、この言葉ではじまります

          第12回「本書は教科書として構想され、辞典となった」(佐々木健一 『美学辞典』より)

          第11回「美しかっただけでは判らない。花はどの花も美しいのです」(中川幸夫 『君は歩いていくらん 中川幸夫狂伝』より)

          このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第10回では、パウル・クレーの「ヴァイオリンよりはむしろヴァイオリンについて」を紹介しました。 さて、第11回でご紹介し、書き留めておきたいのは、戦後いけ花の天才と呼ばれた中川幸夫のことばです。 「美しかっただけでは判らない。花はどの花も美しいのです」 中川幸夫は、ガラスの器にカーネーション900本を詰め込んだ「花坊主」という作品

          第11回「美しかっただけでは判らない。花はどの花も美しいのです」(中川幸夫 『君は歩いていくらん 中川幸夫狂伝』より)

          第10回「ヴァイオリンよりはむしろヴァイオリンについて」(パウル・クレー『造形思考』より)

          このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第9回では、矢萩喜従郎氏の「思考する織り物」を紹介しました。 さて、第10回でご紹介し、書き留めておきたいのは「ヴァイオリンよりはむしろヴァイオリンについて」です。 「ヴァイオリンよりはむしろヴァイオリンについて」 この言葉は、バウハウスで教鞭をとっていた芸術家パウル・クレーが、自身の講義ノートに書き記した一節です。 1921

          第10回「ヴァイオリンよりはむしろヴァイオリンについて」(パウル・クレー『造形思考』より)

          第9回「思考する織り物」(矢萩喜従郎 『平面 空間 身体』 より)

          このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第8回では、レスター・エンブリーの「使える現象学」を紹介しました。 さて、第9回でご紹介し、書き留めておきたいのは、「思考する織り物」です。 「思考する織り物」 この言葉は、グラフィック、サイン、写真、アート、建築、評論、出版を手がける領域横断型のデザイナー矢萩喜従郎氏が、著書『平面 空間 身体』のなかで述べている言葉です。 本

          第9回「思考する織り物」(矢萩喜従郎 『平面 空間 身体』 より)

          第8回「使える現象学」(レスター・エンブリー)

          このマガジン「デザインという営みにコピーを与えてみる」では、デザインにコピーを与えるという目標に向かって「デザインを語ることば」を集めています。第7回では呉清源先生の「碁は調和の姿」を紹介しました。 さて、第8回でご紹介し、書き留めておきたいのは「使える現象学」です。 「使える現象学」 この言葉は、哲学者レスター・エンブリーの主著『Reflective Analysis, A First Introduction into Phenomenological Investi

          第8回「使える現象学」(レスター・エンブリー)