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#03「本当の美」(第1話:知識の薮に住む我ら)

WONDER ORDER(あるいはORDER WONDER)では、マンガ・リフレクションを通して、なぜか気になる対象(ワンダー:不思議)について考え、そこにある本質(オーダー:秩序)を少しでも理解しようと思索を進めていきます。どこに向かうかわからない漫(そぞ)ろな足取りになりがちですが、The Sense of Wow!der の心持ちで、学習と創造のプロセスを楽しみ、記録していきます。

第3回は、「本当の美」について考えるために、クリストファー・アレグザンダーの思索の源流をたずねました。一緒に面白がっていただけたら、嬉しいです。

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お読みいただき、ありがとうございます。

あまりにも壮大な「本当の美」というテーマ。noteでは、8ページ区切りで情報をまとめる練習をしているのですが、はなから8ページでおさまる気がしません。アレグザンダーの35年の探究を辿り直して、自分なりに理解を深めようと突き進んでいこうとすれば、案の定…。

ですが、「本当の美」というワンダーにすこしでも触れてみたい…すこしでもよいものを生み出したい…と考えはじめると、やはり、アレグザンダーの35年の軌跡を追いかけることは、避けては通れないと感じます。

そこで、「本当の美」については、最初から連作となることを見越して、第1話から順次思考を深めていく形式にしてみました。

また、マンガで主人公を吸い込み、アレグザンダー思想の源流へと連れ出したのは、「ムッシュー・イデーン」と名づけたキャラです。名前は、現象学の創始者・フッサールの著作『イデーン』(日本語だと「諸構想」と訳されています)から頂きました。なので、「諸構想氏」という感じです。ポール・ヴァレリーの小品『ムッシュー・テスト』に登場する、「テスト氏」という不思議な人物に惹かれた経験もあいまって、好きなものの掛け合わせで、こんな名前にしています。

ムッシュー・イデーンのスケッチ

当初は、スヌーピーなどのピーナッツ風のデフォルメを意識したり、喋らないけれど、さまざまな諸構想をメタ的に示してくれる存在として考えていました。ただ、このマンガではよく喋るし、ちょっと暴力的なまでの強引さがあるし、ヒドイ言葉づかいをするようになってしまいました。「ハリボテメェ」などの発言も(自分で言わせてるけど)、なんか嫌だなぁと思ったりもしました。でも、自分たちの「世界観」という強固な力と向き合うには、それくらい強烈な存在がカンフル剤的に必要になるのだろうと思えてきます。次回からは、むしろそういった学習のカンフル剤としての機能を持たせることを意識してみたいなと思います。同時に、もっと可愛げのある存在になってくれることを願っているので、ムッシュー・イデーンのチャームも見つけていきたいものです。


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