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小児科医イエロウな生活

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小児科医のつぶやきです。子育てや団体に関することから、個人的な生活のことまで。
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記事一覧

医学生を医師にするための「酵素」

医学生を医師にするための「酵素」

みなさん「ドクタラーゼ」という雑誌を知っていますか。

理系の方にきくと、なにその酵素みたいな名前、と言われるのですが、

そうです、酵素でした。

「ドクタラーゼ」は日本医師会が発行している医学生向けの雑誌で、医学生が医療を考えるためのヒントや情報を与えてくれます。

なんでドクタラーゼという名前なのか調べてみると、

医学生を医師にするための「酵素」のような雑誌を目指しているようです。

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「K」の物語とソーシャル・ディスタンシング

「K」の物語とソーシャル・ディスタンシング

あの日こうしてたら、あの日こんなことを言わなければ。

何かを選ぶことは、何かを選ばないこと。選んだものにも、選ばなかったものも、すべて間違えたような気がしてしまう。

このような状況で大きなイベントなどは開催できませんが、そらいろコアラは粛々と事務的な準備をすすめています。今日は我々の活動の中で、非常に重要で大切な存在である少年「K」について書きます。もちろん本人に許可を得ています。

Kはこの

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高校の同級生が来週から医者になる話。

高校の同級生が来週から医者になる話。

「レジリエンス」というのは、少し前から心理学でよく使われる言葉で「回復力」などと訳されるものだけど、自分は「弾性力」という訳し方のほうがスキです。

レールの上を次々に走っていく、トロッコから一度降りた人間が、のびきったバネを使って見事によみがえる話。子どもたちにも手に入れて欲しい「強くしなやかなレジリエンス」の話。

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彼とは高校一年生のとき、同じクラスになって、偶然にも同じ部活

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# もしかしてしんどい?

# もしかしてしんどい?

入院生活が続く、お母さんと小さなお子さん。個室でずっと二人きり。

人見知りが強く、医師や看護師が入ると泣き続けてしまう。

意識せず、私たちも少しずつ距離が離れていく。

嫌がる内服もすべてお母さんが続けていた。

いつも笑顔のお母さん。大丈夫です、つらくないです、かわりないです、と自分たちを安心させてくれる。

ある午後、訪室するとお母さんは泣いていた。

目は真っ赤だったけれど、大丈夫です、

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書かざるを得ない小さなつぶやき

沈黙は金だけれど、書かざるを得ない小さなつぶやき。

新型コロナウイルスCOVID-19の流行をうけて、様々なイベントが中止になっています。飛び上がるほど楽しみにしていた一日、無くなってしまえばいいと願っていた一日、実際そうなるとなんだか解決しない日々、宙に浮いて消えてしまった泡みたいな日々。

小中学校の一斉休校、全例PCR検査、保険適応など、科学を信じているからこそ、我慢できない人もいる。それ

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医師志望の学生, 医学生向けの雑誌の取材を受けました!

最近話題ですが、子どもに何か言われて手が離せないときに「ちょっと待ってて」という言葉をよく言ってしまいますが、それを「ちょっと踊ってて」に変えるだけで劇的な変化があるようです。

楽しそうに踊るお子さんも、こどもの要求に応えられない罪悪感から解き放たれた保護者の方も、気持ちがハッピーです。お母さんも手を離して踊ってしまいます。

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先日、医師志望の高校生、予備校生、

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