のもとしゅうへい

Poet・言葉の移動/本『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』(2023)/執筆…

のもとしゅうへい

Poet・言葉の移動/本『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』(2023)/執筆、イラストレーション、デザインなど/ご連絡shuunomo@gmail.com

マガジン

  • エッセイ『カタツムリと悪癖』初稿

    文庫本エッセイ『カタツムリと悪癖』の原稿を掲載しています。 「喫茶店で他人の会話に聞き耳を立ててしまう」という自分の悪癖をもとに書いたノンフィクションエッセイ。全210頁の文庫本です(発行:2021年)

  • 個人発行の出版物について

  • 詩集『南緯三十四度二十一分』

    詩集『南緯三十四度二十一分』収録作品の一部を掲載しています(発行:2020年)

ストア

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    複製原画_夜の自由

    タイトル:夜の自由仕様:額装付き、 表面に直筆サイン、ナンバリングエディション:25額装サイズ:324×238mm生活に立ち現れる名前のない感情をとりあげた描き下ろし作品です。下北沢・本屋B&Bにて開催中の個展「生活の点P」にて展示しています。ご注文いただいた作品は会期終了後に額装し、郵送でお届けいたします。(額装のイメージは画像の通りになりますが、額の種類はご購入いただく時期によって画像のものとは多少異なる場合がございます)-生活の点P生活に点在するたくさんのものたち、日常をとりまくありふれた出来事たち。その風景の一つ一つに目を凝らしながら、傍らを通り過ぎていくときの感情に興味があります。旅するように生活を移動し、拾い集めた感情に新たな名前を与えることは、一人の小さな生活者であるわたしにとって、世界を別の角度から照らすための方法なのかもしれません。本展では文筆、イラストレーション、漫画、グラフィックデザインなど複数の領域で活動を展開する詩人・のもとしゅうへいが生活を題材に行うフィールドワークの一部を陳列します。昨年11月刊行の初小説『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』をはじめとする個人出版物や、新作イラストレーションのプリント作品、ポストカードの展示販売を行います。のもとしゅうへい/shuhei nomoto1999年高知県生まれ。詩人。2020年より企画・執筆・編集・装幀までのすべてを個人で手がけるセルフパブリッシングの活動を続け、2024年「ユリイカの新人」に選出される。文筆のほか、イラストレーション、漫画、グラフィックデザインなどの制作を行う。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程在籍。
    ¥17,600
    のもとしゅうへい
  • 商品の画像

    複製原画_いつか今でなくなる庭

    タイトル:いつか今でなくなる庭仕様:額装付き、 表面に直筆サイン、ナンバリングエディション:25額装サイズ:367×467mm生活に立ち現れる名前のない感情をとりあげた描き下ろし作品です。下北沢・本屋B&Bにて開催中の個展「生活の点P」にて展示しています。ご注文いただいた作品は会期終了後に額装し、郵送でお届けいたします。(額装のイメージは画像の通りになりますが、額の種類はご購入いただく時期によって画像のものとは多少異なる場合がございます)-生活の点P生活に点在するたくさんのものたち、日常をとりまくありふれた出来事たち。その風景の一つ一つに目を凝らしながら、傍らを通り過ぎていくときの感情に興味があります。旅するように生活を移動し、拾い集めた感情に新たな名前を与えることは、一人の小さな生活者であるわたしにとって、世界を別の角度から照らすための方法なのかもしれません。本展では文筆、イラストレーション、漫画、グラフィックデザインなど複数の領域で活動を展開する詩人・のもとしゅうへいが生活を題材に行うフィールドワークの一部を陳列します。昨年11月刊行の初小説『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』をはじめとする個人出版物や、新作イラストレーションのプリント作品、ポストカードの展示販売を行います。のもとしゅうへい/shuhei nomoto1999年高知県生まれ。詩人。2020年より企画・執筆・編集・装幀までのすべてを個人で手がけるセルフパブリッシングの活動を続け、2024年「ユリイカの新人」に選出される。文筆のほか、イラストレーション、漫画、グラフィックデザインなどの制作を行う。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程在籍。
    ¥22,000
    のもとしゅうへい

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[profile] / 2024.04.

Biography / CV のもとしゅうへい / Shuhei Nomoto 詩人。1999年高知県生まれ、2024年神奈川県在住。2022年より『ユリイカ』(青土社)や『現代詩手帖』(思潮社)に新人…

春の下北沢からのお知らせ

電車に乗りながら文章を書いていると電車みたいな文章になってしまいます。 下北沢へは、2019年冬から2021冬にかけて最もよく足を運んでいて、その目的の大半はとりあえず…

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【2024/03/24更新】『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』お取り扱い店一覧

2023年11月に刊行した小説『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』は三刷で累計発行部数が1,000部になりました。一人でつくった本にもかかわらず、さまざまな場所で…

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冬が旬のきもちたち

 _途方もなく飽き性なので、今やっていることを脇に放り投げて新たな何かを始めてしまうことが多い。このあいだ家に置いてあるDSを久しぶりにやりたくなってソファへ座り…

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大学へ行くときは朝なので、朝に電車に乗る。北鎌倉を抜けた電車が大船駅に侵入するときの、線路内に群生しているススキのあいだを浮かぶように低速していく瞬間があって、…

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12/25の詩

匂いのいい獣のようなクリスマスが横浜へ到来して、恵比寿を覆い、六本木で死んだ。24日だった。僕は意味もなく年明けのことを考えていて、夜景のようなグレープジュースを…

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ひとりで本をつくることについて

1)  本の話をする前に自分のことを少しだけ書きます。  僕は今、神奈川県の西端にある港町にいて、そこで暮らしながら詩やエッセイなどの文章を書いています。同時に…

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新刊案内|のもとしゅうへい『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』

小説『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』を2023年11月25日(金)より発売します。 いっせいになにかがはじまる予感だけがする 著者 のもとしゅうへい 価格 1…

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へびぐらたん{web版・日日の灯 2023.10.26}

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生活について。      ○ 他人からもらったお菓子を食べるとき、味を 迎える瞬間になんだかその人を食べているよ うな妙な気分になって、じぶんの舌が繊細な 感度を…

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◎ 遠い昔の夏祭りで手首につけて走っていた、蛍光色の光る輪っかがコンビニに売っていて、ひさしぶりに着けると思ったより繊細で良かった。これは夏の化石。時間によって…

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[profile] / 2024.04.

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のもとしゅうへい / Shuhei Nomoto
詩人。1999年高知県生まれ、2024年神奈川県在住。2022年より『ユリイカ』(青土社)や『現代詩手帖』(思潮社)に新人作品として詩が掲載され、2024年「ユリイカの新人」に選出される。同年4月より東京藝術大学大学院美術研究科修士課程に在籍。企画、執筆、編集、装幀までのすべてを個人で手がけるセルフパブリッシングの活

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春の下北沢からのお知らせ

春の下北沢からのお知らせ

電車に乗りながら文章を書いていると電車みたいな文章になってしまいます。

下北沢へは、2019年冬から2021冬にかけて最もよく足を運んでいて、その目的の大半はとりあえず喫茶店に入ることだったり服を選んで着てみることだったりしました。どこの路地だったかは忘れてしまったのですが、マイナーな野菜がこれでもかと放り込まれたカレーを提供してくれるちょうどよい個人経営のお店があったような気がします。とにかく

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【2024/03/24更新】『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』お取り扱い店一覧

【2024/03/24更新】『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』お取り扱い店一覧

2023年11月に刊行した小説『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』は三刷で累計発行部数が1,000部になりました。一人でつくった本にもかかわらず、さまざまな場所でお届けできる機会をいただきました。手に取っていただいた方、展覧会にご来場いただいた方、興味を持ってくださったお店の皆さま、ほんとうにありがとうございます。

これからも自分にできることを試しながら、活動を続けていきます(三刷の在庫

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冬が旬のきもちたち

冬が旬のきもちたち

 _途方もなく飽き性なので、今やっていることを脇に放り投げて新たな何かを始めてしまうことが多い。このあいだ家に置いてあるDSを久しぶりにやりたくなってソファへ座り、電源を入れるところまではよかったものの、メニュー選択を経てローディングの暗転画面に入るや否や先ほどまでの期待感はたちまち霧散、〈自分は果たして本当にそのゲームを今やりたかったのか〉という早急な問いの導かれるまま、すぐさま電源を落としてし

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公園

公園

大学へ行くときは朝なので、朝に電車に乗る。北鎌倉を抜けた電車が大船駅に侵入するときの、線路内に群生しているススキのあいだを浮かぶように低速していく瞬間があって、そこだけどこか遠くの土地を移動しているような、白い車窓から数秒のあいだ目が離せなかった。

戸塚へ着くと電車を降りて、同じホームの反対側まで短く歩く。そこへ次の電車が流れ込んできて、それに乗る。電車にはさっきと同じくらいのたくさんの人がいて

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12/25の詩

12/25の詩

匂いのいい獣のようなクリスマスが横浜へ到来して、恵比寿を覆い、六本木で死んだ。24日だった。僕は意味もなく年明けのことを考えていて、夜景のようなグレープジュースを握りしめたままいくつかの川を越える。越えようというところだった。それからきみのことを少しだけ忘れた、5分、10秒、20年、

隣の上着に包まれた2人が、さっきから才能の話をしている。おわりのない、音楽のような光のなかで、今ここにいるすべて

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ひとりで本をつくることについて

ひとりで本をつくることについて

1)

 本の話をする前に自分のことを少しだけ書きます。

 僕は今、神奈川県の西端にある港町にいて、そこで暮らしながら詩やエッセイなどの文章を書いています。同時に雑誌のために挿絵を描いたり、グラフィックデザインの制作依頼を受けたりするような、一人でできる仕事もやっています。住んでいる家は高台にある賃貸で、天気のよい日は真っ青な相模湾と初島がみえます。春夏の暖かい時期は軒先で野菜を育てています。学

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新刊案内|のもとしゅうへい『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』

新刊案内|のもとしゅうへい『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』

小説『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』を2023年11月25日(金)より発売します。

いっせいになにかがはじまる予感だけがする

著者 のもとしゅうへい
価格 1,800円+税
ジャンル 小説
ISBN 978-4-9913347-0-2
Cコード C0093
判型 A5変形判
(縦194mm 横112mm 厚さ23mm)
頁数・製本 238ページ/上製本
初版年月日 2023年11月

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上手さについて

上手さについて

 最近、何かが上手くなることって結局どういうことなんだっけ、と思うことが多くなって、この文章を書いています。
 10代半ばくらいまでは上手いというのはほとんど速いという意味で、自分が速いかどうかを確かめるために他人のスピードに敏感になる必要があった。でも速い=上手いだとしたら、上手さという言葉はもれなく速さに置き換えられてしまうから、この2つの言葉が持つ意味にはそれぞれに固有の範囲がないとおかしい

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へびぐらたん{web版・日日の灯 2023.10.26}

へびぐらたん{web版・日日の灯 2023.10.26}

最近は忙しくなると町中華屋の映像をみてしまう。銀色の古い厨房を見下げるように画角へ収まる煙たい動画を、YouTubeで延々流しながら部屋でご飯とかを食べてしまう。そのせいで今まさに自分が味わっている慎ましい夕食が、画面に映る回鍋肉や大盛りチャーハンの迫力満点のビジュアルとおかしな接続の仕方をして、舌の上でよくわからない欲望が満たされつつも混乱するみたいな状況になる。そのあいだ脳では本物のチャーハン

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現実以上-日記未満

現実以上-日記未満

生活について。

     ○

他人からもらったお菓子を食べるとき、味を
迎える瞬間になんだかその人を食べているよ
うな妙な気分になって、じぶんの舌が繊細な
感度を備えはじめるから全然思うように味わ
えないことがある。だから食べずに置いてお
くか、人にあげてしまう。それは失礼だから
今すぐにやめなさい、とハムスターが言う。
それはたぶん仕方ないよ、とモルモットが言
う。ぼくは彼らを両手で抱き上げ

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スピードの出る本のはなし{web版・日日の灯 2023.09.27}

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いま書いている小説の初稿ができて、気がついたら夕方になっていて、家の周りを一周してから夕飯をつくった。物語の終わりは書いていると突然現れるのに、ずっと前からそこにいましたよ的な顔をしているからスピードを出しすぎた自転車がガードレールへ激突するみたいになっていきなり終わって、受け身の取れない自分だけが宙を舞い、全身に擦り傷をつくることになる。擦り傷はつくりたくないけれどスピードを出さないと実際どこへ

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フルーツサンドと水、光{web版・日日の灯 2023.09.15}

フルーツサンドと水、光{web版・日日の灯 2023.09.15}

⚡︎⚡︎⚡︎

昼すぎに東京へ向かったらはげしい雨にあった。雨も東京に到着したらしい。高円寺に雷が落ちる前にどこか屋根のある店に入らなくてはいけない、と思いながら住宅地を早歩きで移動して、ひらがなで可愛らしい名前の喫茶店に入った。

青い服を着た女の人に「奥までみてから席を決めていいですよ」と言われて、この店は見かけによらず奥行きのある空間を隠し持っているんだなと思いながら、突き当たりの、なにかあ

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夏をおわらせる方法{web版・日日の灯 2023.08.31}

夏をおわらせる方法{web版・日日の灯 2023.08.31}



遠い昔の夏祭りで手首につけて走っていた、蛍光色の光る輪っかがコンビニに売っていて、ひさしぶりに着けると思ったより繊細で良かった。これは夏の化石。時間によって図らずもゆっくりゆっくり押し出されていくわたしたちが現実をかき分けていくとそういう、ある年齢を超えた人間みんなで共有されるメガ・集合記憶の銀行みたいなものがあって、そういう蓄積の中で突如、価値を持って輝きはじめるアイテムやシチュエーション

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洋膜

洋膜

詩 / 洋膜

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まだうまく声が出せないでいるときに、祖母がいなくなった。国道は青かった。うすく轢かれた羽が重なり透明に光るように、針葉樹林のあいだから誰かが通るのを待つ。臆病な太った鳩、いつも二匹でした。あれはおじいちゃん。たしか、幼い頃に南国へ行ったことがあった。巨大回遊魚の側面にあいた小さな穴から地上へ降りると、耳の奥の草はらでこんこん水が湧いて、誰かが手を叩いたり唄をうたったりする

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2023.05.26のスケッチ

2023.05.26のスケッチ



 箱根の仙石原に湿原の植物がみられる園のようなものがあって、行ってきました。箱根湿生花園というところです。この日は丸一日予定がなかった。目覚めて少し仕事をしたあと、洗濯物を干し、軒先のプランターに水をやった。電子レンジに凍った炊き込みご飯の包みを入れ、2分間温めて朝食をとった。それから荷物をリュックサックにまとめた。これはずいぶん前に無印良品で買ったものだが、今ではもうところどころブラックが

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