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月刊 高橋ピクト

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シュッパン前夜のメンバー、高橋ピクトの記事まとめ。実用書づくりの現場や人間関係をお伝えします。悲喜こもごもありますが、チームワークで乗り越えます。
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#編集者

編集者は、集まると面白い。編プロと出版社のいい関係。

編集者は、集まると面白い。編プロと出版社のいい関係。

こんにちは、高橋ピクトです。
書籍の編集者で、健康書やスポーツ、料理、アウトドアなどの実用書を担当しています。私が担当する書籍は、編集者が二人以上関わることがほとんどです。

実用書は、文章だけでなく、イラストや写真も組み込まれ、デザインやレイアウトが1ページ1ページ複雑なため、一人で編集することが簡単ではないからです。私の場合は“編集プロダクションの編集者=編プロさん”と協力して、本づくりを行い

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文章をわかりやすくする、編集者の「、」(読点)の打ち方

文章をわかりやすくする、編集者の「、」(読点)の打ち方

今回は、少しの工夫で文章がわかりやすくなる方法をご紹介します。

こんにちは、書籍編集者の高橋ピクトと申します。
普段の仕事では文章を読み、赤字を入れています。
短い文章ならば、書くこともあります。

そんな中でよく行うのが、文章に「、」(以下、読点)を打つということ。
ちょっとしたことでも文章が読みやすくなったり、わかりやすくなったりしますので、その方法をご紹介したいと思います。

読点を打つの

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書籍シリーズのフェアを、リニューアルした話

書籍シリーズのフェアを、リニューアルした話

こんにちは、高橋ピクトと申します。
出版社で、実用書の編集をしています。

私が所属する池田書店には「マンガでわかるシリーズ」という書籍シリーズがあります。
シリーズが始まったのは、2010年。最初に刊行されたのは「マンガでわかる百人一首」で、今では文学から、「日本史」「世界史」などの歴史、「人体のしくみ」や「栄養学」などの科学まで様々なテーマが刊行され、全37点となりました。

14年の間には、

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「遅れない」「つらくない」編集者のスケジュールの立て方

「遅れない」「つらくない」編集者のスケジュールの立て方

こんにちは、高橋ピクトと申します。
実用書の編集を行っています。

今日は、書籍のスケジュールの立て方について、
「遅れない」「つらくない」調整の方法をご紹介したいと思います。

書籍をつくって、販売するまでにはたくさんの人が関わります。
一度発売日を決めたら、その日に向かって、できる限り遅れないように進行するのが編集者の仕事です。

書籍のスケジュール管理は難しい?
書籍づくりのスケジュー

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誰でも社会問題を語れる!『社会学の入門』の入門をつくりました。

誰でも社会問題を語れる!『社会学の入門』の入門をつくりました。

こんにちは、高橋ピクトです。
今回は、担当した本をご紹介します。
「マンガでわかる社会学」という本です。

社会学って難しそうなイメージがありますよね。
「社会をよりよくするために何ができるかを考える学問」だそうですが、実際に何をするのはわからない…。

でも、この本の制作を担当して感じたのは、
社会学はめちゃくちゃ身近だということです。

たとえば、日常生活の中で「どうして女性ばかり負担を強

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本が売れない。編集者が考える“変化への一歩”

本が売れない。編集者が考える“変化への一歩”

今、出版業界が窮地に立たされています。
雑誌は一誌また一誌と休刊になり、書籍の売れ行きもどんどん落ちています。

こんにちは。実用書の編集者、高橋ピクトと申します。
私が編集している実用書も危機が迫っていて、書店では実用書がおかれている棚がどんどん縮小されています。

たとえば、スポーツ書の棚。以前は、野球、サッカーと競技ごとにわかれていましたが、「スポーツ」でひとくくりに。囲碁・将棋・麻雀で

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書籍づくりを豊かにする「はじめての体験」

書籍づくりを豊かにする「はじめての体験」

こんにちは、高橋ピクトです。
池田書店という出版社で実用書を編集しています。

実用書には料理や健康、スポーツだったり、ペットや園芸、さまざまなジャンルがあります。

これらの本をつくると様々な体験をすることになります。
ジャンルが広いだけに、それぞれ浅い関わり方ではありますが、その体験は生活を豊かにしてくれます。

私は、そこから得た「できた!」「わかった!」という感動を踏まえて書籍をつくるのが

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コミュ力ゼロの編集者を変えた3つの言葉

コミュ力ゼロの編集者を変えた3つの言葉

人前で話すのって、緊張しますよね。
こんにちは、高橋ピクトです。
実用書の出版社で本の編集をしています。

学生時代から編集者の仕事について数年間、コミュ力がなくてとても苦労していました。たとえば、初対面の人と何を話せばいいかわかりませんでしたし、上司やクライアントなど、年齢が離れた人と対面するとひたすら緊張していました。

でも、今では打ち合わせで進行役をしたり、目上の方と話をする際にも世間

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編集者の「読みたくなる」見出しのつけ方

編集者の「読みたくなる」見出しのつけ方

書籍や雑誌、noteの記事につけられる「見出し」。
今回は、“読みたくなる”見出しのつけ方をご紹介します。

こんにちは、高橋ピクトです。
池田書店という実用書の出版社で、健康書や趣味の本を編集しています。

私は主に書籍を編集しているのですが、見出しは、書籍づくりのキモです。
なぜならば、書籍は文章の集まりですが、ぱっと見ただけではどんな内容かわかりません。

ただし、文章の要点をまとめた

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板挟みが好き!? 編集者の大事な「調整のお仕事」

板挟みが好き!? 編集者の大事な「調整のお仕事」

本づくりはなかなかまっすぐには進みません。
なぜなら、たくさんの人が関わっているからです。
本づくりに関わるのは著者、編集者だけではありません。

こんにちは、高橋ピクトです。
池田書店という出版社で実用書を作っています。

本づくりには、デザイナー、イラストレーター、カメラマン、校正者など、たくさんの人が必要です。作る側だけではありません。出版社の営業や、書店など本を売る側も、本づくりに関わ

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編集者はバトンでつながっている。見て学ぶ編集スキルについて

編集者はバトンでつながっている。見て学ぶ編集スキルについて

こんにちは、高橋ピクトです。
実用書の編集を始めてから、先輩から多くのことを学んでいます。

私は、20年ほど前、編集プロダクションにアルバイトとして雇ってもらいました。それから、その編プロに就職、その後、今の出版社に勤めることになりましたが、編集スキルは学校で学んだことはなく、先輩から教わったり、見て学んできました。

編集の現場は、そんな感じで、スキルのバトンを渡されることで成り立っていま

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パートナー?同志?師匠?デザイナーと編集者の関係性

パートナー?同志?師匠?デザイナーと編集者の関係性

本づくりにデザイナーの存在はかかせません。
持っていたいと思わせる装丁、わかりやすいページレイアウトには必ずデザイナーの創意工夫が込められています。でも、今回お話ししたいのはデザインの話ではありません。編集者のパートナーとしてのデザイナーの存在です。

こんにちは、高橋ピクトです。
編集の仕事を始めてから、デザイナーさんには学びっぱなしです。

編集者とデザイナーの関係性私は、本の中でも実用書を作

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出版社と編プロ、良い関係の作り方。仕事の依頼〜チェックまで

出版社と編プロ、良い関係の作り方。仕事の依頼〜チェックまで

今回は、本を作る際にかかせない
編集者同士のチームプレー、
出版社と編プロの関係性を良くする仕事の仕方についてお話します。

こんにちは、高橋ピクトです。
池田書店という出版社で実用書の編集をしています。

最近、編プロさんから、出版社のこんな対応が困る!というリアルな声を聞くことがあり、出版社にできることって何だろうと考えて書きました。

出版社の方で、「編プロと仕事をしているけど、どうも

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「実用書づくりって、楽しいよ」編集者のやりがい3つの瞬間

「実用書づくりって、楽しいよ」編集者のやりがい3つの瞬間

「本づくりのやりがいって何ですか?」
最近、編集者志望の方から質問されました。
日々やりがいを感じることはあるものの、いざ聞かれると、何と答えたらよいものか困るものですね。

こんにちは、高橋ピクトです。
池田書店という実用書の出版社で編集の仕事をしています。
私は、実用書の編集を20年近くやっていますが、
この仕事を「やりたい!」と言っている人は、あまり見かけません…。

実用書は、日常生活

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