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長編小説『夜次元クジラは金魚鉢を飲む』

▼本作は小説投稿サイト「ステキブンゲイ」でも公開しています。

創作大賞2022中間審査通過
全45話 約12万字(文庫本一冊程度)



あらすじ

 四次元に行かないか、そうすれば死んだ留里ともひとつになれる――と、夜次元クジラは言う。
 波留が夜次元クジラを見られるようになったのは一年前のことだった。同性婚の親を持つ波留は、好奇の眼差しから逃れるために夜次元クジラのことを考えた。ここは教室ではない。死んだ母親、留里が描いた絵本『夜次元クジラ』の中。何度かそんな妄想を繰り返し、あるとき目を開けたら教室を夜次元クジラが泳いでいた。
 転校した先の学校で、波留は出目金が体を抜け出して四次元出目金になるのを目にする。金魚鉢のある教室に入り浸り、金魚係のシンとは少しずつ打ち解けていったけれど、過去のトラウマから友人を作ろうとはしなかった。一方、母親の那波は「波留の父親になりたい」という田辺を家に住まわせる。男性と結婚しようとしている那波に反発し、波留の心は四次元に惹かれていく。
「死ぬのは怖くない。夜次元クジラ、留里ママに会わせて」


登場人物

伊足波留イタリハル 中学三年。夜次元クジラが見える。

槇村心マキムラココロ 通称シン。一歳年上の海斗とはサーフィン仲間。波留のクラスメイト。

森谷笹音モリヤササネ 波留とシンの担任。

砂見海斗スナミカイト 高校一年。シンの幼なじみ。波留の隣人。

砂見勇気スナミユウキ美羽ミウ 海斗の両親。サーフショップCONA経営。

伊足留里イタリルリ 波留の母親(同性婚)。波留が小五の時に死亡。VRアーティスト。

伊足那波イタリナナミ 波留の母親。

田辺一季タナベイッキ 那波の恋人。

嶋田克樹シマダカツキ 波留の叔父。那波の弟。

夜次元ヨジゲンクジラ 留里の作品『夜次元クジラ』に登場するクジラ。


目次

※公開したエピソードからリンクを追加していきます。

0. 記憶の中の母親

1. 金魚のいる教室

2. WIZMEEウィズミ―

3. 四次元金魚

4. 四次元のクジラ

5. クジラとの対話

6. 金魚係

7. スケッチブック

8. 思春期の男の子

9. 砂浜の二人

10. 微睡の海

11. 四次元散歩

12. 去年の金魚係

13. サボタージュ

14. 線引き

15. 隣の庭

16. CONAの人たち

17. マリンスノーの夜

18. ゆがめるもの

19. 母親たち

20. 共食い金魚

21. 将来の夢

22. 血のつながり

23. 裏返し

24. 父親

25. デザートタイム

26. ブックマーク

27. 二人の四次元散歩

28. 夢と過去

29. スノードーム

30. 大人たちの会話

31. 悪夢

32. 最期の会話

33. 繰り返す時間

34. 夏祭りの答え合わせ

35. 金魚の墓

36. バイバイ

37. 四年ぶりの再会

38. 地図にない座標

39. 好きな人

40. 触れられない人

41. 鏡の中

42. 時空交差点

43. わからないこと

44. エピローグ





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