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『アンビシャス』胸を熱くさせる人間達の物語
私は日頃ノンフィクションを読む際には、透明フィルムの付箋を常備するようにしていて、心に留まった箇所に次々と、結構大量に貼って記憶に残していくのだけれど、本書には1つも付箋を貼ることがなかった。付箋のためにページを繰る手を止めることさえ躊躇われるほどに、本書に心を奪われたからだ。最近ちょっと涙脆くなってきたのかもしれないが、圧倒的なビジョンと熱意をもって疾走する人間達が繰り広げるドラマの連続に、幾度
もっとみる背伸びせずに、アートを楽しむために。
前回のpostでファッションへの苦手意識について触れたのだが、アートについても似たような感覚を持つ人は少なくないのではないだろうか。教科書に載っているような絵画や彫刻の名作を前にして、純粋に凄いとは思うものの、それ以上の言葉を持ち得ずに、その魅力を本当に味わい尽くせているのか今ひとつ確信がないというような、そんな感覚。「小難しく考え過ぎずに、素直に良いと思える作品を楽しめば、それでいいんだよ」と言
もっとみるファッションが苦手な大人達のために
私はつい最近転職をしたばかりなのだけれど、新しい勤め先は服装に関する規定が殆どなく、多くの社員がカジュアルな格好でオフィスを訪れている。前職も決してドレスコードが厳しかった訳ではなく、お客様応対を除くインターナル・ワークではジーンズでも全く問題ないレベルではあったのだが、今の方がより自由度が高い感覚だ。ビジネスカジュアルというよりも、ごく日常的なカジュアルスタイルで、皆がそれぞれの服装を楽しんでい
もっとみる渇望こそ成長の原動力
昨年12月28日をもって37年間の歴史に幕を下ろしたフレンチレストラン「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーシェフである三國清三さんの自伝。なかなかに挑発的な表紙のモノクロ写真を書店の棚で見かける度に、いつも気になっていたのだけれど、週末に購入して一気読みしてしまった。非常に刺激的で面白く、読み終えた人間の心に何かを残してくれる著作だと思う。
北海道の増毛町から単身東京へと渡り、帝国ホテルでの働く機
What I read defines me.
ここ暫くは思うようなペースで読書ができない日々が続いていたのだけれど、2023年は心機一転、読むことをより大切にしていきたい。なんとか年間100冊を目標で。とはいえ、私にとっての読書は基本的に娯楽なので、効率も効能も気にせず、純粋に愉しみのために読むつもりだ。
そういえば、東大ラグビー部のプレーヤーが以前にリレー日記の中で紹介していた『バットマン・ビギンズ』の台詞に"What I do defi