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最近観た旧作の感想メモ(2022年4月分)

サバイバルファミリー(Amazon Prime)


仙台に旅行しようしてた(結果諦めましたが)時、仙台ロケの映画を求めて観た1本。矢口史靖監督は「ハッピーフライト」が大好きでそれ以外はそこそこ、くらいの感じだったけどこれはだいぶ面白かった。思ってる以上にちゃんと深刻に描写されるし、ちゃんと人は死ぬということを予感させてくれる。沈没しないver.の「日本沈没」的な、ジョークの機能しない深刻さ。僕も困った時は水族館と養豚場の近くに身を寄せようと強く思った。あと一昨日こんなニュースが出てたもんだから、更にこの映画の信頼性が増してしまった。


ボーダー 二つの世界(Amazon Prime、U-NEXT)

スウェーデンのファンタジー映画。特殊メイクを施した役者2人のただならぬ気配とずっと漂う嫌なムードを引き連れつつ、抑圧と解放へと導いていく奇妙なフェアリーテイルだった。迫害された者、そして本能を取り戻していくこと、ジブリチックなモチーフをかなり激しく、サスペンス色強めに描いてあった。ビジュアルこそインパクトはあるけど王道のストーリーテリング。


青葉家のテーブル(Amazon Prime)


「サマーフィルムに乗って」の松本壮史監督作品。「北欧、暮らしの道具店」のタイアップ映画で連作短編を繋ぎ合わせたもの。映画としてのうねりは薄いけど、平熱な暮らしの中の少しの揺らぎとちょっとした冒険をゆったりと捉えてある。蛙亭の中野くんがコントのテイストのまま素晴らしい演技を披露していて、あの質感ってちゃんと映像作品の中にも息づかせられるのだな、と。あと劇中でトクマルシューゴが担当した音楽が非常に良い。オーガニックなのも良いけど、こういうオルタナ全開の彼の音楽も最高なのだ。


孤狼の血 LEVEL2(Amazon Prime)

鈴木亮平が怖すぎる。どうにかなっちゃうんじゃないかと思った。あっさりと人が死に去っていく、こういう極道モノの醍醐味である虚無感もこういう怪物みたいな役がいると一気にサイコサスペンスっぽさに塗り込められるのだな、と。面白いけどどっと疲れる。暴力団排除条例が最後は描かれているので、「すばらしき世界」や「ヤクザと家族」の前日譚のようにも見れた。


明け方の若者たち(Amazon Prime)

あらすじだけだと「花束みたいな恋をした」そっくりだったけど、向かってる方向はもっとなんだか平坦で疲弊した感傷だった。もしかするとこのくたびれ感にこそ、今の20~30代は最もシンパシーを覚えてしまうのではないだろうか。そう思うと実に悲しい、けどリアル。気になったのは、そんなに必要ないけどなぜかあったベッドシーンがあまりにも画として不自然だったこと。そんなやつおらんやろ、という服装で。難しいならやらなくてもいい、必要ないならやらなくてもいい、ベッドシーンはそうあってほしいと常々思っているけど、ここまで違和感いっぱいだと普通にすげえ邪魔で嫌だった。


浅野いにお「勇者たち」


久々に漫画を。ずっとCDJとのコラボTシャツだけは持っていたこの作品を始めて読んだ。怒りと憎悪の連鎖をコミカルなタッチで、しかし笑えない殺伐とした展開を連続して見せていく手法はどんどん胸に淀みがたまっていくようだった。同時に読んだ「世界の終わりと夜明け前」は初期短編集だったので非常に濃い浅野いにおを堪能したが、「勇者たち」の無情かつシュールな暴力性がやたらと際立って、"作風を磨く"ってこういうことか、となった。


石黒正数「外天楼」


DMMレンタルで数合わせ的に借りて読んだのだけどとても好きな構成を持った連作短編集でとても良かった。近未来の世界とクローン技術という使い果たされた設定だけど、中身は青春コメディと推理モノ、どんでん返しなど多彩。最終的には1つの物語に収まっていくのだけど、そのさりげなさも見事だった。これはドラマ化とかされて欲しいな。「世にも奇妙な物語」みたく。


butaji『OutSide』

来月のSWEET LOVE SHOWER SPRINGに行く予定なので予習がてら。昨年の『RIGHT TIME』の時も思ったけど、とにかくアレンジのバリエーションが豊かだ。打ち込みっぽいアプローチは徐々に芽生えたものだとばっかり思っていたが全然この頃からあって。フォーキーな普遍性と、先鋭的すぎない、いなたさとノスタルジーを纏いながらもフレッシュさもあるという抜群のバランス感。これを丹念に突き詰めて今に辿り着いたのだな、と思うとやはり自分の好きなアーティストは突然変異的でなく地道な歩みであることが多い。


「X-MEN」オリジナル3部作

来月の「ドクターストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」に、X-MENに関連する人物が出てくるとのことで、急ごしらえで全シリーズ観てみることに。いずれ見ようとは思ってたんでね、まぁここでしょ、と。そもそもX-MENに関する知識はほぼ皆無、大昔にウィスパーボイスで「エックスメン、、」と囁くCMがあったなぁということと、ヒュー・ジャックマンの爪がすげえ伸びてる、というくらい。オリジナル3部作と位置付けられるこの3本、てっきりヒーローチームの話かと思ってたら割と最初は学校の話でもあるし、だんだんと仲間が増えていくという物語でもあり、そして被差別を描く作品でもある、と。ミュータントという概念は確かにMCUには全然なく、こっちで育まれてきたテイストなんだな、と。やはり恋愛要素が絡んでくるのか、とか、グラフィックの粗さとか、ストーリーの多層さとかMCUと比べるとやっぱり見劣りするけど、このシリーズがあったからこそアメコミヒーロー映画がリレーされていったと思うと、その点でも非常に興味深かった。


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