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この店の歴史が、この街の歴史。

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この街を長らく見つめてきたセンパイたちは、 いまの下北沢をどう見ているんだろう。 下北沢で長くお店を営んでこられた先人たちに聞く、 お店と、街と、この街を通り過ぎていった人たち…
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16軒目:ヤマザキショップ 代田サンカツ店

16軒目:ヤマザキショップ 代田サンカツ店

下北沢駅から小田急線でわずか一駅、下北線路街の開発や人気ドラマのロケ地となったことで近年盛り上がりを見せている世田谷代田駅。そこから、歩いて2分ほどのところにあるのが、〈ヤマザキショップ 代田サンカツ店〉だ。

「サンカツさん」の愛称で親しまれるこのお店は、懐かしい駄菓子がずらりと並んだり、日本酒を樽で仕入れて販売していることがあったりと、こちらならではのユニークな商品ラインナップもさることながら

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15軒目:北沢小西

15軒目:北沢小西

下北沢駅前を出て南口商店街の人混みを下り、老舗の花屋さん「ユー花園」手前の路地を右へ。少し歩くと右手に映画『STAR WARS』の映画タイトル…のような看板と、作中に登場するロボット・R2-D2のフィギュアが。「映画グッズのショップ…?」と一見思ってしまうそのお店の名は、クラフトビール&ハードサイダーの小売酒店『北沢小西』。扉を開くと、壁際にずらっと冷蔵庫が並び、日本だけでなく海外のクラフトビール

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14軒目:中華そば専門店 一龍

14軒目:中華そば専門店 一龍

カレーと同じく個性豊かなラーメン店が多い下北沢。そんな中で1984年に開店し、昔も今も老若男女から愛され続けているのが《中華そば専門店 一龍》である。

下北沢駅東口から徒歩約3分、雑居ビルの1階にあるカウンター13席のこぢんまりとした店内は地元住民、観光客、近所のアパレルショップの店員などで常に盛況だ。周囲に次々と新店がオープンする激戦区にあって、「下北沢でラーメンといえばここ」という人も少なく

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13軒目:CLUB251

13軒目:CLUB251

数多くのライブハウスが軒を連ねる下北沢。中でも、2023年にオープンから30年を迎える老舗が〈CLUB251〉。ジャズのコード進行「ツー・ファイブ・ワン」が由来のこのライブハウスは、BUMP OF CHICKENやTRICERATOPSなど多くのアーティストを世に送り出したシモキタの聖地のひとつ。ミュージシャンとして活動しつつ、古くからこのライブハウスに携わってきた運営会社COTOCの代表取締役、

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12軒目:つ串亭

12軒目:つ串亭

昔から数多くの居酒屋やバーが軒を連ねる下北沢。しかしここ数年のコロナ禍で閉店の憂き目を迎えている。友人や知人と飲もうと久しぶりにお店を訪れ、「あれ?いつの間にか閉まっている……」と愕然とした経験を持つ人も少なくないはずだ。

そうした状況下にありながら、来年(2023年)開店50周年を迎える老舗の居酒屋が〈つ串亭〉。南口商店街の坂を下った所の三差路を左に曲がると「創業 昭和48年」と描かれた看板が

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11軒目:本多劇場

11軒目:本多劇場

音楽と演劇、古着とカレーの街として知られる下北沢。その「演劇」の部分はここの存在なしにはあり得なかった。それが本多劇場である。

1981年の〈ザ・スズナリ〉を皮切りに、〈本多劇場〉、〈駅前劇場〉などを次々と開場。その後も大小さまざまな劇場を設け、現在下北沢で8つの劇場を運営するのが本多劇場グループ。その代表である本多一夫さんと、息子で総支配人を務める本多愼一郎さんにお話を伺った。

心の内にあっ

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10軒目:オオゼキ下北沢店

10軒目:オオゼキ下北沢店

下北沢駅東口を出ると、工事中の駅前広場の右向こうに見えるのが、ブラックがメインのシックでポップな建物。階を貫く大きな窓に「OZEKI」の看板が掲げられていることで、そこがスーパーマーケットであることがわかる。2020年3月に改装された、オオゼキ下北沢店である。

ほうぼうから老若男女が集まる街であり、乗り換え駅であり、古くからの住宅街でもある下北沢にはいくつかのスーパーがあるが、ここオオゼキは1日

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9軒目:ヴィレッジヴァンガード下北沢店

9軒目:ヴィレッジヴァンガード下北沢店

多種多様な業種の店舗が立ち並ぶ下北沢の街で、一番象徴的なお店は?と聞かれたら、ここの名を挙げる人もきっと多いんじゃないだろうか。

ヴィレッジヴァンガード下北沢店。

「遊べる本屋」をキーワードに、本に加えてCDやDVD、雑貨やアパレル、食品まで展開する“何でもあり”な書店の、東京の総本山ともいえるこの下北沢店で現在店長を務めるのは米山才季さん。2020年12月に店長になったばかりの米山さんに、お

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8軒目:カフェ トロワ・シャンブル

8軒目:カフェ トロワ・シャンブル

下北沢南口商店街の坂を下り、三差路が見えたら右に入ってすぐのビル。木の看板には〈カフェ トロワ・シャンブル〉の文字。すぐ横の看板には「おいしいコーヒーをどうぞ・・・」とある。それを見た瞬間、どんなに忙しない日々を送っていても“たまにはのんびりコーヒーでも飲んでいくか”という気にさせられる。

階段を登り店内に入ると、そこかしこにアンティークランプが灯る昔ながらのカフェ。一枚板のカウンター席に、いく

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7軒目:茄子おやじ

7軒目:茄子おやじ

専門店に加え、「カレーがメニューにある店」を含めると実に100店以上と言われるカレーの街、下北沢。毎年秋に開催される〈下北沢カレーフェスティバル〉で街中を食べ歩いたことのある人も多いはず。その中でも、1990年開店と長い歴史を持つカレー店が〈茄子おやじ〉である。

駅を出て南口商店街の坂を下りきった所を右に曲がり、少し進むと平仮名で“なすおやじ”と描かれたファニーなスタンド看板が見えてくる。大きな

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6軒目:HAIGHT&ASHBURY

6軒目:HAIGHT&ASHBURY

下北沢といえば古着の街。駅近エリアに何軒も立ち並ぶ古着屋の中で、29年も前から圧倒的な個性を発揮しているのが〈HAIGHT&ASHBURY(ヘイト&アシュバリー)〉。北口から歩いて約3分。大きな真紅のハイヒールのオブジェがあるお店、といえば「あー、あそこね」とすぐに思い至るという人も多いはず。
 
そのオブジェの傍らにある矢印に従って階段を登ると、お店の真ん中に鎮座するこれまた大きなキノコのモニュ

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4軒目と5軒目:ジャズ喫茶マサコと、Jazzと喫茶はやし

4軒目と5軒目:ジャズ喫茶マサコと、Jazzと喫茶はやし

1953年に開店し、2009年に再開発のため惜しまれつつ閉店した〈ジャズ喫茶マサコ〉。半世紀以上にわたり多くの人に愛されたジャズとコーヒーの名店が、2020年5月、同じ下北沢の地に復活を遂げた。

以前の〈マサコ〉は駅の南口近くにあったが、新店舗は北口のビルの2階。店主は旧マサコでスタッフを務めていたmoeさん。バンド〈民謡クルセイダーズ〉で活動するキーボード奏者でもある。moeさんと同じく旧マサ

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3軒目 MOTHER

3軒目 MOTHER

縄文時代をモチーフにした、その入り口からしてアーティスティック。扉を開けるとさらに濃密な空間が広がっている。古いレンガや瓦、ガラス、タイル、アルミ缶、流木など、すべて廃材から作られたという内装はそれ自体が下北沢の名物である。駅前から坂を下り、餃子の王将の手前の角を曲がったあたりにあるバー&レストラン〈MOTHER〉。開店から48年を迎える老舗酒場の歩んできた道は、オーナー・山崎千鶴子さんと娘である

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2軒目:フラッシュ・ディスク・ランチ

2軒目:フラッシュ・ディスク・ランチ

ビルの入り口にある奇抜な看板は下北沢の名物。その階段を上がればワンフロア、360度広がるレコードの山、山、山。日本有数のレコードタウンとして国内外から多くのレコード好きが訪れる下北沢の中でも老舗中の老舗が輸入中古レコード店〈フラッシュ・ディスク・ランチ〉。

ロック、ジャズ、ニューウェーブなどジャンルの幅広さと豊富な品揃えで、有名ミュージシャンも頻繁に訪れるこのお店。出迎えてくれるのは名物店主の椿

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