マガジンのカバー画像

セカイの日常

25
セカイの日常。
運営しているクリエイター

#今こんな気分

"何者か"になりたくて苦しいけど、たぶん、未来から見たら愛おしいのだろう。

"何者か"になりたくて苦しいけど、たぶん、未来から見たら愛おしいのだろう。

家に「Emilia(エミリア)」という名を持つ、テディベアがいる。サラサラと滑らかな美しい光沢のある毛並みに、反射した光を内包するつぶらな黒い瞳。ほんのり口角を上げた口元で、いつもじっと、そこにいる彼女は、日々変わらず"愛らしい"という癒やしをもたらしてくれる。

「Emilia(エミリア)」という名を持って生まれた彼女は、表参道にあるSteiff青山店に並べられ、わたしという人間に見初められた。

もっとみる
育休後のキャリアに悩む友人に何と答えるべきだったのだろう

育休後のキャリアに悩む友人に何と答えるべきだったのだろう

好きに生きたらいいのに、という言葉は、薄情に聞こえてしまうのかもしれない。

--

空一面に隙間なく分厚い雲が敷き詰められた、湿っぽい昼どき。部活帰りの学生たちに囲まれながら、錆びたコンクリートの階段を降りると、改札の向こうで久しい顔がこちらを見ていた。

高校から続く十年来の友だちと、その子どもだ。この間、会ったときはハイハイしていたはずなのに、しっかり両足で立っている姿に成長の早さを感じて、

もっとみる
言葉を発さずに表現できるものが好き。その方がこころが清潔な気がするから。

言葉を発さずに表現できるものが好き。その方がこころが清潔な気がするから。

タイトルの通りである。

会話とは、音を繰り返し伝え合う行為だ。
のどの奥を震わせて「声」という音を、空気中に振動させ、相手の耳へ響かせるーー。

この一連の取り組みが、決して「嫌い」なわけではない。友だちや家族など、心をゆるせる好きな人同士で行われるのなら、何の申し分もない。むしろ、その瞬間をより楽しく美しく彩色してくれる「声」は、大好きだ。

けれど、心をゆるしていない相手。たとえば初対面の人

もっとみる