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人生も歴史も嫌なことばかりは続かない。欧州サッカー。スペインが「苦手」のイングランドを下して優勝。無敵艦隊が436年越しの「雪辱」。日本にとって「世界の壁」が薄くなった証し

人生も歴史も嫌なことばかりは続かない。サッカー欧州選手権決勝で、スペインがイングランドを下して頂点に立った。世界史の教科書を紐解いても、両国の因縁は深い。サッカーでも歴史でも、スペインは苦杯を喫し続けてきたが、ついに雪辱を果たすこととなった。実に436年越し。無敵艦隊が頂上決戦で難敵を下してヨーロッパ大陸の王者に君臨した。

14日にドイツで行われた欧州選手権決勝。「無敵艦隊」スペインは「難敵」イングランドから終了間際に勝ち越し点を奪い2-1で下した。史上最多4度目のヨーロッパ王者に輝いた。

スペインにとって、今回の道のりは険しかった。本大会のグループリーグでは、まさに「死の組」に入った。前回大会優勝のイタリア、2022年ワールドカップ3位のクロアチアと同居することになったのだ。

しかしスペインはグループリーグを3戦全勝で1位通過。決勝トーナメントに入っても、準々決勝で開催国のドイツを延長の末に振り切って勝ち上がる。準決勝では優勝候補の筆頭と言われたフランスに競り勝って、頂上決戦に駒を進めた。

そして決勝の相手がイングランドだった。これまでの欧州選手権の本大会で、スペインはイングランドに2戦全敗と苦手にしていた。決勝は「難敵」に挑むこととなった。

世界史においても両国の戦いとなると、1588年の「アルマダの海戦」が有名だ。フェリペ2世の君臨するスペインが、「無敵艦隊」を送り込みイングランドへ侵攻を図った。しかし、エリザベス1世が国王のイングランドに大敗を喫する結果となった。

その様子はケイト・ブランシェットさん主演の映画「エリザベス ゴールデン・エイジ」でも描かれる。これを機に、スペインの制海権は失われていった。

サッカーにおいても歴史においても難敵のイングランド。スペインは今大会の決勝で、後半の立ち上がりに先取点を奪うものの、28分に追いつかれる。相手の選手もスタンドも盛り上がる。完全に厳しい展開となった。

それでもスペインはひるまない。41分に左サイドからのクロスに、オヤルサバル選手が詰めて勝ち越しゴールを奪った。その後の相手の反撃をシャットアウト。3大会ぶり4度目の欧州王者に輝いた。しかも苦手とする相手を下しての優勝。喜びもひとしおだろう。

スペインは、アルマダの海戦以来436年越しの「雪辱」を果たした。まさに「無敵艦隊」の復活だ。

日本にとっては、うれしいニュースかもしれない。2022年のワールドカップ(W杯)で、日本はスペインに歴史的な勝利を挙げているのだから。日本サッカーと世界との距離がさらに縮まっていることを裏付けたことにもなる。

サッカー日本代表にとっては「世界の壁」が薄くなった証しともいえる。遠いヨーロッパの情勢から、日本の明るい未来が見えたようだった。

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