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詩作、過去作品 公開保存用

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#エッセイ

鹿の残響

 脱ぎ捨てられた長靴が田植用ではないという噂で満ちた木立。形容詞の鹿は異なる重力で風にのり、風はテレビから吹きはじめた。

魚卵が浮いている。それだけで夜の闇が広がった。納屋は摩擦であふれていた。オルガンの音のように、ただ果実が熟すのを待つ。

屈葬の話をし出すと親戚中若返る。そして鹿が駆けるように午後は、イヤリングになった。喪服からのぞく素足を気にする女性達。

 「一度でいいからストリップを観

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「犬棄て」完全版

ンヌん、

、ァぉお(゛めっ、ァやンまさ、ッホ犬ルンコば棄でっ(゛こォ、、どォ、ニ謂わっッちゃダンば。ェあァ(゛かノィ犬ルンコンばェ、ヌオお(゛めっヌッ雌スィインルっコヌィ血ィ見ィ(゛て、キちィんんォポッ、おホッとォタとァッ(゛て(゛て、わァあハ、めィが(゛けェ(゛てィはァ、ンわシャどッさきぃ(゛てなネぃぁおらハァおらハぁ、

、どオ、ぅばァォ婆ッさッ、、、

ヌん、ヤわ(゛かったア、ヤわ(゛か

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姪と少尉

川の淵の時計のように揺れるところだけ柔らかく触れ、姪は少尉のことを筆記体で綴ろうとした。荷物を持たない姪の手は倫理の外にあり、液体の郵便を待っている。日光を透過させる耳。ホウセンカの種子を指でこすったことがあっただろうか。毛糸の小鳥が飛び出す仕掛け絵本に触れたとき姪は、犯罪をそっと皮膚でおこなう青年に懸想して、夏野菜を皿のすみに残した。シメスヘンという部首を何度も練習する直後になると思うから、潤沢

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私たちの世界の窓はいつも、豊かな指紋で溢れていたのだ

臓器を、小さくしながらおこなう恋愛の只中で、鳥の巣をみつめていたら、それが母国語と対等に孤独だとわかった。犯罪と森林について、書いていこうと思います。光と骨折の関係にいのるとき、瞼の中で誰もが行方不明になるから、春休みのあとの言い訳を考えてしまう。森林は、あらゆる死骸が積み重なって成長する、未然形なのである。

兄弟は森林のなかで、秘密基地をつくって遊んだ。弟は大人の男の皮膚呼吸に圧倒されて、社会

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詩人・井上充子さんにとって、キツツキとはなにか

暖炉の前でみずがめ座の話を聴かされたとき、自分はおうし座で、空がとても短いイ短調になり始めました。そんなふうにして昨日、手のひらでお椀をつくり、そこに夜を注いでもらってから、そのままにしています。だから井上さんが「キツツキ氏らは経理士を家業として/一門の繁栄をほこっています」と描かれた時、氏の労働をわたしは、昨日の夕刊のなかにそっと、隠してあげたいと思いました。新聞にはまだ埃っぽい風の温度も残って

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畦道の風

少年が、予期せぬ便意で駆けている、じゃりの音、

置き去りにされた、夏を、結わえる、

カフェオレと、あぜみちの、風の中になら、納税する。

生まれ故郷が、いつも一日足りないことを、

掬いながら、大豆の刈取り。転作田のような人々が、

補助金の話をしている、公会堂は、

日にあてた、座布団の、においがしています。

結局、与党は、年金の支給日に、

かんてんの素を、安くしてくれますか。

   

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失業保険

。ん、ああ、、そう潮干狩りのような午後。遠近法の風が流れて、そうめんつゆが古い木のテーブルに染み込もうとしており、それは、ストレートタイプだった。あなたのゴシック体が嫌いです、と偏西風のように囁かれても他の書体を知らず、いま思いつく字というと、タイプライター。阿倍仲麻呂。音を立てずに、花言葉を調べなければならなかった。そんな時、打楽器で癖になったささやかな腱鞘炎が蘇って、洋梨の、果肉の病気を間近で

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羊歯植物

                           葉と葉の間一つ一つがお稲荷様だ。

背中の毛が濡れている。

どぶ板の上につくられたお稲荷様、

出勤前のホステスの腰の臭いを嗅ぎたくて体をかたむける。

どぶを流れる油の虹色の反射が岩手の女のようだと言って喜んだ。

東北の北のほうにしか褐色の女はいないという。

お稲荷様は明け方石になる。

葉はそろって不潔に揺れる。

 

     

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仮形成

りんかくが、尽きたところから、肺が、うまれたのかもしれず、まだ分裂の途中で、穀物袋を、抱えようとするから、宿命のように、咽にへばりつく痰が物語、かもしれないと思う間に唾液で、ながしこまれると身体の、中で子音だけがひびく気胸の、痛みにかわっていく。冷たい、と初めて感じた、記憶のことを、話したくて自分にも白骨が、あると自覚したそんな夜の、月の、感じで胎児、という個人的な、地図がいづれ刃物に、かわり力尽

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牧師のオルガン

これは、前奏。そっと鍵盤にそえる指。牧師の手の甲は、いとも簡単な月のようだった。毛筆のような遠視の伯母が訪ねてくる。脳裏によるしなやかな手紙をたずさえて。家族のなかだけの言葉をつかい、リッタイテキな本棚を何個もつくるように言った。伯母がねむるとき、夏の頸動脈が深淵な川に到着する。その先で白紙に並べられた数式は、水脈のようにみえた。一斉に、蝶々結び、できるだろうか。図工が苦手な人たちとともに高山植物

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植物の葬儀

鬼百合は、寓話になることに夢中だった

一本の植物は宇宙に虹が出るかを考えている。恋人のアキレス腱と同じ受動態で、それを描くことを想いながら。落書の臓器をもたない蛙が、手足を一本一本投げ棄てながら産卵する。その蛙の粗い呼吸の分だけひろがる湖面に、春になったら猛禽類を排泄したいと。

球根植物は、暴力のあと何が残るか知っていた

その後、美しく涙を流しました。静電気に触れるとよく記憶喪失に陥り、忘れ

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