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わたしのなかの”あふれ”が言葉になり、その言葉たちが繋がって、詩になりました。
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#表現

銀色のオオカミ | 詩

銀色のオオカミ | 詩

ベレー帽が良く似合う
その季節の端っこで
プレゼント開けて
ベルを鳴らそう

手帳からチケットが
こぼれ落ちては
落ち葉に紛れて
かくれんぼしてる

もういいやって
かき集めた雑貨たち
森の中に還したら
銀色のオオカミ

目が離せない毛色の奥で
うごめくのは灰色の牙
星屑が散りばめられたような爪が
私の首元をそっと撫でた

キミに食べられて
今日は美味しいコーヒーが飲める
口角が上がった瞬間に

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まどろみの中で | 詩

まどろみの中で | 詩

ねても、ねても

ねてもねむい

まどろみのなかで

何を思えば

目が覚めるのだろう

夢から覚めても

また夢だったのに

夜市へ | 詩

夜市へ | 詩

ゆらゆら、揺れる

灯りが、ともる

息を止めて

橋を渡れば

そこは夜市だ

金魚がざわめく

人間共はいない

賭け事は当たり前

りんご飴はないけれど

ここには人々の欲が詰まっている

存在証明 | 詩

存在証明 | 詩

やりたいこともない
あるのは存在だけ

生きる希望もない
心臓の音をただ聴いているだけ

昨日より今日
今日より明日

布団の中で唱えるおまじない

何もできない日は
どうしたって
否定的になる

生かすも殺すも
自分次第だと
いかにも健康そうな人が
語っていたんだ

くたびれた日に
心を揺さぶるのはどんな唄だっけ

くだらない毎日を
特別な日々に変えてくれたのは
どんな言葉だったっけ

遠い日の

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鏡 | 詩

鏡 | 詩



嫌なところも素敵なところも映し出す

人の嫌なところは
まるっきり自分が持ってる
要素だったりする



怖いくらいに嘘をつかない

それが時に人も自分も傷つける

自己嫌悪にご注意を

日頃から

自分と周りを愛する訓練を

色彩 | 詩

色彩 | 詩

わたしの色彩
どこへいった

きらめいてた日々
どこへやった

なにをみても
なにをしても

灰色になるんだ
おかしな世界よ
ほんとうに

やすめ
やすめよ
ゆっくりと

こころの色彩
取り戻すまで

なぞれ
なぞれよ
しなやかに

わたしの命が
芽吹く先まで

ひずみ | 詩

ひずみ | 詩

沈んでしまいそうだ

そう、今ここで気を抜いたなら

崩れ落ちてしまいそうだ

そうなったらなったで
別に正解かもしれないけれど

なんでも無い顔して

ゆらゆら、ふわふわ

あっちで良い顔、こっちで聴き役

演じていた君は

いつのまにか居なくなっていたから

止まらないジェットコースターは

無理矢理にでも降りないといけない

取り返しが

つかなくなる前に

君が笑えば | 写真・詩

君が笑えば | 写真・詩

君が笑えば

あの陽だまりの中に

私の心は

置いていける

君が笑えば

零れ落ちたこの涙も

いつかは乾いて

消えていく

目を瞑って

お日様の光を

たくさんに集める君を見て

“愛しい”

と言う言葉が

頭に浮かぶのだから

青りんご | 写真・詩

青りんご | 写真・詩

青りんごは内緒の果実

その秘密をこぞってみんな

隠している

教えてあげなよ

不親切だな

いやいや

知らない方が

悪いんでしょう

その果実を深く知るものと

最近その果実の良さについて

わかったものとで

口争う

狭い狭い

世界の中で

今日も争いは

何気なくも起きている

ほろ苦い | 写真・詩

ほろ苦い | 写真・詩

僕たちの未来はたぶんきっと

ほろ苦い

どれだけ人に、国に、

尽くしたって

貰えるものはきっと

限られている

ごくごく僅かなものかもしれない

ほろ苦い

ほろ苦い

でもたまにとても愛おしい

君がそばにいるなら

灰色なこの世界も

虹色になる瞬間を

僕は噛み締めて

ただこれからも生きていく

砂糖菓子 | 写真・詩

砂糖菓子 | 写真・詩

誰かを想う気持ちは

まるで砂糖菓子のように

手で触れただけで

ほろほろ崩れて落ちてゆく

人に優しくできない

自分を許せなくて

1人こっそりと涙を溢した

もう風も幾分冷たくなったね

もうあの頃には

戻りたくても戻れないんだね

金木犀の匂いが大好きだった

優しく儚い

お伽話の様な

愛しいあの頃には

ひとりぼっちの街灯は | 写真・詩

ひとりぼっちの街灯は | 写真・詩

ひとりぼっちの街灯は
不思議な海と空の青色を背景に
今日も辺りをそっと照らす

ひとりぼっちの街灯は
そこから何処かへ行くことは
決してできないけれど
その明るさと容姿に
惹かれた人が集まってきては
綺麗、素敵ね、
なんて言葉をそっと届ける

ひとりぼっちの街灯は
言葉を発することは
決してできないけれど
後ろから澄んだ波の音が
ざぶん、ざぶん、
とバックミュージックのように
鳴り響いていて
今日

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この星で生きるわたしたちは | 写真・詩

この星で生きるわたしたちは | 写真・詩

さようなら 私の感情
どうしようかと悩んだそれは
貴方を想うことで
まるで泡沫 消えていきました

ありがとう 私の感情
そう君らのおかげで
今この星から消え入りそうな
誰かの痛みと嘆きの声に
気づく事が できました

ねぇどうしてどうしてと
止まらぬ不安悲しみに
沈んでいたあの頃
ほら あの頃のわたし
見ていますか
今は彼らと こんなにも仲良しです

悩んで悩んで悩んだ先
辛くて辛くてやっと開い

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帰ろう | 写真・詩

帰ろう | 写真・詩

日が沈む

また今日が

過ぎていく

出来なかったことも

情けない自分も

全部

全部

洗い流して

記憶の片隅にだけ残して

帰ろう