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銀色のオオカミ | 詩




ベレー帽が良く似合う
その季節の端っこで
プレゼント開けて
ベルを鳴らそう

手帳からチケットが
こぼれ落ちては
落ち葉に紛れて
かくれんぼしてる

もういいやって
かき集めた雑貨たち
森の中に還したら
銀色のオオカミ

目が離せない毛色の奥で
うごめくのは灰色の牙
星屑が散りばめられたような爪が
私の首元をそっと撫でた

キミに食べられて
今日は美味しいコーヒーが飲める
口角が上がった瞬間に
心は泡になり弾けて消えていった

プレゼント開けたら
ベルを鳴らそう?
お客さんが来ても
知らんぷりでいいんだから

プレゼント開けたら
このお話はおしまい
そのクッキー缶の底が
物語の最後
オーナメント飾ってる間に
忘れないでよ
また始まりがあるとしたなら
ドアを開けるのはあの日の銀色のキミ

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