医療福祉業界のやりがい(チームケア)
先日、医療福祉業界での活躍を考えている方から魅力についてご質問いただきました。
今回は医療福祉業界のやりがいについて、チームケアの大切さやチームで行う喜びについてご紹介します。
記事の最後に、訪問リハビリで活躍されている作業療法士の方の「チームケアの大切さを感じた実際にあったエピソード」を載せています。
これから医療福祉業界で働きたいと考えている方、現在専門課程を学んでおられる方、医療福祉業界にご興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
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チームだからこそ味わえる喜びややりがいがある
医療福祉業界に限らずですが、チームで働けるということはやりがいに繋がるものであり、働くうえでの魅力の一つです。
私たち医療福祉業界では、専門職同士がそれぞれの専門性を持ち寄りながらチームケアを実践しています。
患者様・利用者様のお一人おひとりの大切な人生を支えるためには何をどのようにしていけば良いのかということを、日々話しあったり協力しながらサービスを提供しているんです。
その結果として、患者様や利用者様の生活や人生をサポートできた時にはチームでその喜びを味わうことができます。
この喜びは一人で何かを行った時に得られる達成感や喜びとは異なるもので、適当な表現が難しいのですが、とてもあたたかく嬉しいようなやさしいような気持ちと感覚になれるんです。
チームケアは簡単なものではない(姿勢)
とは言え、チームケアは簡単なものではなく時には大きなショックを受けたり、傷ついてしまうこともあります。
チームケアの大切さやチームケアによって得られるものについて理解することで、医療福祉業界で働くやりがいや喜びを感じられるようになりますが、専門職が集まっているからこその難しさもあります。
専門職が集まっているからこそ、それぞれの視点や見解があり、時には意見が合わなかったりぶつかることが出てくるからです。
このことで心が疲れてしまったり、傷ついてしまうこともありますが、この専門職同士がぶつかり合ったり意見が合わないことは当然あり得る自然なことであり、専門性を持ち寄るうえでは避けられないものなんです。
専門性が違えば、視点が異なり見解も違ってくるからです。
時には自分の意見や考えを変えなければならなかったり、時には他の専門職に対して疑問を投げかけたり、見解の理由を議論しなければならなかったりという難しさが出てきます。
だからこそ、互いの専門性を尊重し合う姿勢が大切です。
そして最も大切にしなければならないのが「患者様・利用者様を中心に考える」ということです。
一番肝心である「患者様や利用者様にとって良いものであるか」ということをチームで徹底して考えて、自分自身の知識や経験を駆使してチームで協力しあってケアを実践していくことが必要になるんです。
チームケアはなぜ必要なのか(人生を支えることは簡単ではない)
チームケアは医療福祉業界のやりがいや働く上での喜びに繋がるとご紹介しましたが、そもそも医療福祉業界ではチームで協力していくことが必要不可欠です。
人の人生を支えることは簡単なものではないからです。
医療福祉業界は人の命をお預かりし、人生を支える仕事です。
人の人生を支えるということは「こういった場合はこのようにすればいい」という画一的なサポートでは対応できないものであり、知識や経験、様々な視点や共感する力や想像力が必要となる非常に難しいことなんです。
そのため、専門職が協力しながら様々な視点や経験を持ち寄りながらサポートの内容を考案していくことや協力して実際にケアを提供していくことが大切になります。
疾患により治療が必要な方、身体的な状況や判断力・記憶力などから生活に支援が必要であったりとサービスの目的は様々です。
加えて、患者様・利用者様お一人おひとりが抱えておられる悩み・不安・生きづらさなどの思いは様々であり、ご家族の方が望まれるサービスもそれぞれ違い、更にこの思いは日々変動するものです。
その思いを聞きながらそれぞれの背景を考えた上で日々柔軟に対応しなければなりません。
これらのことを自分一人で行っていくことは難しく、それぞれの専門職の知識や経験、それらを持ち寄ってより良いサービスを創り上げていくことが大切になります。
患者様・利用者様お一人おひとりの尊い人生を支えていくことは簡単なことではないからこそ、専門性を持ち寄ってチームで協力し合いながらベストを尽くす「チームケア」が必要になるんです。
チームケアの実践は「ケアの質」「働きやすさ」「成長」にも影響する
チームケアは専門性のあるより質の高いケアに繋がると同時に、働きやすさや自己成長にも影響します。
逆にチームケアが出来ないと質の高いサービスを提供することは難しくなり、専門職としての成長の妨げになってしまったり、働きにくさにも繋がります。
その結果、医療福祉業界から離れてしまったり職場を辞めてしまうことにも繋がってしまいます。
チームケアは患者様・利用者様へのサービスのためだけでなく、働くチームや自分自身のためにも必要なものなんです。
チームで協力しあうことで、専門性を持ち寄って様々な視点や見解、知識や経験が合わさったうえでケアを実践できるため質の高いケアの実践につながります。
また、一人では考えられなかったり実践できなかったものがチームであれば可能になったりと、チームで協力することで働きやすい状況を作り出すことができるんです。
例えば、自分自身が不安になった際にも他の専門職が知識や経験を提供してくれたりアドバイスをくれて、不安を軽減してくれることもあります。
他にも、自分一人で考えるよりもチームで協力し合いながら考えることにより、多くのアイディアが生まれたりより良い解決策が生まれることもあるんです。
このような状況を繰り返すことで、日々様々な視点や知識、経験をする
ことが出来るため、自分自身の専門職としての成長にも繋がるんです。
実際のエピソード(訪問リハビリでの出来事)
※行ったケアの内容や課題に対する見解や視点が合っているか否かということをご紹介したいのではなく、チームケアの重要性をご紹介する内容としてご覧ください。
とある、朝のチームでの申し送りでの出来事です。
私はご利用者のA様の褥瘡(じょくそう)について意見を出しました。
※褥瘡(じょくそう)とは、身体の一部が圧迫され続けることで、皮膚に栄養がいきわたらず、壊死し皮膚潰瘍(かいよう)を生じた状態のことです
私「Aさんの褥瘡ですが、側臥位のときの姿勢が良くないため改善しにくい状況になっていると感じたのですが…皆さんはどう思われますか?」
看護師Aさん「いや、それは違うんじゃないかな。姿勢による圧迫ではなく栄養状態なんじゃないかな…」
看護師Bさん「多少はご自身でも動かれる方ですから、ベッド柵に接触してるんじゃないですか?それで傷に触れて…○✕△」
看護師Cさん「私達としては、〇〇さん(私)の意見は違うかなと思ったんだよね」
看護師の方々は私の意見に対して納得がいかない様子であり、何を言っているんだと言わんばかりに様々な意見を出してくれました。
ポジショニングに焦点を当てた私の意見に対して怪訝な様子でした(笑)
しかし…私は嬉しかったのです。
実は、今回のケースであるA利用者様を担当する新人看護師Xさんから…
「Aさんの褥瘡がなかなか治らなくて困っているんです。でも誰にも相談できなくて…。Aさんのためにもご家族も心配されているから、どうにかして改善させたいのですが…。一緒に同行して考えてもらえませんか?」
という相談を受けていました。
聞くところによると、1ヶ月ほど介入しているが褥瘡が治らず、新人看護師Xさんは訪問に行くのも億劫になってきたとのことでした。
この相談を受けて、私は新人看護師Xさんが、A利用者様の難治性の褥瘡を1人で抱え込んでいるというところに問題意識を感じていました。
私は新人看護師XさんとともにA利用者様にお会いし、状態を確認しました。
ポケット形成、超高齢、低栄養、麻痺、拘縮と、たしかに難しいケースであるという印象でした。
訪問後、管理者に報告し、新人看護師Xさん以外の他の看護師にも交代で訪問に行ってもらうようにしました。
冒頭の朝の申し送りは、このような背景があったうえでのしばらくしてからの場面だったわけです。
熱く議論が交わされる中で、チームのみんながA利用者さんのことを考えてくれてる温かさを感じると同時に、他の専門職の知識や経験に基づく貴重な意見の数々に私は圧倒されました。
担当の新人看護師Xさんは…
「まだ褥瘡は治ってないですけど、気持ちはだいぶ楽になりました。あんなになんとかしたいと考えていたA利用者様に何もできない自分が嫌になり、A利用者様のところにお伺いするのも嫌になりかけていました」
と言っていました。
訪問サービスは一人で行くことが多いので、一人で不安や悩みを抱え込んでしまうことがあります。
専門職と言えど万能ではなく、一人ではどうにもできないことやうまくいかないこともあり、責任や期待に反して何もできない自分の非力さや無力さを感じて、心が折れそうになってしまうことがあります。
しかし、今回のように自分一人ではなくチームで考えられること、対処できることは本当に救われることなんです。
やっぱりチームっていいな、チームだから利用者様を支えられる、自分自身もチームに支えられている、とと改めて感じる機会でした。
チームケア、チームだからこその喜びが医療福祉業界で活躍するうえで多くのやりがいを与えてくれます。
私自身もチームでケアを実践している時、実践できたことを実感できる時には多くの喜びとやりがい「チームってやっぱりいいな」ということを感じます。
少し長くなってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。
医療福祉業界で活躍されている方、医療福祉業界にご興味のある方の少しでもお役に立てれば幸いです。
今後も医療福祉業界について実際のエピソードも含めて幅広く情報を発信していけたらと思います。
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ご覧いただきありがとうございました。
sabukurocha(サブクロチャー)
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