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消費者物価指数を知る〜本当に良いインフレとは〜

少しタイムラグのある記事となりますが、
4月の消費者物価指数が上昇率2%を超え、
13年7ヶ月ぶりの事象であったようです。


本日はこの「消費者物価指数」について
解説をしたいと思います。


消費者物価指数とは、消費者である我々が
購入するモノやサービスの値動き(物価)を
把握するための経済指標のことです。

これは毎月総務省から発表されており、
全国版と東京都区版の2種類が作成されています。

英語表記では、Consumer Price Indexとされる
ため、「CPI」とも呼ばれます。

また、この消費者物価指数は全ての項目である
総合指数と、価格変動が大きい生鮮食品を
除いた総合指数についても発表されます。


今回の2%を上回ったものは、生鮮食品を除いた
総合指数です。


では、この消費者物価指数が何が分かるかが
重要なところです。

消費者物価指数に「物価」という言葉が入って
いるとおり、この指数は主に「物価」が大きく
関わっています。

そのため、この指数を読み解くことで、
ミクロでは我々消費者の購買活動が見えて、
マクロでは経済全体の流れが見えてきます。

特に、過去記事でも紹介しました、
「インフレとデフレ」どちらに振れるかにも
関わっています。

日本銀行法では、日本銀行(日銀)の金融政策
の理念を「物価の安定を図ることを通じて国民
経済の健全な発展に資すること」としています。

物価の安定こそが強固な経済活動を支えるから
です。

この物価が永続的に安定していくための目標
として消費者物価指数(広義的にインフレ率)
の前年比上昇率2%と日銀が定めています。

そのため、消費者物価指数が2%高まれば、
モノやサービスの価格全体も2%高くなった
ということで、我々のお財布から出て行く
お金も2%増えているということです。

また、このような好景気の場合は、お金を
借りたい企業が多いため、日銀の金利レート
もアップします。
金利については過去記事をご参考ください。

こうすれば、人の消費活動の効果が高まり、
企業活動も活発化し、日本の経済活動全体
が高まります。

そして、対外的に見た時の日本の国力や価値
も高まるということです。

そのため、消費者物価指数の分析は日本の
物価安定という点でとても重要な指数な
わけです。


では、日銀が目標としている2%を今回
超過したので、喜ばしいことかというと、
今の物価上昇(インフレ)は悪い例に
なりつつあります。

本来、モノやサービスの価値が高まるので
あれば、消費をする我々の給料なども相対的
に増加しなければ、収入は変わらないのに、
出て行くお金だけが増えるということになり、
困りますよね。

そのため、綺麗なインフレは我々の消費の
源泉である給料も増えつつ、物価も上がる
というのが理想像なのです。

しかし、今のインフレはそれが伴っていない
と言われています。

今般のコロナウイルスによる雇用減や売上の
減少、ウクライナ問題による原油価格の高騰
など、様々な背景がありますが、企業も好景気
で給料アップに余裕のある会社が少ないという
状況です。

しかし、そのような中、存続をしなければ
ならない企業は価格高騰で利益を高めるしか
ありません。

そのため、状況インフレ記事でも紹介した、
景気後退とインフレーションが同時である
スタグフレーション状態に近いのではと
言われています。


このように、消費者物価指数という1つの
指数からでも大きな経済を読み解く材料と
なるのです。

また、消費者物価指数が個人版であるとすれば、
企業間のモノのサービスの売買価格の変動である
「企業物価指数」も材料の1つです。

また、日本の消費者物価指数だけでなく、
同様にアメリカなど他国も消費者物価指数を
発表しています。

今人気の米国株投資などを何となくされている
のであれば、米国消費者物価指数などもきっちり
確認をしておきましょう。

こういった1つ1つの指数を読み解き、判断を
行ってください。

それでは。

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