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読書記録。

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#読書感想文

季節を味わう。「味と映画の歳時記」(読書記録_12)

季節を味わう。「味と映画の歳時記」(読書記録_12)

池波正太郎「味と映画の歳時記」を読んでいます。

章立てが1〜12月に分かれていて、味と映画にまつわるエッセイが収められています。

非常に読みやすく、また、著者の季節ごとの味の思い出と、映画の思い出の結びつきが心に沁みます。

お正月におばあちゃんが作ってくれる橙の汁のお湯割りジュースや、戦後の焼け野原に現れたトタン屋根の小屋のかき氷屋で氷水を食べ、東京復興の息吹を感じる…。

六月の「鮎とさく

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旅の供に本の贅沢。(読書記録_11)

旅の供に本の贅沢。(読書記録_11)

上海に移動してきました。

機中で読めるかなと思ったのですが、早朝移動で何しろ眠く、寝落ち時間があったため、機中で半分、こちらに着いて半分、というように読み終えました。

著者の浅田次郎氏が書いているとおり、エッセイなのでどこからでも読んでいいのですが、几帳面に1ページ目から読み通しました。

このエッセイはJALの機内誌に連載されていたもので、JALに乗る時は楽しみにしていたものです。

著者に

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山本一力「辰巳八景」、ほぼ読み終わり。(読書記録_09)

山本一力「辰巳八景」、ほぼ読み終わり。(読書記録_09)

こちら、ほぼ読み終わり。

山本一力さんの小説は読んだことがなかったのですが、図書館で立ち読みした雑誌のインタビューを見て興味を持ち手にとりました。

江戸時代の人情話、恋話が八つの短編に収められています。

縄田一男さんの解説にある通り、長唄の「巽(辰巳)八景」をなぞらえた八つの短編であり、各篇に永代、八幡、佃島などの”八景”が登場します。

また、各篇、以下の通り主人公たちの職業が丹念に描かれ

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習近平の中国 百年の夢と現実(読書記録_08)

習近平の中国 百年の夢と現実(読書記録_08)

こちら読了。

中国・台湾・香港関連の新書は見かけると手に取ってしまいます。そして購入することも多い。

しかし、積読してしまうことが多く、この本もそのうちの一冊でした。

中国滞在中にあたり今回改めて手に取ってみたところ、スイスイ読めました。

◆◆

少し前の本で、習近平体制2期目発足の年に書かれたもので、3期目の可能性(及び一強体制の懸念)にも触れており、実際異例の3期目に突入しましたね。

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香港 中国と向き合う自由都市(読書記録_07)

香港 中国と向き合う自由都市(読書記録_07)

こちらの本を読み終わりました。

香港中心部を市民が79日間にわたり占拠した「雨傘運動」が起きたのが2014年の秋。

その翌年に出版された本なので、まだ「雨傘運動」の記憶が新しい頃。

本書は、ノンポリ国際都市・香港が「中国化」に対して見せる猛反発の意味の解読、ひいては「香港とは何なのか」を分析したものです。

私は約二年香港に住んでいたのですが、「雨傘運動」の少し前でした。

街からは政治的な

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中国人のお金の使い道(読書記録_06)

中国人のお金の使い道(読書記録_06)

こちら読了。

さくさく読み終えました。

”豊かになった中国人”のお金の使い方の変容、つまるところ、価値観の変容を大づかみに知ることができます。

これも「積読」してしまっていたところ、なぜか中国滞在中だとさくさく読めます。当事者意識が違うのかな、、

収録されている個別のインタビュー事例が、どちらかというと富裕層寄りの人が多くて、印象としてはゆとりのある生活を送っている人が多いな・・と感じまし

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人新世の「資本論」、読み終わり。(読書記録_05)

人新世の「資本論」、読み終わり。(読書記録_05)

先日の記事では、第3章まで読んだところでした。
本日、最後まで読み終わりました。

感想としては、前回前半まで読んだあとのものとあまり変わらないのですが・・。

このような感想を持ちました。

個人的に刺さった部分を一箇所だけ引用すると、、

この部分。

経済成長という旗印のもと生きてきた我々。日本は先進国と(まだ)言える生活水準を保っていますが、たしかに、果たして「幸福の実感」を得ているかとい

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大事なのは「思い」。(読書記録_01)

大事なのは「思い」。(読書記録_01)

こちらのビジネス本を読了。
タイトルが「ビジネス数字力」なので難しそう、いろんな数式が出てきそうですが、実はビジネスで使う数字はほぼ「四則演算で事足りる」、実は大事なのは「思い」という結論だったりします。

仕事で数字を扱うことは多いのですが、難しい数式を操ったりはしない。

ほとんど四則演算で済んでしまう。

たしかに、自分自身、けっこう厄介な数字を出さなければいけない仕事もしてきたけど、やって

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楽しみをもとう。(積読系記事を書き始めます)

楽しみをもとう。(積読系記事を書き始めます)

どうもふさぎこみがちでいけません。

息抜きをという思いでnoteを復活したのに、わざわざ気が重くなる記事を書いている気がします。。

なにかフラットな記事も書きたい、ということで、前のアカウントでよく書いていた積読系の記事を書いていきます。

中国関連の新書を買い込みました。

今年後半はほとんど中国にいることになりそうなので、関心が向いています。

「中国人のお金の使い道」は、裕福になった中国

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