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【書評】ブッダ『ダンマパダ』は読む精神安定剤

ロッシーです。

『ダンマパダ』を読みました。

パンダの本ではありませんし、「パンダマダ」でもありません。『ダンマパダ』です。ブッダの言葉をまとめた本です。

あの「ブッダ」のお言葉ですので、ありがたく拝読いたしました。

2500年前の言葉が、時空を超えて私に届いているんだなぁ、と思うと感慨深いものがあります。

文庫は解説も入れて140ページほどなので手軽に読めますし、内容も平易な言葉で書かれていて非常に読みやすいです。

値段も光文社古典新訳文庫版は800円ちょいです。

そして、人間の心の本質や生き方についての普遍的な知恵を学ぶことができます。

まさに「早い・安い・うまい!」と三拍子揃った本です。これはもうマストで読むべき本だと思います。

仏教の本であれば、この世に沢山あると思います。でも、やはり情報というものは一次情報のほうが価値が高いわけですから、ブッダの死後にゴチャゴチャと付け加えられたり改変された教義などを学ぶよりは、ブッダの言葉そのものに触れることが一番でしょう。

その意味では『ダンマパダ』は最適だと思います。


『ダンマパダ』を読む一番のメリットは何か?

それは、心が落ち着くことです。まさに「読む精神安定剤」といっても過言ではないと思います。そういう意味では、老荘思想を読むのと似た効果があります。

現代生活では、心の落ち着きを保つことは非常に難しいものです。日常生活をバタバタと過ごしていると、どうしても毎日の仕事などにフォーカスしてしまい、視野が狭くなってしまいます。

そうなると、「仕事がうまくいかない」「あいつが許せない」「なんで俺の評価が低いんだ」などとなり、この現世に没入してしまい苦しみを感じるわけです。

しかし、そのような没入状態は、仏教的には「貪・瞋・痴」(とん・じん・ち)であり、「妄想」とされています。

「いやいや、現に私はこんなに苦しんでいるんですけど!!」

と思うかもしれません。

しかし、ブッダ的には

「そもそも、私という考え自体がないのだ(非我)」

となります。

「私、私っていうけど、そもそもそんなものないから~。まぼろし~(古っ)。」

というわけです(笑)。

なかなか認めにくい考えですが、悟った人にとってはそうなのです。

とはいいつつも、一般ピープルが現実にそこまで悟れるのかという問題はあります。

「私なんてない」

といくら頭で考えたところで、実際に体験しなければ腹落ちすることはないでしょう。

私自身「我、我、我・・・」という迷妄だらけの毎日を送っていますしね(笑)。

だから、別に悟りを求めて本書を読む必要なんてないと思います。でも、悟りを開いた人の言葉に触れる意義はあるのではないでしょうか。

例えばあなたが怒っているとします。そんなとき、『ダンマパダ』の怒りに関する章を開けばよいのです。そうすればこんな言葉が見つかります。

怒りと驕りとを取り除き、いかなる束縛をも超越せよ。個人存在に執着せず、所有欲をなくせば、苦しみがなくなる。

『ダンマパダ』光文社古典新訳文庫

困ったときの『ダンマパダ』。

ぜひブッダの言葉に触れてみてください。


※ちなみに、『ダンマパダ』と双璧をなす『スッタニパータ』も読んだのですが、『ダンマパダ』のほうがシンプルで個人的には好きですね。これは好みの問題だと思いますが、どちらも名著です。


最後までお読みいただきありがとうございます。

Thank you for reading!

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