マガジンのカバー画像

懐メロせんにんの記録

32
運営しているクリエイター

#懐メロ

ゲンキ爆発!でも邦画は袋小路か~「河内のオッサンの唄」

ゲンキ爆発!でも邦画は袋小路か~「河内のオッサンの唄」

「河内のオッサンの唄」を知っているだろうか。
ミス花子という男性シンガーの曲である。1976年発表ということで、時代を映す知る人ぞ知る曲で、一度聴いたら忘れられない。

この映像はおじさんだが、発表当時は20代前半だったようだ。
ミス花子という名前にしたは、女性アイドルに間違われてレコードを買ってくれるかもしれない、という動機だったようなことを聞いたことがあるが、曲名が「河内のオッサンの唄」じゃあ

もっとみる
映画も歌も少しおセンチ?~「太陽がいっぱい」

映画も歌も少しおセンチ?~「太陽がいっぱい」

一昔前の映画スター、というと必ず名前があがっていたのがアラン・ドロン。自分が物心ついたころには、半ばネタみたいな扱いになりつつあったが、この作品を見ればむべなるかな。
1960年公開の「太陽がいっぱい」である。

ヨーロッパの人たちの太陽に対する憧れというのは、ちょっと我々には計りがたいものがあるようだ。そりゃ日向ぼっこは気持ちいいけど、バカンスをとってまで日焼けにいきますかと。。肌の色素の関係で

もっとみる
オリビアを継ぐ者?

オリビアを継ぐ者?

前回オリビア・ニュートンジョンについての記事を書いた。
当然のことながら彼女の影響は多大なもので、日本の歌手もその例外ではない。

”オリビア”、といえばこの曲。「オリビアを聴きながら」
デビューを控える杏里が彼女の曲を好きということで、この曲が作られたという。
その後の杏里の活躍ぶりを見ても、オリビアの日本での継承者にふさわしいのではないだろうか。

また、この曲は多くの人に歌い継がれているとい

もっとみる
恋愛への憧れと恐れと~Every Little Thing ”Dear My Friend”

恋愛への憧れと恐れと~Every Little Thing ”Dear My Friend”

夏の曲というとそれこそ数えきれないくらいの名曲がある。
この曲も個人的には夏を想起させるのだが、いかがだろう。

1997年発表、Every Little ThingのDear My Friendである。
もう25年も前の曲になる。この当時の音楽シーンが凝縮されたような作品と思う。
疾走感のある展開、伸びやかなボーカル、その反面ジュブナイル要素の詰まった歌詞があわさって、今もなおその輝きは失ってい

もっとみる
自己愛を恋愛に置き換えた時代~「ユーミンの罪」

自己愛を恋愛に置き換えた時代~「ユーミンの罪」

ユーミンのアルバムをよく聴く。
彼女の作品はシングルではなくアルバムで聴く方が、とても堪能できる気がするのだ。サブスクリプション全盛の昨今では、アルバムという形式そのものが意味をなさなくなっている気がするが、彼女のアルバムを聴いて”物語性”の意義を再確認するのも、とても有用なことではないだろうか。

そんなユーミンに関する面白いエッセイを読んだので、併せて紹介したい。

著者の酒井順子は「負け犬の

もっとみる
男の哀しみ溢れる”同棲ソング”

男の哀しみ溢れる”同棲ソング”

先日ラジオを聞いていたら流れてきた曲が、布施明の「積木の部屋」。パーソナリティはこの曲を「同棲ソング」と呼んでいた。

布施明「積木の部屋」(1974)

限りないもめごとも嘘も 別れだとなればなつかしい
もしもどちらか もっと強い気持ちでいたら
愛は続いていたのか

うーん、さわやかなのかウェットなのか。
同棲という響きからは薄暗くて幸薄い印象を受けてしまうが、男女の間に起こることは昔も今もあま

もっとみる
勝手にマイブーム~レベッカとその先人たち

勝手にマイブーム~レベッカとその先人たち

80年代に活躍したレベッカ。
当時も今も、”和製マドンナ”という呼び名が良くも悪くも付きまとうNOKKOではあるが、逆にいえばここまで”マドンナ”たりえたフォロワーはいないという証左でもある。

レベッカの代表曲というと真っ先に”フレンズ”が挙がることと思うが、今回はそれ以外で後世に伝えたい名曲を紹介したい。

まずは、”CHEAP HIPPIES”。何かの歌番組にて。

スタジオ収録なのだが、こ

もっとみる
偉大な父の影に隠れることなく~ナンシー・シナトラ

偉大な父の影に隠れることなく~ナンシー・シナトラ

フランク・シナトラというと、20世紀のエンターテイメントに良くも悪くも足跡を残した人物だ。
その娘であるナンシー・シナトラも、父と同じ道を歩んでいく。

その彼女の数ある歌の中で、自分の好きな曲がこちら。
”These Boots Are Made For Walkin'”、なぜか邦題は「にくい貴方」。

この曲のアウトロ、どこかで聞いたことがないだろうか。
よくバラエティ番組などで使われていたり

もっとみる
勝手にマイブーム~大江千里

勝手にマイブーム~大江千里

大江千里というと、いまの若い人にはなじみが薄いのかもしれない。
自分が音楽を聴き始めた頃は最初の怒涛のような活躍期を追えていたこともあり、やや影の薄い印象を抱いていた。

ところが80年代から90年代初頭の彼は、それはそれは人気と実力を兼ね備えた若手シンガーとして飛ぶ鳥を落とす勢いであった。

まずは夜のヒットスタジオでのパフォーマンスを見てみたい。
自分が大江千里ってキャッチーだな、と思った最初

もっとみる
髪を洗う回数が減った~「悲しみがとまらない」

髪を洗う回数が減った~「悲しみがとまらない」

誤解だよって あなたは笑う
だけどキッスは嘘のにおい
抱きしめられて 気づいたの
愛がここにないことを
恋はちいさな 嵐みたいに
友だちも恋人も うばって
 ~ 悲しみがとまらない(歌:杏里 作詞:康珍化)

いつもと変わらない室内。
いつもと変わらない店長の笑顔とハサミ使い。
昨日から今日、そして明日へと続くと思っていた。

でも、気づいたの。

愛がここにないことを。

・・・今回は、愛、のこ

もっとみる