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映画も歌も少しおセンチ?~「太陽がいっぱい」

一昔前の映画スター、というと必ず名前があがっていたのがアラン・ドロン。自分が物心ついたころには、半ばネタみたいな扱いになりつつあったが、この作品を見ればむべなるかな。
1960年公開の「太陽がいっぱい」である。

ヨーロッパの人たちの太陽に対する憧れというのは、ちょっと我々には計りがたいものがあるようだ。そりゃ日向ぼっこは気持ちいいけど、バカンスをとってまで日焼けにいきますかと。。肌の色素の関係で日焼けどころか火傷をしてしまうというのに。
つまり、彼らからすれば「太陽」こそ至福であり、世界の王たる恍惚感を得られるということなのだ。

このタイトルもアラン・ドロン演じる主人公が、成した悪行がすべてうまくいったかに見えた刹那に口にしたもの。その割にはけっこう杜撰な犯行にも見えるけれども。しかし、その言葉を吐いたときから彼の凋落が始まる。いや、始まろうという予感だけ残して作品は終わる。
ここがこの作品を傑作に押し上げているのだろう。

それにしても内容的に言えば、ただ金に目がくらんだ犯行の顛末を追っただけの、いわゆる二時間ドラマ的な内容に過ぎない。なのに、おフランス映画となると芸術的な空気をまとってくるのは、なぜなのだろう。先ほど述べたようにその犯行はかなり杜撰なのだが、その杜撰さが独特の間合いとなって、却って空虚さというか独特の雰囲気を醸成することになっているのかもしれない。

ちなみに、「太陽がいっぱい」というとこんな曲もあったわけで。
自分はどちらかというとこっちを最初に知ったのではなかったかと思う。

光GENJI「太陽がいっぱい」

パラダイス銀河も嫌いじゃないけど、この曲の少しセンチなサビが好きなんだよなぁ。

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