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世界で一番不思議な人、そして会いたい人
森達也著「千代田区1番1号のラビリンス」を読みました。「戦後日本の表現における臨界に挑む問題小説が…」などと帯に書かれていたのでドキドキしながらページを開きました。ところが全部読み終わってみると、特に「問題」はなかったように思いました。もしかすると私があまりに無知なので問題を問題と認識できなかったのかも知れません。それでもとにかく歴史あり、社会問題あり、恋愛あり、そして冒険ありで楽しく読める一冊
もっとみる時に美しく、時に不都合な「自然」というやつ
例によって80歳の母の書棚から拝借してきたこの本は、いわゆるコロナ本ではありませんでした。私が(コロナ以前から)ずっと持ち続けていた「ある疑問」を整理してくれ、「解決せずにこれからも持ち続けてもいい」と言ってくれるような本でした。
ある疑問
動物や植物は自然のルール(掟といってもよい)の中で本能にのみ従って生きていて一定の秩序が保たれています。一方人間は自然から切り離した自分達のテリトリー
マハじゃない、美術ミステリー
実は原田マハ以外の美術ものも一作読んでいました。それがたいそう面白かったのです。ケリー・ジョーンズ著『七番目のユニコーン』(訳:松井みどり)です。原題もそのまま <The Seventh Unicorn> です。
6枚の「一角獣と貴婦人」 おそらく(特に中世の)美術に詳しい人なら、「七番目のユニコーン」という題名を見ただけで「はは~ん」と小説のテーマが読めてしまうんじゃないかと心配しました。そ
美術のド素人が原田マハを読んだら #1
学校時代「読書感想文」というものに苦しめられた人は多いのではないでしょうか?私もその一人です。note を始めて半年以上が経ち、これまでいくつか駄文を投稿してきましたが、最近原田マハさんの本を何冊が読む機会があり、子供時代のリヴェンジをできないか…と考えたのでした
タイトルについて 今回は「いかにも」なタイトルをつけました。ネット上のコンテンツ(YouTubeや note 等)ではこのようなタ