れんこん

自分で考えたお話を投稿しています。気ままにひっそりとやっていますが、スキ・感想・フォロ…

れんこん

自分で考えたお話を投稿しています。気ままにひっそりとやっていますが、スキ・感想・フォロー大歓迎です。よろしくお願いします。

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  • #毎週ショートショートnote 参加作品

  • おじさまシリーズ

    「私」のおじさま観察日記みたいなシリーズです。 ※フィクションです!

記事一覧

固定された記事

れんこんの第一歩

こんにちは、れんこんです。この名前の意味は特にありません。ただ「蓮根」が好きなんです(笑) 私は、これを書くにあたってとても悩みました。自分について書くのか、これ…

れんこん
3年前
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思い出を連れて【シロクマ文芸部】

舞うイチゴ。どこまでも続く青空に、鳥の形に切り取られた苺。手に小さく収められた苺の鳥は、彼女との思い出を連れて、今にも飛んでいきそうだった。 彼女は苺が大好きだ…

れんこん
1年前
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心お弁当【毎週ショートショートnote】

田中家は3男4女の大家族である。父は家族のために働き、母も毎朝子供たちのお弁当を作っている。 子供の多い田中家では、お弁当の入れ間違いが多発していた。そこで、母は…

れんこん
1年前
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伝説の安心感【毎週ショートショートnote】

大勢の人が建物の中にぎゅうぎゅうに詰められ、今か今かと待ち望むような呼吸がステージに向けられていた。 暗闇の中に彼らが現れた。私たちは一斉に声を上げる。私たちの…

れんこん
1年前
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グリム童話ATM【毎週ショートショートnote】

スランプ作家の間で噂になっていることがある。それは、グリム兄弟が書いたグリム童話の未発表作品が、どこかにあるというものだ。その未発表作品は、どこかのシステムに入…

れんこん
1年前
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メガネ初恋【毎週ショートショートnote】

太陽が女子高生のメガネをギラギラと睨み付け、それに答えるかのようにガラスを通した瞳が、光を輝かせていた。 裸眼。コンタクトレンズ。メガネ。 行き交う人々の装いは様…

れんこん
1年前
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ポポパポペピアノ【毎週ショートショートnote】

独特な雨の匂いが鼻にまとわりつく、ある梅雨の日。彼はいつもの手つきでピアノを弾いていた。その繊細な音色は、屋根に打ち付ける雨の音と交わり、家を響かせる。 私は、…

れんこん
1年前
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オノマトペピアノ【毎週ショートショートnote】

すっかり桜が散った暖かい春の日。 私は音楽室でピアノを弾く彼と出会った。しなやかな指から溢れ出る繊細な音色は、私に桜の幻を見させた。 いつも彼は何も語らず、ただ…

れんこん
1年前
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理科室まがった【毎週ショートショートnote】

僕にはみんなに自慢できる幼馴染がいる。 見た目は世間がよく言う可愛い顔立ち。誰にでも優しく面白い性格。おまけに頭も良い。 生まれた時から僕たちは一緒にいた。 臭い…

れんこん
1年前
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だんだん高くなるドライブ【毎週ショートショートnote】

私には4歳の娘がいる。休日は、車で旅行に行き、家族の時間を楽しんでいる。 そんな私の愛娘が、最近絵本にハマっているらしい。 2/5(日) 「きらきらのおほしさま!」 星…

れんこん
1年前
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コンビニとおじさまと私

(「コンビニと私と」の続き) 入ってきたのは見覚えのある出立ち。おじさまだった。こちらにある陳列棚にまっすぐ向かってくる。 まずい! 私は急いで店員さんから賞品を…

れんこん
1年前
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コンビニと私と

最近は厳しい寒さが、鞭のように顔に打ちつけてくる。今の私の現状にも鞭を打ってるかのようだ。マッチングアプリを入れて、1ヶ月が経とうとしていた。たしかに、いろいろ…

れんこん
1年前
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枝豆とおじさまと

コンビニの冷えた陳列棚が、じっくりと私の表情を凍らせている。ついでに心も冷えそうであった。 つい先日、親友と電話してる時、喧嘩をしてしまった。喧嘩というか、私が…

れんこん
1年前
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こんばんは!れんこんです。
昨日の深夜に「アイスクリームとおじさまと」を公開しましたので、ぜひご覧ください!
また、今日の投稿はお休みさせていただきます🙇‍♀️
https://note.com/renkon_delicious/n/n49d2979a3ec2

れんこん
1年前

アイスクリームとおじまさと

私は、街中で連呼される「○○の秋」と、鼻の詰まり具合で今の季節を感じていた。風情なんてあったものではない。 この歳になると、コンビニに置いてあるご祝儀袋が無意識…

れんこん
1年前
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こんばんは。
いつのまにかシリーズ化していたおじさまシリーズですが、明日投稿します!私自身とても楽しみながら執筆しています♩
いつもご覧いただきありがとうございます😌

れんこん
1年前
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れんこんの第一歩

れんこんの第一歩

こんにちは、れんこんです。この名前の意味は特にありません。ただ「蓮根」が好きなんです(笑)

私は、これを書くにあたってとても悩みました。自分について書くのか、これからしたいことを書くのか、自分のしたいことを書くといっても、人に話すのは恥ずかしいな、そもそもこんな投稿、誰が見てくれるのだろうか、あとから見返したときに黒歴史にならないか、など…。

いろんな考えと不安がひたすらよぎりましたが、勇気を

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思い出を連れて【シロクマ文芸部】

思い出を連れて【シロクマ文芸部】

舞うイチゴ。どこまでも続く青空に、鳥の形に切り取られた苺。手に小さく収められた苺の鳥は、彼女との思い出を連れて、今にも飛んでいきそうだった。

彼女は苺が大好きだった。ある日、彼女は苺を鳥の形にしてほしいと言ってきた。どこにでも行けそうだからと。その時の彼女の瞳は、雲一つない青空に揺れていた。
放っておいたら消えてしまいそうな彼女を、繋ぎ止めたかったのだろうか。次の日から、僕は何度も練習をした。た

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心お弁当【毎週ショートショートnote】

心お弁当【毎週ショートショートnote】

田中家は3男4女の大家族である。父は家族のために働き、母も毎朝子供たちのお弁当を作っている。

子供の多い田中家では、お弁当の入れ間違いが多発していた。そこで、母はある策を考えた。

「心ちゃん!一緒にお弁当食べよう〜!」

「うん!」

田中家の長女・心のお弁当は2段弁当である。
上の段を開けると、卵焼きやウインナーなどの色とりどりのおかず。
心は下の段も開けた。

「わあ!心ちゃんのお弁当すご

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伝説の安心感【毎週ショートショートnote】

伝説の安心感【毎週ショートショートnote】

大勢の人が建物の中にぎゅうぎゅうに詰められ、今か今かと待ち望むような呼吸がステージに向けられていた。

暗闇の中に彼らが現れた。私たちは一斉に声を上げる。私たちの声が、彼らをより奮い立たせたのだろう。心臓にまで響くギターの音で彼らは答えた。

彼らの演奏は、小さい子供からお年寄りまで、老若男女問わず愛されている。彼らの演奏を聞いた人は、口を揃えてこう言う。

どこか懐かしい気持ちになる。
安心感が

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グリム童話ATM【毎週ショートショートnote】

グリム童話ATM【毎週ショートショートnote】

スランプ作家の間で噂になっていることがある。それは、グリム兄弟が書いたグリム童話の未発表作品が、どこかにあるというものだ。その未発表作品は、どこかのシステムに入れられているらしい。しかし、そこに辿り着くまでが簡単ではないそうで、都市伝説のような話になっている。

スランプに陥った私は、グリム兄弟の未発表作品を探す旅に出た。

海を渡り、大陸を横断し、山も越えた。
道中、陽気な音楽でダンスをしたり、

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メガネ初恋【毎週ショートショートnote】

メガネ初恋【毎週ショートショートnote】

太陽が女子高生のメガネをギラギラと睨み付け、それに答えるかのようにガラスを通した瞳が、光を輝かせていた。
裸眼。コンタクトレンズ。メガネ。
行き交う人々の装いは様々である。

その中で女子高生のメガネは、ある遠くのメガネを見つけた。

『わあ!素敵な形…』

ある男性に装着されたメガネ。ブラックとゴールドのデザイン。知的さとオシャレさがうまく合わさった素敵なデザインだと、女子高生のメガネは思った。

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ポポパポペピアノ【毎週ショートショートnote】

ポポパポペピアノ【毎週ショートショートnote】

独特な雨の匂いが鼻にまとわりつく、ある梅雨の日。彼はいつもの手つきでピアノを弾いていた。その繊細な音色は、屋根に打ち付ける雨の音と交わり、家を響かせる。
私は、彼と出会った日のことを思い出していた。あの日と違うのは、彼が以前より喋るようになったこと。それと。

「こえ!」

娘がおぼつかない足で、おもちゃのピアノを持ってきた。

私が随分前に買った、このおもちゃのピアノ。演奏だけでなく、オノマトペ

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オノマトペピアノ【毎週ショートショートnote】

オノマトペピアノ【毎週ショートショートnote】

すっかり桜が散った暖かい春の日。
私は音楽室でピアノを弾く彼と出会った。しなやかな指から溢れ出る繊細な音色は、私に桜の幻を見させた。

いつも彼は何も語らず、ただ私の話を聞く。自分の気持ちを表現するのが苦手らしい。

そこで私は、彼に子供用のおもちゃのピアノをプレゼントした。そのピアノは演奏できるのはもちろん、特徴的なのがキーボードを押せばオノマトペが奏でられる。

「今日の授業どうだった?」

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理科室まがった【毎週ショートショートnote】

理科室まがった【毎週ショートショートnote】

僕にはみんなに自慢できる幼馴染がいる。
見た目は世間がよく言う可愛い顔立ち。誰にでも優しく面白い性格。おまけに頭も良い。
生まれた時から僕たちは一緒にいた。
臭い言葉を言うならば、彼女が向日葵で、僕は向日葵を見守る太陽。それほど僕たちの関係は、当たり前のように存在していたが微笑ましかった。

僕たちは中学生になった。
彼女の周りにはたくさんの人が群がった。一方、僕は少ないながらも、心を許せる友人が

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だんだん高くなるドライブ【毎週ショートショートnote】

だんだん高くなるドライブ【毎週ショートショートnote】

私には4歳の娘がいる。休日は、車で旅行に行き、家族の時間を楽しんでいる。

そんな私の愛娘が、最近絵本にハマっているらしい。

2/5(日)
「きらきらのおほしさま!」
星が有名な田舎町。

2/12(日)
「どうぶつさんとおはなししたい!」
餌やり体験ができる動物園。

2/19(日)
「おさかなさんとあそぶの!」
魚に触れる水族館。

2/26(日)
「おしろでおひめさまごっこ!」
一般公開さ

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コンビニとおじさまと私

コンビニとおじさまと私

(「コンビニと私と」の続き)

入ってきたのは見覚えのある出立ち。おじさまだった。こちらにある陳列棚にまっすぐ向かってくる。

まずい!

私は急いで店員さんから賞品を受け取り、1等のぬいぐるみを脇に抱えて店から出ていく。必死に下を向いていたので、どのタイミングでおじさまとすれ違ったのかは分からない。

地面のアスファルトの色が移り替わっていく。気がついた時には、コンビニが遠くの方で光っていた。

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コンビニと私と

コンビニと私と

最近は厳しい寒さが、鞭のように顔に打ちつけてくる。今の私の現状にも鞭を打ってるかのようだ。マッチングアプリを入れて、1ヶ月が経とうとしていた。たしかに、いろいろな男性と出会えたのは良かった。しかし、誰かに会うたびに、自分にペンキを塗りたくったようで、少し疲れてしまったのだ。

私は少しのもの悲しさを抱えて、コンビニに入った。
周りを見ておじさまがいないのを確認する。今日のお目当ては、今日から始まる

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枝豆とおじさまと

枝豆とおじさまと

コンビニの冷えた陳列棚が、じっくりと私の表情を凍らせている。ついでに心も冷えそうであった。
つい先日、親友と電話してる時、喧嘩をしてしまった。喧嘩というか、私が一方的に不機嫌になってしまったのだが。その親友は小学生の頃からの仲であり、驚くほどに気が合った。なので尚更気分が沈んでいる。

今週もおじさまは、ビールのお供に合うおつまみを探しているようだった。その長い足で何度も行ったり来たりを繰り返して

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こんばんは!れんこんです。
昨日の深夜に「アイスクリームとおじさまと」を公開しましたので、ぜひご覧ください!
また、今日の投稿はお休みさせていただきます🙇‍♀️
https://note.com/renkon_delicious/n/n49d2979a3ec2

アイスクリームとおじまさと

アイスクリームとおじまさと

私は、街中で連呼される「○○の秋」と、鼻の詰まり具合で今の季節を感じていた。風情なんてあったものではない。

この歳になると、コンビニに置いてあるご祝儀袋が無意識に目につく。今の世の中の結婚観に不満を抱いてるわけではない。ただ、友達と話してる時、恋バナのネタを提供できない自分に、虚しさと無力さを感じるのである。
マッチングアプリも勧められたのだが、言葉では言い表せない抵抗感があった。
そうして私は

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こんばんは。
いつのまにかシリーズ化していたおじさまシリーズですが、明日投稿します!私自身とても楽しみながら執筆しています♩
いつもご覧いただきありがとうございます😌