記事一覧
翻訳:第1部「貨幣原理の導出と英国硬貨への適用」(サー・ジェームズ・ステュアート『経済学原理』第3編「貨幣と硬貨」)
序章この研究のように、ほとんどすべての段階で新たな関係へと枝分かれし、それがさまざまな結果の連鎖へとつながっていくような研究においては、あらゆる手を使って全体を結びつけるようにすることが有用である。
そのため、新しいテーマの始めに導入の章が必要になると思われる。
読者は、前編の最後の章(つまり、富と流通との均衡の揺らぎを扱った章)が、貨幣というテーマに導入するために書かれたものであることに気付
政府債務残高対GDP比の変動要因
はじめに「日本の政府債務残高対GDP比が増加したのは名目GDPが増えなかったからではなく、政府債務が増えたから」という主張を見かけました。根拠はこのグラフのようです。
確かに、他の国に比べて日本は「政府債務変動要因」が突出して高くなっています。一方、「名目GDP成長要因」は小さくなっているため、「日本の政府債務残高対GDP比が増加したのは名目GDPが増えなかったからではなく、政府債務が増えたから
れいわ新選組の政策は実現可能か?
注意:この記事は当然ながら、れいわ新選組の公式見解ではありません。記事の内容については全て「研究猫とも」個人の見解です。
いよいよ2022年参議院選挙の投票日(2022年7月10日)が迫ってきました。各党、さまざまな公約を掲げていますが、とりわけユニークな政策の政党といえば、山本太郎(東京選挙区)率いるれいわ新選組が挙げられるでしょう。
れいわ新選組は、「参議院選挙 2022 緊急政策」におい
翻訳:ステュアートの租税貨幣論(サー・ジェームズ・ステュアート『経済学原理』第4編第4部第9章「財政破綻」より)
もし税をなくしたとしたら、税に由来する大きな金額が完全に消えてしまう。想像とは違って、今税を支払っている人たちにお金が均等に分配されることはなく、税を払わなくなった金額に比例して所得が増えることもない。その理由は簡単で、納税に用いられるお金は人々に必要とされるから、流通するのである。税をなくしたとしたら、人々は以前よりお金を手に入れる機会が少なくなり、流通量も少なくなってしまう。税の支払いが必要だ
もっとみる国の借金が大変!? 実は景気が悪いだけだった
日本は到底返せないほどの借金を抱えていて、このままでは大変なことになってしまう! という認識の人は多いと思います。
でも、もし「国の借金が大変」というのは、「実は景気が悪いだけ」だとしたら?
1. 財務省の説明財務省は『これからの日本のために財政を考える』という資料で、国の借金(政府債務残高)について次のように説明しています。
そして、GDPに対する借金の大きさ(政府債務残高対GDP比)を他
又貸し銀行と万年筆銀行
太郎さんは資金が必要になったので、銀行で融資を受けることにしました。近所に「又貸し銀行」と「万年筆銀行」という2つの銀行があったので、まずは又貸し銀行に入ってみることにしました。
又貸し銀行にて太「すみません、ちょっと資金が100万円ほど必要なのですが、融資してもらえないでしょうか? 50万円は現金で、50万円は預金で受けとりたいのですが。」
又「大変申し訳ございません。ただいま当行には50万