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小説紹介クリエイターに会ってきた!

――本を紹介することがどんな未来をつくってくれるか定かではないけれど、僕の経験と、けんごさんとくうさんの事例を踏まえると、少なからず価値が生まれる面白い未来が待っていそうです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

今回は「小説紹介クリエイターの可能性」というテーマで話していこうと思います。



📚小説紹介クリエイターのイベント

昨日の夜のことです。小説紹介クリエイターのけんごさんと、小説紹介インスタグラマーのくうさんによる合同イベントに参加してきました。

けんごさんはTikTokやYouTubeのショート動画で本の紹介をされている方で、TikTokのフォロワーは40万人を超えています。有名な事例でいえば、筒井康隆さんの『残像に口紅を』を動画で紹介したところ、飛ぶように売れ、瞬く間に重版がかかりました。最近では、本の帯を書くほど影響力を持つインフルエンサーで、『ワカレ花』という本で小説家としてもデビューしました。

くうさんはInstagramを中心に本の紹介をされている方で、そのフォロワー数は15万人を超えています。「『あなた』と『本』に極上のひと時を」というコンセプトのもと、EABANIという本グッズブランドを創っています。栞やブックカバーなど、質にこだわった商品を販売しているそうです。


けんごさん
くうさん


そんな小説紹介屋さんのふたりが合同で開催したのが「けんご×くう 今年の読書を振り返ろう!2023年推し小説会議in本屋B&B」というイベントでした。

下北沢にあるBONUS TRACKというおしゃれな商店街があるんですが、そこにある「本屋B&B」という本屋さんで開催されました。イベント開始が19:00だったので少し早く行って店内を巡っていたんですが、下北沢といえばサブカルの街ですから、本の並びも大衆向けというよりマニア向け。決して狭くない本屋さんなのでイメージとは少し異なりますが、独立系書店といっていいでしょう。

そんな本屋さんのなかで、小説を紹介するイベントが開かれたのです。


📚本について語り合う2時間

イベントは2部構成でした。

1部では、けんごさんとくうさんによる今年のベスト本の紹介がありました。それぞれが10冊ずつ紹介していったんです。

2023年に出版された新刊が多く紹介されました。読んだことある本よりも読みたいと思っていた本、本屋さんで見かけてタイトルだけは知っていた本、存在すら知らなかった本……紹介されて、思わず読みたい!とにやにやしてしまう本ばかり。やっぱり本を紹介されるって本を読む入り口になるよなってことを再認識しました。

僕がいちばん読みたいと思った本は、小田雅久仁おだまさくにわざわいですね。けんごさんが紹介されていた短編集で、「男性がトイレに入ったら女性が本を破って食べていた」という強烈なシーンから始まる物語だそうです。けんごさんの語り口が絶妙で、思わずにやけてしまいましたね。


休憩を挟み、2部では、事前に募ったけんごさんとくうさんへの質問や、現地参加の方からに限らず、オンライン参加の方からの質問におふたりが答えていくものでした。

なかでも僕が驚いたのが、けんごさんが小説を読むようになったのは、大学1年生の頃のことで、野球一筋だった頃に何か新しい趣味を見つけたいと思い、小説に手を伸ばしたことがきっかけだったことです。ちなみにそのとき手を伸ばしたのが、東野圭吾さんの『白夜行』で、今でも変わらないベスト本らしいです。分厚い長編小説ですから、初手『白夜行』を攻めるのがさすがだなと思いました(笑)初めから「面白い本」センサーが備わっていたのでしょうね。


イベント終盤には、プレゼント企画がありました。おふたりが本屋B&Bに並んでいる本のなかから何冊か購入して中身が分からないようにラッピングしたものだったり、くうさんのブランドEABANIのグッズだったり、たくさん用意されていただいたんです。「何も当たらない人の方が珍しい」と言われたくらいですから、「何が当たるかな」「新しい本の出逢いができるかな」と期待していました。

結果、当選しませんでした(笑)

オンライン含めて30人くらいいて、当たらなかったの3人くらいだったよ……そのうちのひとつに入るのかよ……せっかく明日のnoteのネタにしようと思っていたのに……などと心のなかでぶつぶつ呟いていました(笑)

ただ、当選しなかった方には、「EABANI」の栞が贈られたので、もはや落選が存在しないプレゼント企画でした(笑)ありがたいことです。大切に使います。


📚小説紹介クリエイターの可能性

さて、ステキな時間を受け、話をまとめていこうと思います。いろいろ話したいことはあるんですが、今回はとりあえず「小説紹介クリエイターの可能性」について。

僕は今、全国大学ビブリオバトルに挑戦しています。再来週に開催される全国大会に向けて最近はずっと準備を進めています。高校時代から公式戦に参加しているので、今年で7年目。ずっと追いかけてきた全国制覇の夢を叶えにいきます。

ただ、僕のことを知っている人からも「どうしてそこまでビブリオバトルに情熱を注いでいるのか分からない」と思われている気がしているんです。それはごく自然な感情だと思います。何せ僕だってちゃんと理解しているわけではないから。

僕が興味を持って継続的に取り組めて、人よりも得意だと自負できて、あんまり周りの人がやっていなくて、将来的に自分の活動につながりそうなもの……その条件に当てはまったのがビブリオバトルだったので続けてきているし、ラストイヤーの今年は特に時間を割くことができるんですよね。

さらに、いろいろ活動しているうちに、あるいは情報を仕入れていくうちに、本を紹介することは価値を生むことが分かってきました。

僕はAmazonで出版した初書籍『Message』を手売りで250冊近く売ってきました。自分の本を紹介して、1000円の価値を生み続けてきたんです。また、僕が本を紹介する動画を観て、「読みたくなって買いました!」という声をくれた人もいたし、古本市で僕が本を紹介して500円の古本が売れたりしました。



本を紹介することで、読書への入り口を広くすることができている。それは僕が実践して分かってきたことですし、けんごさんやくうさんの本の紹介が、その本の売り上げに貢献していることからも分かることです。小説紹介は、価値を生み出しているんです。

また、くうさんがブランドを立ち上げたように、影響力をもった小説紹介クリエイターは自分の商品をつくり売ることで価値を生み出すことができます。くうさんのファンは本好きの方ばかりでしょうから、栞やブックカバーなど本グッズブランドに価値を見出す人は少なくないはずです。自分の影響力を商品に落とすことで、商品の付加価値を高めることができる。ここでも、小説の紹介が価値を生み出しているんですよね。

本を紹介することがどんな未来をつくってくれるか定かではないけれど、僕の経験と、けんごさんとくうさんの事例を踏まえると、少なからず価値が生まれる面白い未来が待っていそうです。

とにもかくにも、ビブリオバトル全国大会優勝が必須課題。できることを全部やって、本番に臨みたいと思います。

昨日けんごさんやくうさんとお話できて、僕がビブリオバトルをやっていることを認知してもらえたから、夢を叶えていつかまた再会できたらいいな。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20231204 横山黎



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