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本の場づくりをして分かったこと。

――もちろん作家として活動していることもあり、陰でせっせと物語をつくる時間はあるけれど、プレイヤーとしても在り続けたいという意識はこの先も消えることがないんじゃないかな


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「本の場づくりをして分かった、僕のプレイヤー気質」というテーマで話していこうと思います。


🏨「FAVORITE!!」を振り返る

先月末に「FAVORITE!!―お気に入りに本を紹介する会―」という本のイベントを開きました。自分のお気に入りの本を5分間で紹介して、その後に参加者でディスカッションをしていく読書会です。

去年の秋から始めて、先日の開催が6回目でした。個人的には今まで以上に腰を入れて集大成のようなイベントにするつもりだったんですが、あの日を振り返ってみて、やってよかったなと心から思うことができました。

イベントから数日たって、参加者宛てにアンケートを作成しました。また、先日、事前にアドバイスをいただいていた隼さんからのフィードバックをいただくことができたので、イベント開催から半月が経った今、もう一度あの本の宴を振り返ってみようと思います。

第6回「FAVORITE‼︎」

あの日の「FAVORITE!!」の参加者は全部で10人。そのうちスピーカーが5人、リスナーだけの参加が5人でした。正直、まだひとり事後アンケートに答えてもらっていないんですが、それによると、参加者全員がイベント全体を通して「大満足」と回答していただいています。

イベントに関してよかったなと思った点については以下のような回答がありました(直接イベントに関係のない回答は省略しています)。

いろんな方のおすすめの本を知れた クラフトビールが美味しかった

様々な年齢の方々が参加されていたので、会話に幅と深みが生まれたと思う。本といっても多様なジャンルがあることを知るいい機会になりました。

みんな始めましてでも本を通じて仲良く交流できた

聞く側と話す側の席の配置や距離感が良く、緊張感のない雰囲気で進んでいたように感じた。

集まっていたメンバーがみんな魅力的で、場の雰囲気もおしゃれなのにアットホームで、居心地が良かったです。

読書会の後の交流の時間がとってあったのは良かったと思います。 会場も良かったです。

初めましての方とも気兼ねなく交流できる雰囲気でリラックスして参加することが出来ました。久々に本や本が好きな人たちとの交流ができて癒されました。ありがとうございます!

・横山君の回しが上手かったので、紹介本に対するいろんな意見を聞けたと思います!
・スピーカーとリスナーの距離感(物理的な)が丁度良かったです。一対多の構図と、質問しやすい空気感を上手く両立していたと感じました!
・カレー美味かったです
・ビール美味かったです
・ヒマワリの種美味かったです

また、イベントに関して改善した方がいいと思った点については以下のような回答がありました(直接イベントに関係のない解答、「特になし」の回答を省略しています)。

名前を聞いても忘れてしまうため名札が欲しい

当日食事も注文できることを事前に知れたらよいかなとだけ思いました。

最初に全員の自己紹介の時間があるとありがたいと感じた。

それぞれの本について深掘る時間がもう少し長くてもよかったかと思いました!

こうして回答を並べてみると、一見充実した本のイベントになったんだなと思われるかもしれませんが、正直めちゃくちゃ手応えがあるわけではありませんでした。僕の力の及ばない部分も確かにあったんです。「横山君の回しが上手かったので」という声をいただいていますが、僕は上手くいかなかったなと思う場面の方が多かったんです。


🏨本の場づくりをしてみて分かったこと

実は今回の「FAVORITE!!」からイベントの運びを変えました。スピーカーふたりに登壇してもらって本の紹介をしてもらう。そして、紹介された2冊の本について、僕が場を回す役を担ってスピーカーとリスナーを交えたディスカッションを行う。そんな流れで進めていったんです。

ちゃんと場を回す役を担ったのは今回が初めてで、僕自身、あれこれ考えながらイベントに向き合っていました。どうすればスピーカー同士がお互いを掘り下げられるだろう、どうすればリスナーから発言を得られるだろう、僕はどれくらい口を挿むべきなんだろう……そんなことばかりが頭の中をぐるぐる回っていたんです。

今振り返ってみても、「あのふたりのとき全然場を回せなかったな」とか「もっと丁寧に質問を投げられたらな」とか反省だらけ。それは、先日、イベントづくりのアドバイスをいただいていた隼さんからのフィードバックの時間でさらに数が膨れ上がりました。

隼さんにも登壇してもらいました。

隼さんは住み開きシェアハウス「はちとご」やシェアベース「migiwa」の管理運営をしているサッカーコーチです。場づくりを追求し続けている、僕の憧れの人です。

大学3年の終わり頃に初めて出逢ってからいろいろとお世話になっているんですが、今回も「FAVORITE!!」のイベントづくりにアドバイスをいただいたんです。ふたり登壇して、僕が場を回すという形を提案してくれたのも隼さんでした。僕の想いやこだわりを真摯に聴いてくれて、これが試し甲斐のある形だと提案してくれたんです。

そんな隼さんからのフィードバックでは、「スピーカーが話すときにBGMの音量をあげて、交流の時間には音量を上げて……を繰り返す意義」「そこにある意味のない椅子を排除する意義」「場を回すというより、どんな情報をそこに置くのかという意識」などなど、たくさんの知見をくれたんです。

それぞれについて別で記事を書きたいくらいですが、今回は根本的な話につなげていきます。フィードバックを通して、僕が思ったことは、「僕はプレイヤーでいたいんだな」ってことでした。


🏨僕はプレイヤーで在りたい

これは隼さんからも言われたことですけど、結局僕は場をつくる人というより、場を盛り上げる人であると思うんです。「盛り上げる」というのは、賑やかしとかムードメイカーという意味ではなくて、パフォーマンスを用意して提供する人ということ。

思えば、僕が「FAVORITE!!」を開催することになったのは、当時僕が挑戦していたビブリオバトルの認知拡大をするためでもありました。ビブリオバトルは自分のお気に入りの本を5分間で紹介する書評合戦のこと。本を紹介するプレゼンバトルです。

僕は高校時代から公式戦に参加していて、今までに全国大会に3度出場することができました。人よりも本を紹介する力が長けているんだなと自負しているんですが、それと同時に今思うのは、僕はプレイヤー気質であるということでした。

誰かからすれば、人前に立って話をして盛り上げる、なんて所業はハードルが高いし、だからこそ、その点に関して僕は評価を受けることが少なくないのだけれど、逆をいえば、僕には陰で場を整えたり、流れを滑らかにしたりする力が備わっていないんです。

これに関しては、経験の差がものをいっているんだと思います。僕が場づくりに関心を持ち始めたのは去年のこと。知見も経験も不足しているんです。一方、記憶のページを遡ると、プレイヤーでいることの方が多かったんです。

思い返せば、僕は小学生のときから人前に立つことが好きでよく大勢を相手に伝える機会は人よりも多かったし、中学時代には演劇部、高校時代は軽音部に所属していたので舞台に立つ機会が定期的にありました。大学時代には「BOOK TALK LIVE」というコンテンツをつくって、トークイベントを開催することもありました。

演劇の舞台
軽音の舞台
「BOOK TALK LIVE」の舞台

それぞれのステージでそれなりに手ごたえを感じることができているのも、僕はプレイヤー気質だからだし、舞台に立って大勢を相手にパフォーマンスするのが好きだからなんだと思います。

もちろん作家として活動していることもあり、陰でせっせと物語をつくる時間はあるけれど、プレイヤーとしても在り続けたいという意識はこの先も消えることがないんじゃないかなと思いました。

次はどんなステージに立とうか、今から未来が楽しみです。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20240713 横山黎


※今度、演技します↓↓↓


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