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Vol.31 星付きのお店を上回る人気店 ドイツ・フランクフルト「無垢ツヴァイテ」

無垢の「無垢ラーメン」

お寿司がアメリカに渡り、「カリフォルニアロール」という斬新な形になって逆輸入された。歴史と伝統がある寿司に関しては、しきたりや流儀が厳しい日本ではなかなかああいう発想はできなかったであろう。
ラーメンはいろんな意味において「自由」である。だからこそ日本においてもどんどん変化し、進化してきた。それが海外に出て行くことによってさらに大きな変貌や飛躍を遂げてくれると面白いと大いに期待している。

「無垢」はドイツのフランクフルトにある人気ラーメン店。地元では星付きのお店を上回り、グルメサイトでTOP10入りを果たしていたほど。

無垢フランクフルト本店の外観

2014年6月25日に逆輸入ラーメンの第2弾として新横浜ラーメン博物館に「無垢ツヴァイテ」として登場。ツヴァイテはドイツ語で2号店の意味である。2020年4月までの約6年間出店。正直、海外からのラーメンがそんなに長い期間、出店するとは思わなかった。評判も良かったということの証明に他ならない。

ラー博出店時の外観

ラー博でオ−プンする際に創業者は日本人と聞いて、なんとなくホッとした気持ちと、残念な気持ちが入り交じっていた。「日本人だったらあまり突飛なラーメンではなく、それなりにおいしいものを作っているであろう」という安心感と「日本人なら斬新なドイツらしいラーメンでは無いのかも」という気持ちの両面だ。はたして「無垢」のラーメンはどうだったか?
オープン時は「無垢ラーメン」、「焦げ味噌ラーメン」、「無垢ツヴァイテラーメン」の3種類でスタート。ドイツの食文化と融合した「無垢ツヴァイテラーメン」などはベーコンやザワークラウトなどが使われ、ドイツらしくとても面白かった。

2014年当時のメニュー

そして麺が個性的だった。ドイツの環境だとかん水や小麦粉ですらラーメン専用のものはなかなか手に入らず、逆に既成概念にとらわれない斬新な麺ができあがったという。そこには大変な苦労があったことだろう。

無垢の麺

しかし、そこでの工夫や知恵でどんどん新しいものが出来上がっていったと聞く。今回は、当時のメニューだけではなくさらに進化した「無垢スタイル」のラーメンを見せてもらえそうだ。

進化した無垢ラーメン

海外で進化発展した新しいラーメンの姿を堪能してみたい。
出店期間は2023年12月12日(火)~2024年1月10日(水)の4週間。通常より1週間長いので限定メニューを含め、さらに楽しめそう。
文/大崎裕史

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あの銘店をもう一度 第26弾 ドイツ「無垢ツヴァイテ」
※無垢ツヴァイテの詳細はコチラ
出店期間:2023年12月12日(火)~2024年1月10日(水)
                  ※2023年12月31日~2024年1月1日は休館日
出店場所:横浜市港北区新横浜2-14-21 
     新横浜ラーメン博物館地下1階
     第24弾 旭川「蜂屋」の場所
営業時間:新横浜ラーメン博物館の営業に準じる。
     詳細はコチラ

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