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Vol.28 ラーメン界の鉄人がカムバック 喜多方「大安食堂1994」

大安食堂の「喜多方正油ラーメン」

1994年3月、新横浜ラーメン博物館は開業した。ラーメン好きとしては、どこのどんなお店が入るのか気になってしょうがなかった。
詳細が発表され、その中の一つに「喜多方ラーメン」があって歓喜した。

1994年開業時のポスター

私は会津で生まれ、会津で育った。子供の頃からラーメンが好きで喜多方のラーメンも随分食べた。そんな子供の頃から食べていたラーメンが「札幌ラーメン」や「博多ラーメン」と同じようにラー博に出店するのだ。いつの頃からか、「日本三大ご当地ラーメン」として、「札幌」「博多」「喜多方」があげられるようになった。
札幌ラーメンと博多ラーメンは断然人気があるし、知名度も高い。納得のトップ2だ。そんな中に「喜多方ラーメン」が含まれるのは、町興し的な活動が功を奏し、「ラーメンの町」として知られるようになったからだ。そしてラー博の開業時に「喜多方ラーメン」が入っていたことは「日本三大ご当地ラーメン」として定着させるために大きかったと思う。
「札幌」は味噌ラーメン、「博多」は豚骨ラーメン、そして「喜多方」は醤油ラーメンである。喜多方ラーメンは1920年代に誕生し、ご当地ラーメンとして今では100年近い歴史がある。

喜多方ラーメンの草分け的存在の「源来軒」外観

そんな中から喜多方ラーメンの代表として選ばれたのは「大安食堂」だ。創業は1978年で創業者の遠藤進氏が41歳の時。今年86歳になるがまだ現役で店に出ているという。まさに「ラーメン界の鉄人」である。

創業者遠藤夫妻(2023年撮影)

「大安食堂」のラーメンは喜多方ラーメンの特徴そのものである。スープは豚骨清湯に魚介出汁ブレンド。

魚介の旨味が詰まったスープ

醤油は地元のもの。麺は熟成多加水手揉み麺。

喜多方ラーメンの象徴でもある多加水ちぢれ麺

会津は水がおいしいので食べ物は全般的においしい。その水を使った麺とスープなので喜多方のラーメンはおいしいのだ。具は豚のバラ肉チャーシュー、ネギ、メンマ、なるととシンプル。シンプルイズベスト。


これぞ喜多方ラーメン。そんな喜多方ラーメン「大安食堂」が27年ぶりにラー博復活!「あの銘店をもう一度”94年組”」として、出店期間は2023年10月27日(金)~2024年1月8日(月)の予定。日本三大ラーメンの一つ「喜多方ラーメン」をぜひ、ご堪能ください!
文/大崎裕史

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あの銘店をもう一度94年組 第4弾 喜多方「大安食堂1994」
※大安食堂の詳細はコチラ
出店期間:2023年10月27日(金)~2024年1月8日(月)
※2023年12月31日(日)~2024年1月1日(月)は休館日です。
出店場所:横浜市港北区新横浜2-14-21 
     新横浜ラーメン博物館地下1階
     94年組第3弾 「げんこつ屋1994」の場所
営業時間:新横浜ラーメン博物館の営業に準じる。
     詳細はコチラ

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