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【連載】Vol.17 伝説のラーメン店復活 函館「マメさん」

マメさん塩ラーメン半熟味付玉子入り(2023年撮影)

初めて函館にラーメンを食べに行ったのは1999年。その時にいろいろ調べて、今や伝説のラーメン店になっている「マメさん」という店の存在を知った。
大変人気だったらしく、気が付いたときには閉店していたので大変残念だった。ところが、その1年後の2000年にラー博に「マメさん」が復活するというではありませんか。

2000年ラー博出店時の外観

いや〜驚きました。全国の人気店を引っ張ってくるだけではなく、もう閉店してしまった幻のお店まで復活させてしまうとは。約8カ月の出店で今度は函館に帰郷オープン。もちろん、その両方で食べている。

帰郷オープンしたマメさん本店(2001年撮影/現在は移転)

当時、私が食べた函館ラーメンは老舗が多かったせいか、ホントにシンプルで初めて食べたのに懐かしい感じの店が多かった。ところが「マメさん」は、今風に言えば「シン・函館ラーメン」だが、実に見事な「シン」だった。斬新すぎて、10年先を行ってるんじゃないかと思ったほど。都内の新店と比べても先端的なラーメンに思えた。もちろんおいしかったのは言うまでもない。

まず、麺には“ふのり”が練り込まれ、優しい食感に仕上げられていた。
さすが製麺所運営の店だけあり、その画期的なアイデアの麺には驚かされた。

マメさんのフノリ入り麺(2000年撮影)

タレには帆立やカニなども使われ、函館っぽいと言えばその通りだが、函館ラーメンとしては極めて珍しい。だからこその「シン」なのである。
スープは豚、鶏、節類、野菜などを使用し、じっくり煮込むので綺麗な清湯。それなのに豊潤な旨味がたっぷり。

比内地鶏・山水地鶏をはじめ大量の野菜も使われているスープ

そこに焦がし背脂という函館で珍しいどころか、いまだに他で見かけたことがないほどの珍しい背脂の使い方。これが独特の風味とコクを生み出している。

スープの表面を覆う焦がし背脂(2023年撮影)

トッピングの具材はチャーシュー、メンマ、ネギ、そして函館ラーメンによく使われているお麩。これがビジュアル的には重要な存在。

函館ラーメンの定番具材「お麩」

はてさて、私が「マメさん」を最後に食べてから気が付けば20年以上経っている。私が「10年先を行っている」と感じたラーメン。その“10年”のさらに10年が経ってしまった今、「マメさん」を食べてどう感じるのか、とても楽しみである。

20年経って進化した「シン・函館ラーメンマメさん」(2023年撮影)

期間は2023年4月4日(火)~4月24日(月)の3週間。初めての方も久しぶりの方も「シン・函館ラーメン」を食べてみてください。
文/大崎裕史

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あの銘店をもう一度 第14弾 函館「マメさん」
※函館「マメさん」の詳細はコチラ
出店期間:2023年4月4日(火)~4月24日(月)
出店場所:横浜市港北区新横浜2-14-21 
     新横浜ラーメン博物館地下1階
     ※第12弾「やよいそば」の場所
営業時間:新横浜ラーメン博物館の営業に準じる。
     詳細はコチラ


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