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【連載】Vol.11 幻の店が13年ぶりに復活!! 青森「八戸麺道 大陸」

「あの銘店をもう一度」第9弾は青森・八戸「八戸麺道 大陸」で2022年12月16日(金)~2023年1月9日(月)ラー博に復活。いや〜9店舗目にしてとうとう本店未食のお店が登場。もちろんラー博出店時は食べている。

ラー博出店当時の八戸麺道大陸の外観

「八戸麺道 大陸」は「新ご当地ラーメン創生計画 第2弾 八戸編」で誕生した店舗。「新ご当地ラーメン創生計画」第1弾は博多「一風堂」創業者・河原成美さんプロデュースの琉球新麺「通堂」。そして第2弾が「支那そばや」創業者・佐野実さんプロデュースの「八戸麺道 大陸」となる。(第3弾も佐野実さんプロデュースで唐津「らぁ麺むらまさ」)

プロデューサーの佐野実氏(支那そばや創業者)2000年撮影

「新ご当地ラーメン創生計画」は知っていたし、食べてもいるが改めて当時の“ルール”を読んでみるとなかなか徹底していることがわかる。『そのエリアに在住・在勤している人を対象に出店事業主を募集し、審査・面接後に出店事業主を決定。2ヶ月の修業を経て1年間ラー博で運営し資金を貯め、必ず現地に戻り店を開業するということが条件。』となっている。

当時の募集広告(2001年)

そして多数の応募者の中から選ばれたのが昭和32年創業の老舗中国料理店「大陸飯店」の箭内一三さん。そう、何故、八戸で「大陸」なんだろう?と思う人もいると思うが、旧店舗名から取ったのだ。20人弱のスタッフを抱えていた箭内さんは、その経歴を捨て、ゼロからラーメン修業を始めた。“ラーメンの鬼”とも言われた佐野さんの厳しい修業を経て、ラー博内でオープン。そして八戸で独立。八戸での営業期間は約6年。そんなに期間があったのに行けなかったのは悔しい。閉店したのが2009年なので幻の店が13年ぶりに復活。

ラー博出店時の箭内さん(2002年撮影)

佐野さんプロデュースとしては珍しい手揉みした太麺を採用。それは、八戸の郷土料理である「ひっつみ」からヒントを得てもの。

手揉みした太麺

スープの決め手は宮内庁御用達の六戸産地鶏「シャモロック」。当時は初めて耳にしたブランドだが、今では高級地鶏として有名ラーメン店で使われている食材。こんなところでも佐野さんの食材開発が活かされている。他にも地元の食材を中心に構成し、「八戸ラーメン」を創り上げた。

東北の食材がふんだんに使用されたスープ

新作ではあったが、全体的には“佐野イズム”が随所に現れた一杯だと記憶している。
13年のブランクがあって、ラーメンが作れるのか?と思う人もいることでしょう。こんな日が来ることを予見していたのかどうか、佐野さんは2014年に箭内さんを自らの「支那そばや」総料理長に指名し、就任。その2カ月後に佐野さんは逝去された。“佐野イズム”を継承し、そして自らの「大陸」を復活させるという8年がかりのドラマのような展開。それを味わえるのは、たった3週間(厳密には23日間)。

八戸麺道大陸の「八戸」支那そば(2001年撮影)

ラーメン好きの年末年始は新横浜詣でで決定!
文/大崎裕史

※なお、年末年始は2022年12月31日及び2023年の1月1日は休館日となります。また、年末年始の営業時間も変更しておりますので、併せてご確認くださいませ。

📖バックナンバー
Vol.1「2年で味わい尽くす、ラー博30年史」(2022年6月17日)
Vol.2 伝説の銘店 和歌山「井出商店」(2022年6月24日)
Vol.3 創業90余年 福島・会津「牛乳屋食堂」(2022年7月15日)
Vol.4 魚粉のパイオニア 川越「頑者」(2022年7月31日)
Vol.5 敦賀ラーメンの老舗「中華そば一力」(2022年8月29日)
Vol.6 時代の先を行っていた伊豆「あまからや」(2022年9月18日)
Vol.7知る人ぞ知る 岡山・笠岡「中華そば坂本」(2022年10月4日)
Vol.8札幌ブラックの先駆者、札幌「名人の味 爐」(2022年10月31日)
Vol.9 青森・煮干しラーメンを首都圏に広めた目黒「勝丸」(2022年11月5日)
vol.10 『呼び戻し』スープの発祥久留米「大砲ラーメン」(2022年11月23日)

あの銘店をもう一度 第9弾 八戸麺道大陸
※八戸麺道大陸詳細はコチラ
出店期間:2022年12月16日(金)~2023年1月9日(月)
     ※2022年12月31日(土)~2023年1月1日(日)は休館日
出店場所:横浜市港北区新横浜2-14-21 
     新横浜ラーメン博物館地下1階
     ※第7弾「名人の味 爐」の場所
営業時間:新横浜ラーメン博物館の営業に準じる。
     詳細はコチラ

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