小関翼(Tsubasa Koseki)

Amazonにて、決済サービスの事業開発を担当。2015年3月にスタイラー株式会社を設…

小関翼(Tsubasa Koseki)

Amazonにて、決済サービスの事業開発を担当。2015年3月にスタイラー株式会社を設立。未来の購買体験をアジアから作っていくことを目指す。日英のメガバンクにて法人取引、マーケティング、オペレーション設計の経験あり。東京大学大学院修了。専攻は法とインターネットテクノロジー。

記事一覧

『日本沈没2020』〜現代日本の終末観〜

本稿は『日本沈没2020』を粗筋を押さえて紹介/叩くものではないし、終末観について学問的な厳密さを持って取り扱ったものではない。あくまで、ここ10年ほどの大衆文化に見…

死せるアインランド生けるトランプを走らす

クリスマスに以下の記事をFBでシェアしている人を見た。 東洋経済「トランプを支えるアイン・ランド信者の正体」 http://toyokeizai.net/articles/-/150766?display=b 賢…

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ニッポンのジレンマ

テーマ:都市と地方の分断線の感想 格差はある。都市は社会関係資本が豊富で情報を得やすい。何故か地方から都市に人が流れている。都市も地方も均質化してきている。日本は…

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『スティーブ・ジョブズ』

この映画はかなり変わった構成をとっており、何も予備知識なしに映画館に足を運んだ観客は面食らったに違いない。主人公はご存知スティーブ・ジョブズ。Appleの創業者にし…

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『インターステラー』

先ず悪い点として、この映画は登場人物が記号的。特に軸になっている父と娘の関係が正直気持ち悪い。地球を救うために異なる銀河系へ旅立った父と、地球に残った娘の時空を…

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リブランディング&コマース機能つけました!

今回のリブランディング&コマース機能拡張の際に没った対談を公開! 写真は2015年オフィスで撮影したものを使用。 https://facy.jp/ 岩崎佑哉(FACY編集長。以下Y):こ…

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『スタートアップ的想像力とは何か〜「筋金入りの素人」がファッションを考える〜』

 台北への出張の機内、少ない時間で読めるので寺田寅彦のエッセイ『ルクレチウスと科学』を再読した。科学にはボルツマン的な数的分析能力(人工知能話でもRBM などで名前…

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アジアにおけるニュー・リテール(新小売)のトレンドと、レガシー化する日本の業界

1.はじめに  日本でiPhone 3GSが発売されたのが2008年7月。つまり今年でちょうどスマートフォンが日本で消費者の生活を変えるようになってから10年経つ。日本は1990年代か…

『日本沈没2020』〜現代日本の終末観〜

『日本沈没2020』〜現代日本の終末観〜

本稿は『日本沈没2020』を粗筋を押さえて紹介/叩くものではないし、終末観について学問的な厳密さを持って取り扱ったものではない。あくまで、ここ10年ほどの大衆文化に見られる終末観を取り上げるメモ。

『日本沈没2020』はNetflix肝入りのアニメで、地上波テレビでも大変な広告を打ち宣伝している。一方、そのビジネスとしての真剣さとは裏腹、ストーリーは緊張感にかける。例えば、日本がまさに沈没する話

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死せるアインランド生けるトランプを走らす

死せるアインランド生けるトランプを走らす

クリスマスに以下の記事をFBでシェアしている人を見た。

東洋経済「トランプを支えるアイン・ランド信者の正体」
http://toyokeizai.net/articles/-/150766?display=b

賢明なる読者諸君は「何を今更」と思うだろうが、アインランドはアメリカの国民的作家だ。「アメリカの政治思想家」と紹介されている上記記事を読むと、何やら凄そうだが、実際は大衆小説で人気を博し

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ニッポンのジレンマ

ニッポンのジレンマ

テーマ:都市と地方の分断線の感想
格差はある。都市は社会関係資本が豊富で情報を得やすい。何故か地方から都市に人が流れている。都市も地方も均質化してきている。日本は都市も地方もタンザニアと比べて世間の拘束が厳しい。でも、最近の若者はちょっとずつで変わってきている。

↑ここら辺をぐるぐる話していた印象

僕の雑感
地方から都市に人が移動する理由をあまり説明できなかったのが、議論の前提を欠いている気が

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『スティーブ・ジョブズ』

この映画はかなり変わった構成をとっており、何も予備知識なしに映画館に足を運んだ観客は面食らったに違いない。主人公はご存知スティーブ・ジョブズ。Appleの創業者にして、テック界のヒーロー。おそらく彼が創業してから亡くなるまでの伝記映画を期待して見に行った人もいたはずだ。しかし、この映画はそういった平板な構成をとっていない。ジョブズにとって転機となる製品発表会直前の舞台裏を三つ繋げて人生を浮かび上が

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『インターステラー』

『インターステラー』

先ず悪い点として、この映画は登場人物が記号的。特に軸になっている父と娘の関係が正直気持ち悪い。地球を救うために異なる銀河系へ旅立った父と、地球に残った娘の時空を超えた愛が描かれてるんだけど、いくらなんでも5次元空間から娘の部屋を覗き見て、モールス信号でやりとりするって、オタク男子のエゴだと感じた(だから娘はリケジョ)。ただし、SF黄金期の作品、アシモフ『宇宙気流』やハインライン『宇宙の孤児』、ヴォ

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リブランディング&コマース機能つけました!

リブランディング&コマース機能つけました!

今回のリブランディング&コマース機能拡張の際に没った対談を公開!
写真は2015年オフィスで撮影したものを使用。
https://facy.jp/

岩崎佑哉(FACY編集長。以下Y):こうした対談記事は久しぶりです。以前は「FashionTech対談」という対談記事を週一で行っていましたね。
小関翼(以下T):2017年になり、「FashionTech」というバズワードも割と知名度のある言葉にな

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『スタートアップ的想像力とは何か〜「筋金入りの素人」がファッションを考える〜』

『スタートアップ的想像力とは何か〜「筋金入りの素人」がファッションを考える〜』

 台北への出張の機内、少ない時間で読めるので寺田寅彦のエッセイ『ルクレチウスと科学』を再読した。科学にはボルツマン的な数的分析能力(人工知能話でもRBM などで名前がお馴染みの)、ファラデー的な器械的実験能力(まともな教育を受けてないが、実験的才能によって電磁気学の基礎を築く)と古代ローマの詩人ルクレチウス的想像力(内容は青空文庫やKindleでも無料で読める)の組み合わせが必要とのエッセイで、改

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アジアにおけるニュー・リテール(新小売)のトレンドと、レガシー化する日本の業界

アジアにおけるニュー・リテール(新小売)のトレンドと、レガシー化する日本の業界

1.はじめに
 日本でiPhone 3GSが発売されたのが2008年7月。つまり今年でちょうどスマートフォンが日本で消費者の生活を変えるようになってから10年経つ。日本は1990年代から各家庭や職場にPCが普及し、携帯電話のようなコンピューティング・デバイスを持ち歩くことが常態化していたが、スマートフォンは登場とともにこれを塗り替えており、2011年は14.6%だったスマートフォン保有者が、201

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