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ニッポンのジレンマ

テーマ:都市と地方の分断線の感想
格差はある。都市は社会関係資本が豊富で情報を得やすい。何故か地方から都市に人が流れている。都市も地方も均質化してきている。日本は都市も地方もタンザニアと比べて世間の拘束が厳しい。でも、最近の若者はちょっとずつで変わってきている。

↑ここら辺をぐるぐる話していた印象

僕の雑感
地方から都市に人が移動する理由をあまり説明できなかったのが、議論の前提を欠いている気がした。人は生産性が相対的に高いところに移動する。その方が良い給与を得られて、良い生活が得られると期待を抱くから。都市は人口が多く、分業が進むので、生産性で比較優位に立ちやすく、この生産曲線のちょっとの傾きの差で地方から人口を吸収する。
ただし、地方から見た都市で生活する効用は、地方の開発とともに逓減するので、実は日本もアメリカも地方から都市への人口移動は減っている(少子化の影響で絶対数も突然減るが、率も減ってる)。都市と地方の問題を今日考える場合はここからスタートし、地方に住んでる人は困っているか?というテーマ設定の方が適切だったのではないか(古市氏の若者論からは、恐らく「困ってない」、もしくは「困ってるかもしれないが不幸ではない」と帰結する)。
さらに進んで考えると、たとえば都市への移動を減少させた地方の発展は、地方独自の経済や文化でもなんでもなく、イオンのような都市の巨大資本によるもの。むしろ地方を画一化してしまっているのをどう考えるか(ジェイン・ジェイコブズ的に画一化反対か、この反対を純粋な地方を夢見がちな中産階級のわがままと捉えるか)。地価の安い街に、クリエーションとかスタートアップしている中産階級が流れ込むジェントリフィケーションが起こる(ロンドンやベルリンもこれでスタートアップハブが形成)。地元民との文化的な衝突はどう考えるか。など、興味深い論点が多いのでもったいない。

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