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『インターステラー』

先ず悪い点として、この映画は登場人物が記号的。特に軸になっている父と娘の関係が正直気持ち悪い。地球を救うために異なる銀河系へ旅立った父と、地球に残った娘の時空を超えた愛が描かれてるんだけど、いくらなんでも5次元空間から娘の部屋を覗き見て、モールス信号でやりとりするって、オタク男子のエゴだと感じた(だから娘はリケジョ)。ただし、SF黄金期の作品、アシモフ『宇宙気流』やハインライン『宇宙の孤児』、ヴォクト『スラン』、クラーク『都市と星』もSF的な意匠を取っ払うと単純なボーイミーツガールに還元される。人間が描けてないってのは、実はどうでも時もある。

で、この映画でいいなと思った点は、宣伝にある科学考証がしっかりしてる!というところではなくて、映画が提示する未来像に懐かしさが溢れているところ。撮影からしてデジタル全盛時代にフィルムを使うし、CGじゃなく特撮で乗り物やロボットが登場する(TARSとかいうロボットを最初見たときは、「なんて鈍臭そうなロボ!」と思ったが、後に機動力があることが発覚。これはCGw)。ユートピアとして描かれるのも『フィールドオブドリームス』みたいな古き良きアメリカ賛歌。

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