『スティーブ・ジョブズ』

この映画はかなり変わった構成をとっており、何も予備知識なしに映画館に足を運んだ観客は面食らったに違いない。主人公はご存知スティーブ・ジョブズ。Appleの創業者にして、テック界のヒーロー。おそらく彼が創業してから亡くなるまでの伝記映画を期待して見に行った人もいたはずだ。しかし、この映画はそういった平板な構成をとっていない。ジョブズにとって転機となる製品発表会直前の舞台裏を三つ繋げて人生を浮かび上がらせているのだ。

それぞれ初代Macintosh、NeXTcube、iMacを発表する直前だが、常に問題が噴出しており、登場人物による言葉の応酬が続く。友人やビジネスパートナー、経営陣、そして認知してない実の娘(!)まで登場して、対立に次ぐ対立笑。そこら辺の登場人物は全て実在の人物で、トリビアルな知識をひけらかした感想文は他に多いと思うのでそちらを参照を(また、脚本家のソーキンの名前を言いたいだけのレビューも多いのではないかと思った笑)。主にジョブズとの関係性がクローズアップされる四人の属性は以下のとおり。彼らとの会話が三幕ぐるぐるぐるぐる続く。
・スティーブ・ウォズニアック:友人
・ジョアンナ・ホフマン:(ビジネス上の)恋人
・ジョン・スカリー:(ビジネス上の)父
・リサ:娘

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442字

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