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コンサートの感想たち

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クラシックコンサートの感想まとめ
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記事一覧

【演奏会感想】日本フィル×カーチュン マーラー9番

本日はこちらの演奏会へ。

プログラムの発表時から楽しみにしていた演奏会。マーラー9番は最も好きな曲の一つ。そして指揮のカーチュン氏も4年ほど前に神奈川フィルとの共演でベートーヴェン7番を聴いて以来、その生命力溢れる音楽作りに惚れ込んでいる大好きな指揮者である(「生命力溢れる」というのは極端に例えれば、踊り食いをしている時のような、まざまざと「生」を突きつけられる感覚、と言えばいいか)。

弦の厚

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【演奏会感想】富士山静岡交響楽団×高関健・ブルックナー8番

今週は富士山静岡交響楽団×高関健さんのブルックナー8番を聴きにオペラシティへ。貯金生活を送っているため演奏会通いは極力控えているが、ブルックナーの傑作はやはり聴かないわけにはいかなかった。

初めて聴く楽団だったのでどんな響きなのかドキドキしていたのだが、そんなのは杞憂だった。アンサンブルの細かい乱れも全く気にならないほど、全力で奏でる楽団員さんの姿と、そのサウンドには終始圧倒された(むしろ一部見

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【演奏会感想】内田光子×MCO

10/31はこちらの演奏会へ。

内田光子×マーラー・チェンバー・オーケストラ(MCO)
・モーツァルト ピアノ協奏曲第25番
・シェーンベルク 室内交響曲第1番
・モーツァルト ピアノ協奏曲第27番

世界的ピアニストの内田光子さんが来日するということで、最低ランクの座席が1万円と値が張るチケットだったが迷わず購入。そもそもモーツァルトのピアノ協奏曲は好きで好きでたまらないのだが、その魅力を教え

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【演奏会感想】N響×小高忠明

今週はこちらの演奏会へ。

N響・小高忠明
・ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
・ブラームス 交響曲第3番

元々本公演はブロムシュテットが振る予定だったが、急病のため指揮者変更に。そのため演奏中は代役の尾高さんの影にブロムシュテットを感じていたりした。

両曲とも全く奇を衒うことなく、淡々と素晴らしい音を紡いでいた。

前半のベートーヴェン「皇帝」はルバートをかけることがあまりなく、キ

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【演奏会感想】N響×トマ・コープマン

本日はこちらの演奏会へ。オール・モーツァルトのプログラム。しかも私が愛してやまない曲ばかり。

・交響曲第29番
・フルート協奏曲第2番
・交響曲第39番

好きな曲にもかかわらず、前半2曲は眠気にやられ、そこまでいい鑑賞ができなかった。

そして後半の交響曲第39番。
この曲には特に深い思い入れがある。それは一昨年リッカルド・ムーティの来日公演に行ったときに、彼が演奏前に語った以下の言葉が印象的

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【演奏会感想】上岡×読響 ブルックナー8番

昨晩は待ちに待った読売交響楽団による、(人類の至宝と呼んでもいい!)ブルックナー8番を聴きに行った。指揮者はツァグロゼクの予定だったが、体調不良のため急遽上岡さんに。
この曲を超高水準の演奏で聴けて大満足。

会場までの移動中は、大好きなティーレマン×ウィーン・フィルのブルックナー8番を聴いた。やはりこれは名盤ですな!

さて、演奏会が始まると指揮者の上岡さんは弱々しい足取り 。少し心配になったが

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6日連続の演奏会記録

普通にフルタイムで会社員をやっているにもかかわらず、計画性のなさにチケットをポチポチ取っていたら6日連続で演奏会通いになってしまった。
今回はそんな愚行を犯してまで聴きに行った記録を簡単に書き留めておこうと思う。

【1日目】チョン・ミョンフン×東フィル 『オテロ』この日は1回目の『オテロ』へ。表題はシェイクスピアの『オセロ』のことだが、私が最も好きなシェイクスピア作品をオペラ化したものなので、と

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【感想】7/16 東響/ノット

昨日は東京交響楽団/ノット指揮のこちらの演奏会へ。

エルガーのヴァイオリン協奏曲とブラームス2番という期待の膨らむ曲目。

まずエルガーの協奏曲はヴァイオリンが前面に出過ぎていたからか、超絶技巧のみに焦点が当てられていた印象。予習で聴いていた録音の方が断然良かったかなぁ。あとはヴァイオリンソロが目立つ第3楽章も処理が難しいのか、長い割にその効果が得られていない感じは否めなかった。

そして後半の

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7/11 カーチュンウォン指揮 神奈川フィル

昨日はカーチュン・ウォンさん指揮の神奈川フィルハーモニーのコンサートへ。

曲目は
・ブラームス ピアノ協奏曲第2番
・ベートーヴェン 交響曲第7番

簡単に感想だけ。

ブラームス ピアノ協奏曲第2番ブラームスの方は言わずもがな、重厚さが特徴で何度も聴いていると精神的な疲れが出てきてしまう。特に第3楽章冒頭のチェロは、何かに想いを馳せずには聴くことができない。春夏秋冬でいえば秋のような、どこか哀

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『オペラ座の怪人』感想

『オペラ座の怪人』感想

昨日は劇団四季の『オペラ座の怪人』を鑑賞。原作を読んだ上で観たので、小説と劇の違いやそれぞれの良さに気づくことができた。例えば、小説は緻密な描写で主人公の感情を表現したり、不可解な事態のカラクリの詳細を明かしたりするが、一方で劇はバレエや歌、演出に主眼を置く。特に、オペラ座の不気味さの描写は圧倒的に小説に軍配が上がる。そんなの当たり前と言われればそれまでなんだけども、その歴然たる差を改めて認識させ

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東京フィル 7/4 感想

昨日はチョン・ミョンフンさん指揮のブラームス交響曲1,2番を聴きに、渋谷のbunkamuraへ。特に1番はこよなく愛している曲で、心底楽しみだった。

いやぁ本当に素晴らしい演奏だったな〜。ただ唯一、最後列だったことだけが惜しい。ステージがよく見えないし、音も小さい。チケット代をケチらなければ良かった・・・ 今回は2000人収容の会場だったので、同規模のコンサートはケチらずチケットを買おう😓

神奈川フィル 2021/7/3 モーツァルト+

神奈川フィル 2021/7/3 モーツァルト+

昨日は神奈川フィルのコンサートへ。

曲目は
・ドイツ統一行進曲
・モーツァルト ピアノ協奏曲24番
・ウェーベルン 弦楽四重奏のための緩徐楽章
・ベートーヴェン 交響曲5番

会場に着いてから知ったんだけど、コンサートのテーマがナチスと音楽らしい。序曲の『ドイツ統一行進曲』はドイツはオーストリアを併合を示し、それによってドイツはモーツァルトの出身地ザルツブルク(オーストリア)を手に入れる。終いに

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神奈川フィル 6/26公演 感想

神奈川フィル 6/26公演 感想

昨日は神奈川フィルハーモニー管弦楽団のコンサートへ。小泉和裕さん指揮で曲目はベートーヴェンの交響曲2番とフランクの交響曲。本当に素敵な時間を過ごすことができた。

まずは、ベートーヴェン2番の話から。
ベートーヴェンの交響曲は自分でも呆れるほど聴いていて、2番もその例外ではない。にも関わらず、コンサートでは、初めて聴いたかのような新鮮ピチピチの音として耳に響いてきた。それに加えて、普段「ながら」

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