【演奏会感想】N響×小高忠明

今週はこちらの演奏会へ。

N響・小高忠明
・ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
・ブラームス 交響曲第3番

元々本公演はブロムシュテットが振る予定だったが、急病のため指揮者変更に。そのため演奏中は代役の尾高さんの影にブロムシュテットを感じていたりした。

両曲とも全く奇を衒うことなく、淡々と素晴らしい音を紡いでいた。

前半のベートーヴェン「皇帝」はルバートをかけることがあまりなく、キビキビと引き締まった演奏。良くも悪くも想像の域を出ない「皇帝」ではあったが、曲本来の味を存分に聴かせたという点では間違いなく名演。

後半のブラームス3番。
早速少し話が逸れてしまうが、そもそもブラームスは、楽譜にテンポなどを指定していないにもかかわらず、特に交響曲に限っていえばそこまで演奏によって差がないのが特長だと思う。聴き慣れた曲でもいつも新鮮な音楽に仕立て上げるジョナサン・ノット、そしてカーチュン・ウォンのブラームスをここ最近聴いたのだが、やはりその期待は見事に裏切られた。これはもうブラームスの厳格な性格ゆえとしか考えようがない。その厳格さはブラームスが交響曲1番を作り上げるのに21年を要したという事実からも明らかだ。

そういうわけで、今回の3番の演奏も特に変わり映えはしなかった。ただ管・弦の響きは一級品でこれ以上のものは今後もう聴けない、と強く思ってしまうほど感動した。マエストロによる解釈がそう違わないブラームスでも、奏者による違いは依然としてあるのだと思える演奏だった。

代役を務められた尾高さんブラボー👏

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