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白々と間瀬の二度目の夜が明けていく

白々と間瀬の二度目の夜が明けていく

自分の鼻息に耳を澄ませば、波の音に聞こえる。

いや、これホント。

波と呼吸のリズムは同じ。

いつかうちの子が、恋人を連れてこの海を見ながらそう話すのを想像する。

それで、それをやって見せると鼻水がドバッと出て恥ずかしくて笑うけど、彼女(彼)が海を見ながらノールックでハンカチを渡してくれるのだ。
(鼻水を垂らしているところを見ないように)

それが嬉しいやら余計恥ずかしいやらで、鼻水の付いた

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春の便り

春の便り

昨日、雫石の友達がちょうど見頃のタイミングで小岩井の一本桜の写真を送ってきてくれた。

その日の朝の雫石の岩手山の空気が伝わってきてすごく良かったし嬉しかった。

もう桜のシーズンは終わったつもりでいたけれど桜前線は北上中だったのだ。

なんだか最近はゆとりがなかった。
つまりアソビがない。

で、友達と遊ぼうと思うのだけど躊躇してしまう。

そもそも、少年時代から友達の家には自分から遊びに行けな

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ポップアップテントの仕組み・原理と折りたたみ方 〜 本当はちょっと難しい!?

ポップアップテントの仕組み・原理と折りたたみ方 〜 本当はちょっと難しい!?

ポップアップテント(※)の折りたたみ方をその仕組みから解説します。

ポップアップテントが折りたたまる原理・仕組みテントはひとつの輪

ポップアップテントは折りたたむ際、最初にフレームを重ねてぺったんこにした時点で、ひとつの大きな輪と見なせます。

このひとつの輪をいかにコンパクトに折り畳むか?というのがこのテントのアイデアであり、折りたたむ際のポイントになります。

問題:より小さな輪にするにワ

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おじいちゃんが孫と相合傘の図

おじいちゃんが孫と相合傘の図

うちの父は真面目で厳格で食事の時もおしゃべりやテレビなんてご法度だった。だから僕は大きくなってテレビドラマの大家族江戸っ子または大阪人情ドタバタに憧れた。

別に厳しいのは良かったのだ、ただ厳しくともドラマの場合は親父がいつも怒鳴り散らしているから周りもどこか慣れちゃって、子どもも平気で反抗するし、近所に住む恩師には頭が上がらないとか母ちゃんも肝っ玉だったりしてバランスが取れている感じだった。

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宇宙の果てには何がある?

宇宙の果てには何がある?



手塚治虫さんの漫画だったか何かの映画だったか忘れたのだけど分子原子素粒子と極小の世界を覗いていくとそこに宇宙が広がっているというイメージが子どもの頃に衝撃的だった。

でも、今なら、もしそうやって無限の宇宙を何周かしたなら、どうしたってどこかの星か大陸か人か細胞か素粒子に着地するように思う。

あの星が良かったとかあの遺伝子最高とか。

だって生きてるから。

この身体に、この日々に閉じ込めら

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「世情」について

「世情」について

中島みゆきさんのこの歌を口ずさむ時がある。

※工藤静香バージョンですが前奏のアレンジが良い!

変わらない夢という信念の対立。

信念とはいっても人間の信じる事。どこかに綻びはある。

科学の時代

そこには科学のメスが突きつけられた。

突きつけられが、同時にそれは可能性に開かれていた。

いつの頃からか「科学」は積み重ねたその「重さ」によって、かえってその引力は弱まった。

科学はとても丁寧

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ある接骨院の思い出

ある接骨院の思い出

この話をある接骨院のGoogleマップのコメント欄に書こうと思ったのですが、なんだか押し付けがましい感じがして恥ずかしくなったので、ここにそっと置いておきます。

まだこの診療所が山の向こう側にあった頃、僕は小学生でよくこの接骨院にお世話になった。その頃はちょっと足をひねったとか、転んだとか、昭和の男の子なら唾をつけて治されるような事でも、なにかと理由を付けてはこの接骨院へ足繁く通った。

ある時

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猫派になった日

猫派になった日

僕は犬派です

旅行の帰りには友達の家の犬にもお土産を買って行くくらいの犬派です。

それでも、夏のまだ日の高い夕暮れ近く、汗とマスクにこもる息で不快指数もマックスに足早に向かう子どものお迎えの途中、いつもの細い路地を曲がった向こう側、ちょうど日陰になった通路の真ん中で黒の子猫がちょんと座って私を出迎えてくれた日にはもう…。

ところで、この子猫が居た辺りには少し前まで雑草が鬱そうと茂る空き地があ

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平日、町を歩いて写真を撮る際に気をつけている事。

平日、町を歩いて写真を撮る際に気をつけている事。

僕は今、在宅勤務がほとんどで、平日の昼間にスーパーや郵便局へ行ったりする。

その際、昭和のサラリーマン家庭で育ったのでどうしても人の目が気になってしまう。

だったら目立たないようにすれば良いじゃないかと言われそうだけど、そんな単純な話じゃないのです。

そもそも僕は図体がデカく、だいたい人ごみの中でも頭ひとつ分飛び出しているし、写真が好きだから被写体に出くわせばちょっと大袈裟なカメラを取り出す

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ある天才について

ある天才について

先日、三男の参観日で算数、ではなく道徳の授業を見学した。

そこではボール遊びを例に、同じ事をしたのにある時は褒められて、ある時は怒られる、なんでだろ?みたいな話をしていた。

子ども達もあーでも無いこーでも無いと活発に発言していて感心するばかり。

ただ、ウチの子はシャイなのでその場では分かっているのかいないのか分からないような態度。

なのでそれから事あるごとにその話に関連するように話を持ちか

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ある掃除屋さんのプロフェッショナル

ある掃除屋さんのプロフェッショナル

ちょっと前にこの時期なのでマンションの前の草むしりをした。
賃貸マンションの僕はただの住人なのに。
これまでは以前住んでいたオーナーのおばあちゃんが、暇を持て余しながらいつも草むしりしていたから草が気になるなんて事はなかった。けれども今は不動産屋さんの所有になり事務的に定期的に掃除屋さんが来るだけだ。
(ちなみにこの不動産屋さんもトラブルがあるとすぐにかけつけてチャッちゃと解決してくれるので良い不

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ある写真家の恥

ある写真家の恥

昔、一緒に仕事をしていたデザイナーさんから聞いた話。

その昔、ある写真家がクライアントに依頼されて神社の境内を撮影した。スタジオに戻ってフイルムを現像してみると、参道のすみに小さなゴミを見つけた。彼は慌てて現地に戻りその場所を掃除して再び撮影した。

この話は、今から考えると3つポイントがある
一つは当然のことながら、良い写真に仕上げようとする写真家の気概のはなし。
二つめは、そのための技術の話

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ある医師の所作に思う

ある医師の所作に思う

こちらには(整形外科の個人病院)数年に一度のペースでお世話になっています。

初診はかれこれ7、8年前になりますが、当時職場が変わりデスクワークから立ち仕事が増えたことで足の不調を感じるようになったので診ていただきました。

初めての診察は、先生の元気で(子供っぽい表現ですが本当にそんな感じで)大きな声で呼ばれたところはちょっと刺激的でしたが、診察室にいらした先生は映画やドラマに出てくるまさに外科

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怒る人を笑ってはいけないよ

怒る人を笑ってはいけないよ

テレビの中でしかあまり見かけなくった。怒る人。

自己啓発本でもハラスメント対策でも、怒りは人間の喜怒哀楽のうち良くないものとしてある。

怒るのではなく叱るべきなんて言葉もある。

それで結局、テレビの、とくに映画やドラマではなくバラエティ番組でのキレ芸で怒る人を見ることが多い。(ちなみに僕はキレ芸の人たちは大好きです。竹山さんも梅沢さんも)

で、それは芸なのでテレビでは周りの人が笑っていたり

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