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ある掃除屋さんのプロフェッショナル

ちょっと前にこの時期なのでマンションの前の草むしりをした。
賃貸マンションの僕はただの住人なのに。
これまでは以前住んでいたオーナーのおばあちゃんが、暇を持て余しながらいつも草むしりしていたから草が気になるなんて事はなかった。けれども今は不動産屋さんの所有になり事務的に定期的に掃除屋さんが来るだけだ。
(ちなみにこの不動産屋さんもトラブルがあるとすぐにかけつけてチャッちゃと解決してくれるので良い不動産屋さんだ)
で、その自分で草むしりした時に、マンションの壁に根性クローバー🍀が生えているのを見つけて、それがあまりにも可愛いのであえて残しておいた。
他の住人の誰も草むしりなんてやらないし、指示も出さないわけだから、特定の草を「むしらない」こともそれは僕の特権だ。
それでそのクローバーを残したのだ。
それからそんな事も忘れて、その後に定期的にくる掃除屋さんも来て、階段なんかも綺麗になったなぁと思った矢先、
その根性クローバー🍀から 花🌸が咲いているのを目撃したのだ。
このピンクの小さな花を。

これには三重の美しさがある。

花そのもの、
これを残した僕の心(自分でいう)、
そして、それを受け止めてくれた定期的に事務的にくる掃除屋さんの心だ。

そう、彼だか彼女だか知らないけれど、もしオーナーや上司に見つかったら確実に指摘されるであろうこの草を。見る人が見ればただのムシリ残しを。あえてその感性によって残してくれたその人の心の美しさよ。

グッジョブ。

令和3年6月21日 梅雨の晴れ間の

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