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誰でもできる「科学的思考」

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震災や感染症などで不安や混乱が取り巻く社会に決まって広がる似非科学、デマ。 SNSが発達した今、あなた自身がデマ拡散に加担しているのかも。 これは、ニセ情報に騙されないハウツーを…
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#超常現象

科学的事実は鉄壁?

科学的事実は鉄壁?

たまに科学者のことを「科学教信者」と揶揄する人に出会います。

科学で「証明」されたことを信じているだけだ、と言いたいのでしょう。

確かに、そう言われても仕方ない人もいるにはいますがね。

「太陽は東から」は証明されたのか?そもそも科学は何ものも「証明」などしない。

例えば明日の朝太陽は間違いなく東から上るでしょう、今までと同じように。

くる日もくる日もくり返されるこの現象について、

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超常現象研究が日の目を見るには?

超常現象研究が日の目を見るには?

2014年に放映されたNHKスペシャル「超常現象 科学者たちの挑戦」。

番組のディレクタを務めた苅田章(かんだあきら)は著作の中で、超常現象の存在を示す兆候があるにもかかわらず、それを科学的に探究することが科学の世界でなかなか認められないのはなぜかと問います(※)。

そしてその理由の一つとして、超常現象をオカルトとしてはなからイカサマ扱いする偏見を挙げます。

超常現象っぽいこと言うだけで

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超心理学研究に見る科学の危機

超心理学研究に見る科学の危機

NHKディレクター・苅田章は、超常現象に関するその著書の中で、

とします。

超常現象の中でも特に人間の認知活動に関わる分野、念力やテレパシー等を扱うのが超心理学。

生物学者で超心理学者でもある小久保秀之も、超心理学の課題としてそれが数式で表せないことだ、と言います。

日本語や英語のような自然言語は、日常生活では便利に使えても、こと自然現象の記述に関してはその言葉の多義性・あいまいさが命と

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ポテンシャル指向が未来を拓く

ポテンシャル指向が未来を拓く

2013年から2014年にかけて、NHKでその名もズバリ「超常現象」というタイトルの番組が、地上波およびBSで放送されました。

阿部寛さんが主演で、薄暗い研究室風の部屋にたたずむ怪しい雰囲気の、白衣着たいかにもな風情の研究者が話を回すやつ。

ご覧になった方も多いでしょう。

この一連の番組の制作統括・大里智之は著書の中で、超常現象を研究することの意義として錬金術や占星術を例に挙げ、

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科学は子供の夢の敵なのか?

科学は子供の夢の敵なのか?

その昔、私が学生の頃、早稲田大学・大槻義彦教授のミステリーサークル調査団に加わって渡英したことは、拙ブログでも触れました(「『超常現象体験談』はただのエンタメ:真に受けず、深入りもせず」。

そのころはミステリーサークル(麦が倒れ、麦畑に円形を主体とした幾何学的パターンができる現象)が一種のブームで、UFOの着陸跡だなどと主張する者も。

で、そういったUFO論を後押しする形で当時のTV番組が、

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疑似科学を放置すべきでない理由

疑似科学を放置すべきでない理由

疑似科学は疑似であるがゆえに検討に値しないのか?
「それはあり得ない」で済ませて良いのか?
調べる前に怪しいと切って捨ててよいのか?

それよりは、公平かつ客観的に研究しその成果を公表する、少なくともその方向で努力するというのが、科学者として正しいスタンスであろうと、私は思います(※)。

神経科学者のテレンス・ハインズはその著書”Pseudoscience and the Paranormal”

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疑似科学に引き入られない為の四項目

疑似科学に引き入られない為の四項目

明治大学大学院教授で認知心理学者の石川幹人氏はその著書の中で、疑似科学に染まらない手順を簡潔にまとめています(「なぜ疑似科学が社会を動かすのか」PHP新書、2016年)。

1)想像と現実をしっかり区別する
2)自分の感情や欲求の由来を知る
3)自分の認知や思考のクセを知る
4)経験していない記憶がつくられることがよくあると自覚する

簡潔すぎてこれを読んだだけではよくわからないし、逆にこれを見

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効率化にマッタをかける前頭前野

効率化にマッタをかける前頭前野

大洪水から人間と動物が絶滅を免れる、旧約聖書に出てくる物語に関する次の問いに答えてみてください

「動物を各種何匹ずつ連れて、モーセは方舟(はこふね)に乗ったでしょうか?」

過去に行われた調査では、多くの人が2匹と答えました。

しかし正解は「0匹」です。

方舟の物語で船を作って自分とその家族、動物たちを救ったのはモーセではなくノア。

言わずと知れた「ノアの方舟」ですね。

モーセはヘブライ

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「オーラが見える」を見える化するムリゲー

「オーラが見える」を見える化するムリゲー

これはある日のFB投稿

自己啓発系のセミナーは昔からあるけど
その理論アシストに「量子力学」を持ってきちゃった

物理理論としての量子力学それ自体は
「悟り」やら「自己実現」やらとは無関係だし
「不安」や「無力感」を解消することにもつながらない

宗教的教義とか経験則として
「こういう生き方(考え方)をした方が良いですよ」
と伝えるなら私は何も言わないが
量子力学風の言説の都合の良いツギハギ、

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ミステリーサークルはUFOの仕業、のその後

ミステリーサークルはUFOの仕業、のその後

あちこちでしゃべっているのでご存じの方もいるでしょうが

私は大学3年生の時にミステリーサークル調査団に加わり

大槻教授と一緒にイギリスに3週間の調査旅行に行ったことがあります。

ミステリーサークルってあの、麦畑の麦が円形に倒れてできるやつね。

その形状は年を追うごとに複雑化というか、

「芸術性」を高めていった。

そういう所にも人為性を感じざるを得ないわけで、

実際後年になってイギリス

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引き寄せ・念力・テレパシー ‥を科学する

現代科学でエビデンスなしとされている現象

もしそれが存在するならどうやって?

科学でどこまで迫れるのか
改めて考える

念力 ~人の思念は物理的作用を及ぼし得るか?~

念力 ~人の思念は物理的作用を及ぼし得るか?~

「『波動』が共鳴して引き寄せる」
「『波動』で身体の不調を治す」

「波動」のみならず、「エネルギー」、「次元」、「○○フィールド」‥

このブログ内でも指摘してきたように、
(例えば「引き寄せは『波動』で説明できます」⇦じゃ、その「波動」って何?)
科学用語を多用した曖昧な言い回しが闊歩しています、
さも「科学的」であるかのように。

ではそのように、
非科学的かつ曖昧な「波動」論議で
「説明」

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「超常現象体験談」はただのエンタメ:真に受けず、深入りもせず

「超常現象体験談」はただのエンタメ:真に受けず、深入りもせず

超常現象企画
「ビートたけしの知らない世界 超常現象SP」

この番組内にて、
なんかもうほんっとーに
体外離脱が起こったとしか考えられないような
体験談が語られた模様。

大槻教授も最後は「不思議ですね~」。
‥いや、そうじゃないでしょ!(笑)

このTV番組は年末恒例のもので、
昔はよく、大槻教授と韮澤編集長がバトルってたやつ。

大槻教授と言えば火の玉研究が有名で、
その手の超常現象的なもの

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