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誰でもできる「科学的思考」

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震災や感染症などで不安や混乱が取り巻く社会に決まって広がる似非科学、デマ。 SNSが発達した今、あなた自身がデマ拡散に加担しているのかも。 これは、ニセ情報に騙されないハウツーを…
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高校生使ってデマたれ流すSpringX「超学校」

高校生使ってデマたれ流すSpringX「超学校」

ナレッジキャピタルは大阪駅に近接し、企業人、研究者、クリエイターらが交流できる、カンファレンスルームやオフィスなどを備えた施設。

そこで開催される「超学校」は、ナレッジキャピタル内のSpringXをはじめとしたスペース、そしてオンラインでも提供される講演プログラム。

科学者などの文化人、経営者などが登壇し、月3~5回のペースで開催されているようです。

2024年7月、三上丈晴がこの超学校で講

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三平くんの科学リテラシー

三平くんの科学リテラシー

「釣りキチ三平」という漫画があります。

三平三平(みひらさんぺい)という釣り大好き&超絶スゴ腕の少年が、日本各地で大人顔負けの釣り技を見せつける、言わずと知れた矢口高雄の大ヒット漫画。

私の父がなぜか好きで、家に単行本が全巻そろっていた。

そのせいで、特に釣りに興味のなかった子供のころの私もよく読んでいました。

その矢口さん、2020年にご逝去。

父と矢口さんの誕生日がたった3日

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生き永らえる誤情報

生き永らえる誤情報

情報社会と言われて久しい現代、意図的な誤情報の流布は珍しくなく。

双方向型のSNSともなると伝搬速度がこれまた速い。

歴史を振り返ればデマ拡散に関する著名な事例もいくつか存在します。

それらの多くは誤情報であることが発覚するまで、そして当事者の謝罪に至るまで、非常に長い時間を要しています。

最後は自白、の古典的事例例えば19世紀中頃、フォックス姉妹は霊媒として活動し、足の関節で出す音

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「立証責任は科学者側」ですか?

「立証責任は科学者側」ですか?

2004年5月11日(現地時間)、メキシコ国防相は未確認飛行物体の目撃事案を発表しました。

それによるとこの年3月5日、空軍パイロットが通常の麻薬取引警戒任務で飛行中、同国カンペチェ州上空で11個の未確認飛行物体に遭遇し撮影した、と。

乗組員によれば、それらの発光体は機体を取り囲んで消えたとのこと。

作家でもありUFO(以下では「宇宙人の乗り物」の意味)信奉者でもあるペトロ三木はこの件に関

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「科学は万能」という無能

「科学は万能」という無能

科学は人類の知識と技術の発展においてその骨格をなすもの。

現代社会において生活に密着する医療、通信、交通、環境保護など、またそれにとどまらない数多の分野において、私たちはその恩恵を確かに日常生活で享受しています。

そのせいもあってかないのか、科学者への科学万能論者レッテル張りがとまらない。

常に発展途上科学は観察、実験、そして論理的推論に基づいて自然現象を理解しようとする試みと言える。

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カフカと投票率

カフカと投票率

プラハ生まれの作家、フランツ・カフカの作品に、「ユダヤ人」のキーワードは確かに一つも見出されない。

それでも彼自身は、自身がユダヤ人であるという身の上と当時の(今もだけど)ヨーロッパに厳として存在した反ユダヤ的感情との板挟みに、生涯悩み続けていたのは事実です。

反ユダヤ、二つの潮流20世紀に入り、ユダヤ人への憎悪を助長した思想的背景の一つとして社会ダーウィニズムを挙げることができるでしょう。

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差別と科学

差別と科学

共同通信社の記者2人が、差別とデマの問題に取り組みつつ実際に差別を受けている人々の抱える複雑な心境に想いを馳せ、ジャーナリズムのあるべき姿を模索するブログ記事「差別に向き合う ―記者とデスクのやりとりから」。

正義は時として暴走するベースにあるのは1923年の関東大震災直後に起こった「福田村事件」と、この事件を扱った同名の映画。

香川県から出発し全国を周る15人の行商団

千葉県の福田村(現

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「直観」たより過ぎに注意

「直観」たより過ぎに注意

LinkedinはSNSの一種。

日本での認知度は、徐々に上がってきているとは言えTwitterやFacebookには未だ遠く及ばないかな。

このLinkedinである人が、「直観」の重要性を力説。

曰く「私たちが言葉を使ってお互いを理解し合う唯一の方法は、全員が直感的な心のレベルから話すときです。それまでは、エゴが私たちの思考に影響を与え、反応を調整しているため、議論するために話して

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NASAは月に行ってない?

NASAは月に行ってない?

デジカメ使い始めの頃。

東北の由緒正しいお寺の薄暗いお堂にて。

中に入ると、例祭で使われるであろう様々な物品が保管されている。

そして高い天井からは、いくつも垂れ下がる巨大な旗。

あまりにも見事だったので、光がほとんどない中暗すぎてほとんど写らないだろうと思いつつ、撮ってみたらなんとも予想外の鮮明な写真。

デジカメの撮像素子の高性能さに驚愕したのでした。

親父は8ミリが趣味

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人まね子ザルに陥らない魔法の言葉

人まね子ザルに陥らない魔法の言葉

アリスは気球にのり、ゆったりと空の旅を楽しんでいた。

ところが突然天気が急変。

突風で気球はあらぬ方向へ流されてしまう。

ずいぶん流されたところで、見渡すと全く知らない景色。

ボブはちょうどそのころ通りかかり、ただよってきた気球を見上げていた。

アリス「すみません。私は今どこにいるの?」

しばらく考えてボブは答えた。

「あなたは今気球に乗っていますよ。」

「なぜ」がミ

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あとを絶たない陰謀論

あとを絶たない陰謀論

世界は秘密結社に支配されている、とかのやや食傷気味な陰謀論。

もはや化石?

いやまったく、デラお元気です(笑)。

いつまでしゃぶるのそのネタ例えばそれはフリーメイソンだったり。

フリーメイソン、正しくはフリーメイソンリー(Freemasonry)は、陰謀論者が好んで「影の世界支配者」に仕立て上げる団体。

実際には推薦人と数千円の年会費で入れるただの親睦団体なのだが。

お笑いさんが

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論理とアナロジー

論理とアナロジー

細谷功はその著書・「メタ思考トレーニング」(PHP研究所、2016)の中で、論理思考に加えアナロジーを駆使することの重要性を説きます。

論理思考は一貫性と連続性を目的としているのに対し、アナロジーは飛躍を旨とし、新しい発想を生む原動力となる、と。

なるほどな、と思いました。

個人的に非常に興味深く参考になる論考、かつ自分の経験に照らしても沿う内容。

ぜひ紹介したいと思いました。

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無意識バイアスを最小限に

無意識バイアスを最小限に

人はなぜ偏見をもって人を見、偏見を持って判断するのか。

それはひとことで言えば、身の安全、そして種の持続のため。

生きるための瞬発力人類の何百万年にもわたる長い歴史の中で、気候変動により樹上生活から草原での生活を余儀なくされた先祖たち。

敵の首筋に突き立てる鋭い牙も俊敏な脚力も、空を飛ぶ力もない非力な先祖たちは、身を隠すものも少ない環境であらゆる猛獣の脅威にさらされました。

草陰に潜

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スプーン曲げは簡単

スプーン曲げは簡単

超能力ネタでショービジネスを成功させた人と言えばユリ・ゲラー。

2024年現在の日本でも、この名前を聞けば多くの人が「ああ、あの人ね」と。

子供も真似する、ショーの天才彼が日本のテレビに初登場したのは1974年。

十八番のスプーン曲げの他にも、テレビの視聴者宅にある動かなくなった時計を、テレビ越しの念力で動かして見せる技も披露。

1974年と言えば私は6歳でした。

看過され、家に

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