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疑似科学に引き入られない為の四項目

明治大学大学院教授で認知心理学者の石川幹人氏はその著書の中で、疑似科学に染まらない手順を簡潔にまとめています(「なぜ疑似科学が社会を動かすのか」PHP新書、2016年)。

1)想像と現実をしっかり区別する
2)自分の感情や欲求の由来を知る
3)自分の認知や思考のクセを知る
4)経験していない記憶がつくられることがよくあると自覚する 

簡潔すぎてこれを読んだだけではよくわからないし、逆にこれを見ただけで疑似科学に染まらない人間ができるほど世の中甘くないわけですが。

ということで石川氏には、様々に存在する疑似科学の実態、認知科学や進化心理学的に捉えたその成因、対処法についての多くの著書があります。

 

彼自身は超心理学の専門家であり、その中ではテレパシーやミクロPK(微小系に対する一種の念力)、透視などの研究が含まれます。

現象としてそれらは存在するというのが氏の立場のようですが、事例収集はしつつもなかなかご自身で実験というのはできてないようです。

日本ではそのような類の研究に予算つかないですからね。

もちろん物理学者でもないので、メカニズムまで踏み込むこともありません。

そこは私のPF理論の出番かなと思います(笑)。

 

ちょっと個別に見ていくと、1)については、スピリチュアル系の人が良く口にする「ビジョン」という言葉が思い当たります。

4年前に知り合った胎内記憶基礎講座講師の女性は、自分の半生をつづったファイルを私にくれたのですが、その中には「突然〇〇のビジョンが見えて‥」というくだりがそこかしこに出てくるわけです。

現にあった過去のできごとと妄想の境界があいまいになっている気がします。

2)については、人は本質的に「信じたいものを信じる」傾向がある生き物なので、何かの方針を決めるときはなるべく多くの情報を得て判断する、という自律心が必要なのではないかと思います、自戒を込めて。

3)に対してはこのメルマガやブログで度々取り上げている確証バイアスや認知的不協和への心得が武器になります。

4)については、実際に人の記憶が実にあいまいであり、また第三者が介入して意図的にある特定の記憶を植え付けさせることが割と簡単にできることが実験的にも実証されています。

これは単なる物忘れとは違うんですね。

物忘れは「あれ、何だっけなぁ」と、何かの記憶を失った実感があるので対処もできるのですが、Aと思っていたものが実はBだったというような記憶の入れ替わりや創出は、本人にその自覚がないので厄介です。

これはデマ情報の拡散行為にもつながったりします。

 

この4つの項目を頭に入れておくだけでも、ある情報に接した時に鵜呑みにしたりせず立ち止まるきっかけになるのではないでしょうか。

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