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「オーラが見える」を見える化するムリゲー


181113FB吉越波動発振装置

これはある日のFB投稿

自己啓発系のセミナーは昔からあるけど
その理論アシストに「量子力学」を持ってきちゃった

物理理論としての量子力学それ自体は
「悟り」やら「自己実現」やらとは無関係だし
「不安」や「無力感」を解消することにもつながらない

宗教的教義とか経験則として
「こういう生き方(考え方)をした方が良いですよ」
と伝えるなら私は何も言わないが
量子力学風の言説の都合の良いツギハギ、
正直言ってやめて欲しい

それってさぁ‥
理論の権威付けに科学を利用している
だけじゃないの?

このブログ引用部分の後半
「『見えないから信じられない!』
では、携帯の電話口を通して
ハワイの人とやりとりできることが
信じられなくなってしまいます。」

「見えない」=「存在しない」ではない

はい、そのとおりですね

可視光は見えるけど電波は見えません、確かに
でも両者は波長が違うだけで
どちらも「電磁波」の仲間
網膜に電波領域の受容器ありませんからね

電磁波には波長の違いにより、この他にも
赤外線、紫外線、エックス線、ガンマ線という仲間があり
またひとくちに電波と言ってもその中には
ミリ波や中波、長波といった
細分化されたカテゴリーがあります

そしてこの、波長の違うどの種類の電磁波も
現代の科学技術をもってすれば検出可能

可視光だけは目に見えますが
その可視光だって観測機器の方が
人間の目よりずっと感度よく検出することができます

で、ブログ引用の最初の部分
「あ、私って、【電磁波発振装置】なんだ。」

これもその通り。正解!
人間は電磁波を出し続けています
それは「遠赤外線」という種類の電磁波
波長にして9.4マイクロメートル
(1マイクロメートルは1ミリメートルの1000分の1)

でもこれ、単に体温による熱放射
身体の温もりが冬のヒーターのように
(強度はヒーターよりうんと弱いですが)
遠赤外線を周囲に放射しています

可視光じゃないから目には見えないけど
赤外線カメラで捉えることができます

ですがこれは
人とのつながりや「引き寄せ」とは無関係
もし波長が同じもの同士が引き寄せ合うなら
体温が同じもの同士が仲良くなる?(笑)

まずその体温が時々刻々変動しています(朝低め、夕高め)
それに体の部位ごとにも大きく違いますよね?

水に転写される「周波数」

211014FB新関周波数転写

「周波数」って、なんの周波数でしょう?

音の情報(周波数成分の分布?)が水にどのように記録されるというのでしょうか?
勿論そのような科学的エビデンスはありません

「体温」以外の電磁波?
それはなぜ観測機器で検出できないのでしょう?
宇宙から飛来するあらゆる種類の電磁波が
かなり微弱なものまで観測されているというのに‥

「波動」、「周波数」、「ヘルツ」、「電磁波」‥
このような物理用語が感覚的に用いられ
都合よく「理論」の補強に使われているのが
ネットを介して蔓延する「量子力学」の現状です

「科学的権威」を押し出して‥

パワーストーンのパワーとは?

以下は、明治大学・石川幹人教授の逸話
(「なぜ疑似科学が社会を動かすのか」(PHP新書)より)

「パワーストーンから色を帯びた光が出るのが見え
手をかざすとパワーを感じる」という学生が
パワーストーンの研究をしたいがどうしたらよいか
と石川先生に相談してきました

「パワーを感じるなら、科学的実験ができますよ

数種類のパワーストーンと普通の石を
浅くて大きめの箱に入れて蓋をした後
箱をよく振って、蓋をしたまま手をかざす

浅い箱

箱のどの位置にどのパワーストーンがあるか当てるのです」

後日聞いた話では「当たられなかった」と
そして「やっぱり石を直接見ていないとパワーを感じない」

そこでパワーストーンの写真を見せたら
今度は感じると言い出した

つまりパワーストーンから実際に何かのパワーが出ているのではなく
その外見の視覚情報から連想される個人的印象で
何かを感じているのだ

個人的印象であるならば
個々のパワーストーンに紐づけたストーリーによって
印象は変化する
そこには客観的な規則性はないのであり
したがって科学研究にはなじまないよ

‥とサジェストしたそうです

オーラ実験

オーラが見えると言う人よくいます、よね?
私も会ったことありますよ

それは本当に人体が発している何らかの「光」なのか?
見える人と見えない人がいるのはなぜ?
「特殊能力」のせい?

でたでた「特殊能力」、つまり「現代科学では捉えきれない」

「世の中科学で捉えきれないモノはたくさんある」
‥もちろんそうです!
そのことは科学者が一番理解している

でもそのことと「オーラが実在する」かどうかは別問題
それが「見える」とはどういうことか?

石川さんはここでも面白い実験をしています

オーラが見えるというAさんと
Aさんにオーラを見せる役割のBさんを用意

Aさんによれば、例によって
Bさんの身体の周囲に何色かのオーラが見える
という訳ですね

で、このBさんを
Bさんの身長と同じくらいの高さの衝立の向こうに立たせる

Bさんが立っている時は
衝立のこちら側からでもその衝立の上の部分にオーラがみえる
(はず!もしオーラが実体として存在するなら)

Bさんがしゃがんでいる時は
衝立のこちら側からは衝立の上の部分のオーラは見えない

で、Aさんに
Bさんが衝立の向こうで立っているかしゃがんでいるかを当ててもらう
ということを何度もやって
偶然以上の確率で当たるかどうか統計を取る

で、実際やってみてどうだったかというと
やはり偶然以上の確率では当たらない

見えていると称するオーラ
実は存在しない!

さっきのパワーストーンのパワー同様
オーラが存在するのはAさんの心の内
つまり相手の顔を見た印象
視覚刺激から生ずる「心理効果」なのです

このようなものでも
「信じる・信じないは人の勝手」
と言えますか?

明日あなたのところに
パワーストーン売りに来る人がいるかも知れませんよ?

似非科学はあなたの時間・お金
そして場合によっては命も奪い得る
そういうものなのです

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○ホームページ
「『不思議』を科学する<見えない世界の物理学>」

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