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田舎暮らし

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田舎暮らしで感じたこと、これからの田舎についてエッセイ風に書いています。
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社会問題は田舎がカギ?!

社会問題は田舎がカギ?!

1970年代以降の約50年間、情報技術や金融業の発達により、サラリーマンの増加や資本主義の加速化が進み、都会で暮らす人が爆発的に増えた。パンデミックや水不足、満員電車・交通渋滞など、都会の人口集中による社会問題が山積みとなった。

田舎の労働力は都会へ流出し、田畑や森が荒れた。食料自給率や都市部の水害、獣害被害など、田舎の過疎化が引き起こす社会問題も増えた。未だに田舎より都会の方が給料が良いと、出

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ごった煮な自己紹介

ごった煮な自己紹介

この世の中に生きている人はそれぞれ個性があって、いろんな経験をかいつまんで生きている。いわば経験のごった煮であって、雑味があるほうが無味乾燥な人生よりも美味しい。私、岡山紘明が世の中のどこをかいつまんで生きているかを書いてみる。

兵庫県神戸市出身の4人兄妹の3人目として1994年生まれた。ガッツリゆとり世代かつZ世代(1995年-)になりきれない狭間の歳。実家はニュータウン、2年千葉の学生街、2

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栗おこわと塩おにぎり

栗おこわと塩おにぎり

秋の味覚といえばたくさんあるが、代表格の一つに栗がある。また年中食べられるという事で忘れられがちではあるが、お米も新米のシーズンには盛り上がりを見せ、秋の訪れを感じる食べものだ。

先日、道の駅で地元のおいちゃんおばちゃんに混じって炊き出しイベントに参加した。
おばちゃんたちが作る栗おこわに混じって、私自身は塩おにぎりを担当した。塩おにぎりは以前からYouTubeやインターネットで調べたり、美味し

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思えば移住して4年が過ぎた。

思えば移住して4年が過ぎた。

移住をしたのが2019年。70歳で出会ったおばあちゃんが来月、74歳になるという。

移住当初、1㌔以上散歩していたおじいちゃんも、御年96歳になり、200㍍圏内しか歩けなくなっている。昨年田んぼを貸してくれたおじいちゃんは年末に亡くなった。

田舎は廃れたと嘆く人がいる。4年の間に少しずつ、確かに時間が進んでいる。大切なものがぽろぽろとこぼれ落ちている。

自分にできることはなんだろう?そもそも

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500文字で小田地区を紹介する!

500文字で小田地区を紹介する!

愛媛県に住む人にとって、私が暮らす小田地区は南予(愛媛県南部)の山あいの地域の一つに過ぎないかもしれない。小田地区は漢字で「小さな田んぼ」と書く。呼び名の通り、谷の地形には小さな田が段上に連なり、棚田を作っている。

藪から棒だが、愛媛で一番長い川をご存知だろうか。大洲市は長浜を河口とする「肱川」だ。肱川はちょうど大洲と内子の町境で肱川と小田川が合流する。そして流量で言えば小田川のほうが多く、主流

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おばあちゃんが元気なうちに田舎暮らしを学びたい!

おばあちゃんが元気なうちに田舎暮らしを学びたい!

小田に移住してから「暮らしの違い」に出会う。夕暮れに煙を上げる薪風呂の家庭、おみこしや獅子舞が出る秋祭り。ニュータウン育ちの僕にとって、非日常のような暮らしが小田では当たり前に営まれていた。

昔っぽい暮らしが大きく変わったのは1965(昭和30)年ごろ。エネルギー革命、家電の3種の神器、高度経済成長などを経て、全く異なる暮らしに置き換わった。

今の子どもたちは焚き火ができる子が少なく、親世代も

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田舎も世の中も豊かにしたい!

田舎も世の中も豊かにしたい!

内子町小田地区に引っ越して丸4年が経ち、「地方移住」についての文章を、という依頼が来た。

内子町とのご縁は都市計画を学んでいた大学院時代。歴史的な建物や産業などの調査に参加したことがきっかけだった。移住後、地域おこし協力隊になり、飲食店やお宿、シェアハウス、キッチンカーの運営、お米販売などしている。

活動の傍ら、14棟の空き家にめぐり逢い、20名もの移住者に恵まれた。「都会から地方への移住」の

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都会暮らしこそ田舎を見るべし!

都会暮らしこそ田舎を見るべし!

内子町小田地区に引っ越して丸4年が経ち、「地方移住」についての文章を、というご依頼が来ました。ちょっと書いてみようと思います。

内子町とのご縁は都市計画を学んでいた大学院時代。まちづくりにおける歴史的な資源の調査に参加したことがきっかけでした。移住してからは地域おこし協力隊として、飲食店やお宿、シェアハウス、キッチンカーの運営、お米販売などをしています。

活動の傍ら、14棟の空き家に恵まれ、2

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腹が減っては戦はできぬ!

腹が減っては戦はできぬ!

「腹が減っては戦はできぬ」とはよく言ったもので、どの時代どの土地を切り取っても大きな戦が起こる時はききんや農作物の不作が続いた時だという。

愛媛県に暮らし始めて驚くのは賃金の低さ。地域によっては年収200万以下の人も少なくない。最低賃金も東京の1,072円に対して853円。しかしお金がないからといってそこまで不幸には感じないのだ。

食べ物に関してはほとんどの人が親戚をたどればお米は買うものでは

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日本おとぎ話

日本おとぎ話

現在の日本で暮らしていると、おとぎ話の王女でも昔はとても食べられないアイスクリームが食べられる。ドラえもんのひみつ道具まではいかなくとも便利な道具がたくさんある。

加えて、戦後から高度経済成長の間、時代の流れの中で汗水流さずにお金が入ることもあった。

戦後日本はおよそ40年間、ものすごく便利になると同時に、ものすごくお金儲けがしやすい世の中が続く、おとぎ話のような国だった。

「むかし話」から

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「恋焦がれた梅干し」

「恋焦がれた梅干し」

私が暮らす小田地区に松山からの玄関口に田渡(たど)エリアがある。

毎週土曜日に産直市「およりんか」を開いているが、ここの梅干しがとびきり美味しい。七折地区の梅を、ふっくら・ちょうど良い塩加減に干している。

数ヶ月前から買っていて、ちょこちょこ食べては「これを作っているかたはどんな人だろう。」と自分の中で思いを馳せる存在となっていた。

そして今週末、産直市に行くと店番にご年配のおばあちゃん。ど

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親子で稲刈りイベント開催!

親子で稲刈りイベント開催!

小田の道の駅小田の郷せせらぎの近くの田んぼで親子で稲刈りをするイベントを開催しました!親子4組、一般の参加者も含めて、総勢29名で手刈りにチャレンジしました!晴れた天気の中、どろんこになりながら200-300㎡の田んぼに稲を刈り取りました。

また稲を刈った後に乾燥をさせるため、稲木を立てて、はさかけもしました。地元のおいちゃんに指導を仰ぎながら、3段の稲木を立てました。

今回はお子様も触られる

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楽しく!安く!リノベーションのゼロからイチまで!

楽しく!安く!リノベーションのゼロからイチまで!

どい書店成長記:その3どい書店という風変わりな本屋愛媛県の山奥の町「小田」の商店街にある、古民家喫茶「どい書店」。英語表記を「do it 書店」と名付け、なんでもやる本屋として飲食店や、食品販売をしながら小田の町に佇んでいる。

風変わりな本屋ができてから地域外の人が「小田」という地名を知り、行ってみたり、中には住んでしまう人も出てきた。このお店はいったいなんなのか?店主の岡山が回顧録的にやってき

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若い世代の移住 増減マップ

若い世代の移住 増減マップ

若者の移住が目立っている、と聞くが、『田園回帰1%戦略』で有名な藤山浩さん率いる「持続可能な地域社会総合研究所」が面白い調査をしていた。過疎地の半数近くで5年前に比べて若者が増えているという。

調査の内容

この調査は「コーフォート増減率」を取り上げたもの。具体的には2015年に20歳から34歳だった世代が2020年に25歳から39歳になる5年の間の各市区町村への転入・転出を差し引き、どれだけ増

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