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横浜FC観戦記2022

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#Jリーグ

2022年J2第42節ロアッソ熊本-横浜FC「あの空を見上げて」

2022年J2第42節ロアッソ熊本-横浜FC「あの空を見上げて」

2022シーズンの最終節を終えても、また明日になれば試合があるのではないかと思っている自分がいる。熊本で聞いたタイムアップの笛は今シーズン42試合の終了を告げるものだとわかっていても、この土曜日でも明日は日本のどこかに遠征するんだっけ?とスケジュールを確認している。
横浜FCロスになった人もいるようだが、自分はランナーズハイのようなまだフワフワした気持ちのままでいる。待ってろJ1ではなく、このフワ

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2022年J2第41節横浜FC-ツエーゲン金沢「私達はまだ2019を超えていない」

2022年J2第41節横浜FC-ツエーゲン金沢「私達はまだ2019を超えていない」

その報を知ったのは、準備中の自宅でもなく、三ツ沢での待機列でもなく、新横浜のスタジアムでだった。2022年横浜FCはJ1昇格を果たしたのだと。こう実感のない昇格は、3度目となる昇格でも初めてのものだった。速報サイトを何度もリロードして岡山の敗戦を見て、そのスタジアムで眼下に広がっている天皇杯決勝とは関係ないことで喜びをかみしめていた。
甲府の試合になぜ足を運んでいたかといえばそれなりに思い入れのあ

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2022年J2第37節横浜FC-ヴァンフォーレ甲府「嵐に旗を翻す」

2022年J2第37節横浜FC-ヴァンフォーレ甲府「嵐に旗を翻す」

これが出来るのが横浜であり、これしか出来ないから横浜であるともいえる。すっかりお馴染みとなった長谷川から小川へのクロスをヘディングで叩き込む。後半40分、3試合連続の無得点で終わりかけた試合で決勝点を呼び込んだ。後半15分過ぎに伏線はあった。長谷川のクロスに飛び込んだ小川のヘディングは甲府GK河田の正面。走り込んでパンと強く弾いたボールは正面に飛びがちだが、決勝点となったゴールは「面を作り」、乗せ

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2022年J2第35節横浜FC-栃木SC「涼しいのは中秋だからか、それとも」

2022年J2第35節横浜FC-栃木SC「涼しいのは中秋だからか、それとも」

昨年2021年11月の鳥栖戦のデジャヴのようなスコアレスドローだった。2点差を追いつかれ山口戦から一週間。J1昇格のために、残り8試合全部勝つくらいの気迫でゲームに臨むのかと思いきや、時にラインを高く、時にラインを低くして構える相手にまともな突破口を作れず勝ち点1を積み上げるだけに留まった横浜は首位から2位に後退。

アクシデント

このゲームのプランが大きく変わってしまったのは、前半35分の伊藤

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2022年J2第30節大宮アルディージャ-横浜FC「エールを」

2022年J2第30節大宮アルディージャ-横浜FC「エールを」

ただでさえ着手が最近遅いのに、月曜日に大きなニュースが飛び込んできた。安永の水戸への期限付き移籍が決まったのだ。となったので、普段はゲームの感想だけを書いていることが多いが、昨今の移籍についても絡めて書きたいと思う。安永の移籍を含めるとこの夏に横浜を移籍を含めて退団したのは、ヴィゼウ、小川慶治朗、手塚、高木、中塩、そして安永と6名。
四方田監督の元でプレーをしていない小川の再移籍は選択肢としてあり

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2022年J2第29節横浜FC-いわてグルージャ盛岡「メン食らう」

2022年J2第29節横浜FC-いわてグルージャ盛岡「メン食らう」

Jリーグから9月以降のゲームスケジュールが発表になった。それを目にすると、ホームゲームは土日でも14時開始のゲームはなく、すべてナイトゲームに。最近は夏場でなくとも暑い日が多くなり、先を見越したら秋でもジリジリするよりも、少しでも涼しい方が観戦体験としては良いと考えたのだろう。今後も14時キックオフの試合は減っていくのかもしれない。
この日のゲームは18時キックオフであったが思いのほか涼しく感じる

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2022年J2第28節東京ヴェルディ-横浜FC「アキの訪れ」

2022年J2第28節東京ヴェルディ-横浜FC「アキの訪れ」

味の素スタジアムから出てきて追い越したヴェルディサポーターはこう口にしていた。「来年人はいるのかなぁ。理仁は出た、次は誰だ?森田か?馬場か?瑞希と凌我はいないでしょう。来年の編成次第だなぁ」と既に来年に目が向いていた。現在11位の東京ヴェルディは自動昇格圏とは勝ち点差が18離れプレーオフ圏内までも8の差がある。 残り試合15試合と考えると自動昇格はほぼ絶望、プレーオフ圏内も確実とは言えないラインに

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2022年J2第27節横浜FC-ジェフユナイテッド千葉「浜乃学習」

2022年J2第27節横浜FC-ジェフユナイテッド千葉「浜乃学習」

好機に航基

スタッツだけを見たら、千葉が押していた試合の様にも見えるが、実はまるで逆で横浜が決定機にゴールを着実に重ねて大勝に終わったゲームとなった。前半5分、ハイネルの長いフリーキックを頭で合わせて先制点を挙げると、前半31分には和田からゼインにパスが渡ると、琉球戦の再現のようなグラウンダーのクロスを小川がスルーすると左に流れながら渡邉が放ったシュートが千葉ゴールに突き刺さり2-0とリード。

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2022年J2第25節横浜FC-ブラウブリッツ秋田「最後に」

2022年J2第25節横浜FC-ブラウブリッツ秋田「最後に」

かわいさ余って憎さ100倍

失点して0-1となってからの約20分、アウェイ秋田戦で空港へ向かうシャトルバスを秋田駅で待っている際にある横浜サポーターから質問されたことを思い出していた。
「どうして秋田はあんなに荒いのでしょうか」と。(名誉のためにいえば、その方はサッカーにそれほど詳しい方ではなく、例えばその試合で高橋が負傷交代となったことをはじめ印象論であることは付け加えておく。)その時に私が答

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2022年J2第23節横浜FC-アルビレックス新潟「北十字星を超えて」

2022年J2第23節横浜FC-アルビレックス新潟「北十字星を超えて」

リーグ後半戦の頭2戦が、仙台と新潟の上位2チームとの対戦となったのは何の因果だろうか。勝てば一気に勝ち点差を縮められる、突き放せるが、負けると置き去りにされ直接対決が残っていないので極論自力での優勝や自動昇格がなくなる。その緒戦、仙台戦は3-2で勝利。3位から2位となり勝ち点差3をつけた。そして首位・新潟との決戦。勝ち点差は2。横浜は勝てば首位浮上、そして仙台は前日に行われた山形とのみちのくダービ

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2022年J2第22節ベガルタ仙台-横浜FC「勝ち点は3だが、それ以上の価値がある」

2022年J2第22節ベガルタ仙台-横浜FC「勝ち点は3だが、それ以上の価値がある」

泊まりで向かうアウェイゲームの翌日は、その地方の地元紙を読むようにしている。試合の内容もだが、相手チームの表に出てなかった情報なども時折みられ後から振り返るのによい情報源だったりする。仙台でいえば、河北新報を手に取るが、

一見すると、攻撃の手段がロングボールしかないと横浜を下げているように思えるが、それに屈した仙台をさらに下げている様にも捉えられる。果たして横浜の攻撃の手段はロングボールだけだっ

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2022年J2第20節横浜FC-東京ヴェルディ「さぁ前を向こうか」

2022年J2第20節横浜FC-東京ヴェルディ「さぁ前を向こうか」

涙をこぼしながらゴール裏に駆け付けた杉本の姿を見て驚いた。舞台の上では役者であり続けるそんなイメージを持っていた。私は彼が試合終了後にフィールドに出てきて挨拶をしないとすら考えていた。
試合では東京ヴェルディの選手であり、あの激しいプレーも眉をひそめたくなるがそれは横浜が古巣の選手で人一倍違う思いがあるのはなんとなく理解はしていた。
その位熱い男なのである。味方になれば熱く、敵になればまた熱く。不

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2022年J2第18節いわてグルージャ盛岡-横浜FC「練習ですか?それとも試合?」

2022年J2第18節いわてグルージャ盛岡-横浜FC「練習ですか?それとも試合?」

急いでいた。17時32分盛岡着の新幹線が、遅れて35分着に。おかげで在来線17時35分盛岡発、17時42分岩手飯岡駅着の電車に乗る計画は無理になった。そもそもシャトルバスは、17時20分発が最後なので無理。仕方なくタクシーを使うことに。頑張ればギリギリ間に合う、と。盛岡駅西口でタクシーに乗って、行先を「いわぎんスタジアム」と告げたときに、運転手に言われたのがそれだった。

選手や監督を乗せた事があ

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2022年J2第13節ザスパクサツ群馬-横浜FC「錯覚」

2022年J2第13節ザスパクサツ群馬-横浜FC「錯覚」

途中交代で退いた小川。ベンチ脇から大きな声を出していたが横浜のロングボールで味方同士が被ってしまい、上手く収められなかったプレーでカラーコーンを蹴り飛ばし頭を抱えた。自分がそこにいたら収められたと考えただろうし、もう少し言えば自分がどこかで4点目を決めていたら厳しいゲームにはならなかっただろうし、物に当たった自分の愚かさ、チームメイトも必死に戦っているからこそそういったシーンが生まれるのもわかって

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