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『東大のディープな日本史』アーカイブ②・浮浪・逃亡した農民はどこに行ったのか?
『歴史が面白くなる 東大のディープな日本史 傑作選』の刊行を記念して、過去に収録した問題から特に面白い(と私が思う)ものをアーカイブとして公開していく第2弾は、古代の浮浪・農民に関する1990年度の問題です。東大日本史の面白さ・奥深さは、史料文(資料文)を読み込んでいくことで、歴史に対する固定観念が打ち破られ、新しいこの国の〈かたち〉が見えてくることにあります。本問はそれが凝縮されている問題です
もっとみる『東大のディープな日本史』アーカイブ①・「日本」はいつから始まったか?
2月26日に、『東大のディープな日本史』の最新刊である〈傑作選〉が刊行されます。そこで、出版元のKADOKAWAさんの厚意により、これまで1〜3に収録した問題の中から、泣く泣く〈傑作選〉から外したものを、記事として紹介していきたいと思います。
1回目となる今回は、「日本」の国号の成立にも関わる遣隋使・遣唐使に関する問題です。
・〈外交音痴〉ではなかった古代の朝廷
昨今の領土問題やTPP参
「勉強」の語源について
「勉強」という言葉には、その字面から「無理してやる」というネガティブなイメージが付着していますが、語源をたどると、それが誤りであることが分かります。中国の古典『中庸』にある一節の、書き下し文を掲げましょう。
(書き下し文)
或ひは生まれながらにして之を知り、或ひは学んで之を知り、或ひは苦しんで之を知る。其の之を知るに及びて一なり。或ひは安んじて之を行なひ、或ひは利して之を行なひ、或ひは勉強して