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2021年5月の記事一覧
コンサルタントの危ない流儀 集金マシーンの赤裸々な内幕を語る (デイヴィド・クレイグ)
複数のコンサルティング会社に勤めた経験のある著者が、自らの実体験をもとにコンサルタントの実像・虚像を綴った著作です。サブタイトルどおりの内容でした。
著者が所属していたコンサルティング会社のトップマネジメントの内輪話はともかく、コンサルティングサービスを受ける「クライアント企業側の問題」は、これこそよく指摘されているところです。
本書でも、至るところで登場します。
(p114より引用)
社会学の根本概念 (マックス・ヴェーバー)
ほとんど理解できないのですが、(懲りもせず)ときどきこの手の本を読んでみようという気になります。
本書は、清水幾太郎氏の訳によるマックス・ヴェーバー(1864-1920)の晩年の著作です。社会的行為や社会的関係といった社会学上の種々の諸概念の「定義」を明らかにした短い論文で、ヴェーバー社会学を理解するうえでの基本的な素養となるものです。
記述は、このような感じで進んでいきます。
(p8
ビジョナリー・ピープル (ジェリー・ポラス他)
何をするか 「ビジョナリー・カンパニー」の著者たちが書いた「ビジョナリー・人物版」です。
10年間200人以上の「継続的に成功をおさめている人」に対するインタビューをもとに、それらの人々の共通項を明らかにした著作です。(超有名人もいれば、日本ではあまり馴染みのない人もいます)
著者によると、その継続的な成功の鍵の「共通項」は、「意義」「思考」「行動」の3つの要素でまとめられると言います。
個人的な愛国心 (日垣 隆)
日垣隆氏の本は、初めて読んだ「知的ストレッチ入門」に続いて2冊目です。
本書は「日刊ゲンダイ」や「北海道新聞」などの連載記事がもとになっているとのこと、日垣氏一流の厳しい攻め口で「時事問題」を抉っていきます。
こういった連載物は、種々のテーマごとに、限られたボリュームの中で “鋭く本質を突く主張”を開陳しなくてはなりません。日垣氏の筆のテンポは、これに見事にマッチしているようです。
た
福沢諭吉 国を支えて国を頼らず (北 康利)
福沢諭吉の本は、今までも、諭吉自身による「福翁自伝」「学問のすゝめ」などを読んでいます。
今回は、北康利氏による「福沢諭吉伝」です。福沢諭吉の生涯を、誰にも分りやすく、平易な文体で丁寧に紹介していきます。
従来からよく言われていたことですが、諭吉が「封建制度」を敵視し「平等」な社会を希求した最大の動機は、諭吉が物心もつかないころに亡くなった父百助の不遇にあったとされています。儒学者でもあ
17歳のための世界と日本の見方 ― セイゴオ先生の人間文化講義 (松岡 正剛)
正剛講義 本書は、松岡正剛氏が帝塚山学院大学で行った「人間と文化」というテーマの講義をもとにしたものです。
時間的に空間的に様々な事象を「関係」付けながら俯瞰的に歴史を紡ぎ、新たな意味づけを行っていきます。まさに、「正剛流」です。
松岡氏の思考の基本コンセプトは「編集」です。松岡氏の言う「編集」は、一般的な意味よりも広い概念です。
(p12より引用) 情報の本質は「区別力」にあるのです。・
リクルートのDNA―起業家精神とは何か (江副 浩正)
ある程度の年齢以上の方は、著者の江副浩正氏の名前は鮮明に記憶に残っているでしょう。私もその年代ですし、実は、個人的にもいろいろな思いがあります。
江副氏は、情報サービス業の大手企業「リクルート」(当初の社名は「大学新聞広告社」)の創業者です。
リクルート社は自由闊達な社風で急成長した企業で、若く有能な人材を多く社会に輩出しました。一時、業績不調の時期がありましたが、近年はまた好調な業績を残
哲学、脳を揺さぶる オートポイエーシスの練習問題 (河本 英夫)
「オートポイエーシス」。今まで聞いたことがなかった言葉です。
この本によると「自己の産出的形成運動」のことだそうです。といっても、これだけでは何のことかわかりません。
哲学系の本は凝りもせず何冊か読んでみていますが、これも難解でした。
その中でも、何となく分かった気になったフレーズをご紹介します。
まずは、「新たなものを見いだすための見方」についてです。
河本氏は「注意」ということ
ヒトラーの死を見とどけた男 ― 地下壕最後の生き残りの証言 (ローフス・ミッシュ)
著者のローフス・ミッシュ氏は、元親衛隊アドルフ・ヒトラー連隊の隊員でした。1937年に入隊し、1945年ベルリンの総統官邸でヒトラーが自決するまで、ヒトラーの身近にいました。
そのミッシュ氏が、ヒトラーとその周辺の人々そして自分自身について語った回想録です。
ただ、ミッシュ氏自身も話しているように、物理的にヒトラーの近くにはいましたが、彼自身、決して政権中枢の人物ではありませんでした。そ