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実話ナックルズnoteマガジン
2024年6月18日 22:30
不幸の報せはある日突然やってくる。出産を間近に控えた病室にも、美しく穏やかな春の日にもーー。家族を捨てた私と、家族を捨てなかった兄。夫と娘3人で生きる私と、30代で自ら死を選んだ兄。毒親育ちの副業ナースが綴る、「正しい家族のあり方」とは。兄の死を、悲しむ資格がありますか「俺もいま病院だ」「なんで」「にぃが…死んだ」「は?」 今日は産婦人科で妊婦健診の日。 片道1時間かかる大学病
田淵 未来
2024年3月22日 15:13
今日は、死んだ兄との初対面の日。寝ている娘を見て、夫とクスッと笑ったあと、また少しだけ寝ていた。目を開けてしまったら、今日が始まってしまう。仕事日の朝とは比べられないぐらいの憂鬱感。だが娘の寝顔が、死ぬほど美しく愛おしく見えた。ああ、やっぱり私は救われている。昨日と同じものを感じた。いつも通りの朝だった。食べむら真っ最中の娘。今日の朝食はどちらのパンにしますか?じゃあサツマ
2024年3月26日 22:09
葬式の日。新品の喪服に袖を通す。袖を通すと実感がわくのか、とても憂鬱な気分になった。着替え終え、リビングへ行く。娘が「かっこいいね〜」と言ってきた。笑った。父からチョコをもらった。渡すことができなかった、父から職場の女子へのお返しホワイトデーチョコだ。チョコの箱についていたハート付きゴムを、娘が気に入ってしまった。頭にゴムを通し始めた。ネックレスみたいになった。いやいや今日、
2024年3月28日 22:15
兄が自殺し、葬式・火葬が終わった。 来月には子どもが生まれる。家族葬とはいえ、妊婦に加え2歳の娘を連れての1日。帰路につく車の運転は集中できず、心身ともに疲れ切っていた。娘より先に大人達が寝落ちしていた。 夫のスマホに電話が入り目が覚める。知らない番号。“九州”と出ていた。祖母だ。多分。「でなくていいよ」と夫に言って、寝た。 朝になった。兄の自殺報告から数日間、怒涛の
2024年3月30日 16:55
老害を恐れろ!①の続きです。 私は電話で、祖母に声を荒げてしまった。なんともみっともない光景だっただろうか…。今、一人で本当に良かった。 夫は娘を保育園に送りに行ってくれている。夫に見られなくて良かった…いや、逆に夫がいたのなら、こんなに取り乱さずにいられたかな…少し冷静になる。ああ…キレた時点で私は負けだ…同じ土俵に立ったのだ…あんな婆さんと同じ土俵に…普段から祖母は、助
2024年4月5日 18:50
胸糞が悪い。 ここ数年、身内のことを引きずることは、ほぼなかった。なぜなら私にとって毒父も毒祖母も、もう私の一部ではないから。 怒りが湧くことがあっても、1時間経ったら忘れてる。夫に愚痴ったり、他事をしたり、何より子どもとの忙しい生活のおかげで、すぐに忘れれる。 なのでこの感覚は久しぶりだ。半日も、父に対して胸糞悪さを引きずっていることが。 私は父を捨てたが、父は父で、子どもをと