田淵 未来

児童養護施設経験ライターです。毒親毒祖母に育てられ、先日、兄が自死。毒達のDNAに抗い…

田淵 未来

児童養護施設経験ライターです。毒親毒祖母に育てられ、先日、兄が自死。毒達のDNAに抗いながらの子育て。毒親に、老害にならないように歳を重ねたい。 毒親育ち・児童養護施設経験者にインタビューしています。インタビューイー募集中☘️メアド:tabuch.mirai@gmail.com

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  • 怨念記事

    毒父、毒祖母に関した記事です。 私自身の、虐待・児童養護施設入所経験なども書いています。 無意識化にて怨念がこもってしまった記事たちです(笑)

  • 30歳

    30歳、生きるのが少し楽になった。30歳。女。子育て。ターニングポイントでもあり、この先10年をどう生きるかが、趣のある40歳の未来の私へと繋がっている。

  • なぜ兄は、今日、人生を終わらせたかったのだろう

    兄が自殺した後の、私の心境記事たちです。

  • 親から虐待を受けた子どもは人生終わるのか

    母親・兄から虐待を受け、社会的養護を受けた20歳青年。彼が考える「愛」とは。壮絶な人生の歩みを、彼はなぜ受け止め自分の軸とすることができたのだろうか。

  • 看護師がインタビューライターになるまで

    看護師がインタビューライターになるまでの成長記録をしています。言葉は言霊。宣言して実行し、結果に繋げていけるように自分への戒めも込めて書いていきます。

最近の記事

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[兄が死んだ①]なぜ兄は、今日、人生を終わらせたかったんだろう

「俺もいま病院だ」 「なんで」 「にぃが…死んだ」 「は?」 今日は産婦人科受診の日。 前置胎盤と診断されてから、片道1時間の大きな病院に通うことになった。 それに加え、待ち時間2時間。エグいよ大学病院。でも私も働いている時、患者さんを当たり前に待ってもらっているのだから文句は言えない。 でもやっぱり多少のイライラはあって。 父から電話着信があった。 病院だから無視した。 LINEに「折り返し、至急」とメッセージがくる。 ため息をつきながら移動し電話をした。 「なんだよ。

    • パーハラ毒父に、正義を振りかざしてみた

       Voicy(音声配信)にて50歳代以上男性の話しを聞く機会が増えました。 父も50代。 でも何か違う。 何か、というより何もかも違うように見える。 同じ人間は存在しないことも、個性の時代というのも承知だ。 50代というざっくりした大枠で人を捉えるのも何か違う気もする。 それでも、私の中で「父と同じ時代を生きてきた人で、こんな人達が存在するのか…」と感銘を受けてしまうのだ。 同時に父を見る度、いや、これが現実なのか。と私はがっかりするのだ。  父がある日、 「部下に、めちゃ

      • 子どもは絶対に1人。と決めていたが、もうすぐ2人目が生まれます。

        腹をくくった  不妊治療をしている人に失礼かもしれない。 私も流産した後、不妊治療を考えた。 だが、身近に不妊治療をしている人の辛そうな様子を見て、ビビってやらなかった人間だ。 そのあと、運良く娘を授かった。  子どもはできたら終わりではない。始まりだ。 身近に頼れる大人がいない子育ては想像以上の孤独だった。 初めての子育て。本当に心の余裕はなかった。 私には、ゆったり子どもと過ごすことなんてできなかった。 元々子煩悩の強い夫婦でなかったから、子どもは1人と決めた。  

        • 毒親は子の話しを聞かない。傾聴なんてもってのほか。②

          “中村淳彦さん”という滝に打たれて② ①の続きです。 毒親が主な理由で自分の考えを見つけることが不得手となった30歳の女が、「傾聴」をテーマとした講座を受講することによって、まさか自分の奥深くを覗くことができるようになるなんて思ってもみなかった。 そして、その深い海の底にあるものを言葉にし文章にすることが、自分にとっての楽しみとなるなんて、もっと思ってもみなかった。  新しい出会いというと、他にもライティング講座内で、中村淳彦さんと編集の小嶋優子さんが、「雨宮まみ」さんの

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        [兄が死んだ①]なぜ兄は、今日、人生を終わらせたかったんだろう

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        記事

          毒親は子の話しを聞かない。傾聴なんてもってのほか。①

          “中村淳彦さん”という滝に打たれて① 私は自分の意見を言うことが苦手だ。 そもそも自分の考えを言語化することに時間を要する。 その理由の一つに、毒親が関係していると思っている。 なぜなら私の毒父・毒祖母は、私の考えを質問してくることなどなかった。 たまに私が何か(私なりに勇気をもって)言ったとしても、意気揚々とした態度で否定していた。 それが何年も何年も積み重なり、そのうち自分の考えが分からなくなった。 きっとこんな私でも、私の娘(3歳)ぐらいの年齢の時は、自分の意見があり

          毒親は子の話しを聞かない。傾聴なんてもってのほか。①

          娘に保険金を賭け続ける親。さすが!私の毒親よ。

          胸糞が悪い。  ここ数年は、身内のことで引きずることは、ほぼなかった。 なぜなら私にとって毒父も毒祖母も、もう私の一部でなくなっていたから。 その時に怒りが湧くことはあっても、1時間経ったら忘れてる。 夫に愚痴ったり、他事をしたり、何より子どもとの忙しい生活のおかげで、すぐに忘れれる。  なのでこの感覚は久しぶりだ。 半日も、父に対して胸糞悪さを引きずっていることが。  私は父を捨てたが、父は父で、子どもをとっくに捨てていたのかもしれない。 だって父は年収1000万前後あ

          娘に保険金を賭け続ける親。さすが!私の毒親よ。

          [兄が死んだ④] 老害を恐れろ!②

          老害を恐れろ!①の続きです。  私は電話で、祖母に声を荒げてしまった。 なんともみっともない光景だっただろうか…。 今、一人で本当に良かった。  夫は娘を保育園に送りに行ってくれている。 夫に見られなくて良かった… いや、逆に夫がいたのなら、こんなに取り乱さずにいられたかな… 少し冷静になる。 ああ…キレた時点で私は負けだ… 同じ土俵に立ったのだ…あんな婆さんと同じ土俵に… 普段から祖母は、助言という名のお節介が激しい。 それに対しての対応は「そうなんだ。はいはーい」が正

          [兄が死んだ④] 老害を恐れろ!②

          [兄が死んだ④] 老害を恐れろ!①

           兄が自殺し、葬式・火葬が終わった。  来月には子どもが生まれる。 家族葬とはいえ、妊婦に加え2歳の娘を連れての1日。 帰路につく車の運転は集中できず、心身ともに疲れ切っていた。 娘より先に大人達が寝落ちしていた。  夫のスマホに電話が入り目が覚める。 知らない番号。 “九州”と出ていた。 祖母だ。多分。 「でなくていいよ」と夫に言って、寝た。  朝になった。 兄の自殺報告から数日間、怒涛の日々だった。 やっと一段落した。やるべき儀式は終わった。 今日はゆっくりしたい。

          [兄が死んだ④] 老害を恐れろ!①

          [兄が死んだ③] 葬式。もう通常運転な私だった。

          葬式の日。 新品の喪服に袖を通す。 袖を通すと実感がわくのか、とても憂鬱な気分になった。 着替え終え、リビングへ行く。 娘が「かっこいいね〜」と言ってきた。 笑った。 父からチョコをもらった。渡すことができなかった、父から職場の女子へのお返しホワイトデーチョコだ。 チョコの箱についていたハート付きゴムを、娘が気に入ってしまった。 頭にゴムを通し始めた。 ネックレスみたいになった。 いやいや今日、何の日か分かってる?いや、2歳にはわからんか〜と夫と笑い合う。 先日、父が「タ

          [兄が死んだ③] 葬式。もう通常運転な私だった。

          [兄が死んだ②]親の愛情も、計量計のように見えたらいいのに

          今日は、死んだ兄との初対面の日。 寝ている娘を見て、夫とクスッと笑ったあと、また少しだけ寝ていた。 目を開けてしまったら、今日が始まってしまう。 仕事日の朝とは比べられないぐらいの憂鬱感。 だが娘の寝顔が、死ぬほど美しく愛おしく見えた。 ああ、やっぱり私は救われている。 昨日と同じものを感じた。 いつも通りの朝だった。 食べむら真っ最中の娘。 今日の朝食はどちらのパンにしますか?じゃあサツマイモはいかかでしょうか?では小魚はどうでしょう?え、チョコ?何を言っとるんじゃ!

          [兄が死んだ②]親の愛情も、計量計のように見えたらいいのに

          30超えた女が3人揃うと面白い

           スタエフ(音声配信)で、女性3人が1人の男性について語るのを聴いたのだけれど、それが最高に面白くて。  標的の男性は中村敦彦さん(ノンフィクションライター)  ずっとニヤニヤしていた。たまに、あははははと大口で笑っていた。   女3人で1人の男について語る。 これ自体、私にとってはめちゃくちゃ面白い。  合コンの後、女子は解散するフリをしてカラオケか居酒屋で2次会するのよ。 そこで、あの男の人どう思った?私はいいと思った。でもあんなこと言ってたからケチかもよ。食べ方が

          30超えた女が3人揃うと面白い

          親から虐待を受けた子どもは人生終わるのか⑦

          児童養護施設に入ったら人生は終わったと子どもは思う 彼は現在大学受験勉強をしながら、週に1回一時保護所(虐待、置去り、非行などの理由により子どもを一時的に保護するための施設)のボランティアに行き、社会的養護のアフターケアを知れるプラットフォームのサイトを作るアルバイトをしている。 ボランティアの内容を聞くにあたり“子どもアドボカシー”の説明をしてくれた。初めて耳にする言葉だ。  子どもアドボカシーとは、子どもの声にならない声を聞く、弁護するサポートだ。 一時保護所では、同

          親から虐待を受けた子どもは人生終わるのか⑦

          親から虐待を受けた子どもは人生終わるのか⑥

          虐待を経験し、親の役割に何を求めるのか 虐待を受けたことがある人は、親とは?について考えを巡らすものだと私は思う。 親の存在、役割、立ち位置はなんなのかと。  因みに私が小学生の時の出来事だが、再婚した義母に「(母親の)私はなんのためにいると思ってるの?!」と聞かれ弟は「ご飯や洗濯をしてもらうため」と即答し、怒鳴り散らされていた。当時の私も弟と全く同じ言葉が頭の中に浮かんでいた。次は自分に同じ質問がくるかもしれないと思い、一生懸命理由を探していた。 ふいに、「この私の目の前

          親から虐待を受けた子どもは人生終わるのか⑥

          親から虐待を受けた子どもは人生終わるのか⑤

          “死にたい”感情との折り合い 私は一瞬息をとめていた。 だが愛に対して明確な考えを持っている彼の“死にたい”という感情に対する考えが気になって、深く話しを聞くことに集中すべきだと判断した。 「死にたいと思ったことありました。つい最近彼女が自殺しちゃいました。親の言葉に縛られてて精神病んじゃって飛んじゃった。」  恋人の彼女とは社会的養護経験者が集まる交流会で知り合ってお付き合いすることになった。 彼女も虐待経験者だった。親の言葉に呪われたように囚われていたそうだ。過干渉な

          親から虐待を受けた子どもは人生終わるのか⑤

          親から虐待を受けた子どもは人生終わるのか④

          「きっと母親の愛はぐちゃぐちゃだったんだ」「母親に対して今、どう思ってる?許せる?」 「全然許せる。過去は許してる。ただ今の母親はどうだろう…。自分のことを可哀想と甘えている部分は許せないかも」 彼は即答で過去のことを許せていると断言し、私は心底驚いた。  彼の母親について、今母親をしている世代や母親業が終わった世代に話をしたらきっと非難の嵐だろう。母親なのに子に暴力を振るった、アルコールによって義務教育に支障をきたした、兄の暴力から子を守らなかった、これらは許されざる事実で

          親から虐待を受けた子どもは人生終わるのか④

          親から虐待を受けた子どもは人生終わるのか③

          反面教師 子どもの保護が遅れ手遅れな結果となる原因の一つとして、虐待を受けている子ども自身が虐待と認識できないことがあげられる。  私自身、児童養護施設に入所するまでは大人から虐待を受けていると認識できていなかった。 自分が愛する親から虐待を受けていると認めたくないし、親から大事にされていないことは恥ずかしい事だと当時思っていたため、周りに相談するという選択肢は浮かびもしなかった。  しかし彼は自分で警察を呼び、社会的養護を受ける意思表示をした。 「いつごろ、何がきっかけで

          親から虐待を受けた子どもは人生終わるのか③