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お気に入りの記事をまとめています。勝手に追加させて貰っているので、外して欲しい方はご連絡下さいね。
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2023年6月の記事一覧

そこは桃源郷…|#シロクマ文芸部

そこは桃源郷…|#シロクマ文芸部

街クジラを知っている?
太古の昔から大海原を気ままに泳ぐ、大陸のような大クジラ。もしも会えたら、是非その背中を見てほしい。鬱蒼とした森林に覆われた奥に、美しい街が作られている。

街クジラの背中は不思議な世界。
もしも背中に降りることができたら、初めにマングローブのジャングルみたいな所を通り抜け、だんだん山の中に入っていくように登っていく。見たことのない鳥たちのさえずり声や、見たことのない花々の香

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「海砂糖」#シロクマ文芸部

「海砂糖」#シロクマ文芸部

『海砂糖』一欠片からお売りします(^^)

海が見える小高い丘に住むあたし、渚。女系家族のこの家に生まれた娘は代々、海水から砂糖をつくる秘術を受け継ぐことが習わしとなっています。

えっ?海水から砂糖がつくれるのかって!?まあ、秘術ですからねぇ。詳しくは教えられないけれど、優しいPale Blueの色をしたこの砂糖は、ピュアなウェディングのシーンには欠かせないもので、永遠の愛を誓う結婚式のウェデ

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【詩】刷り込み

【詩】刷り込み

思い出した
すっかり忘れていたのに
あなたはこんな風だった

きれいごとの言葉の中に
釘やらガラスの破片やら
折れたナイフを入れ込んで
知らんぷりをする

自分の否を指を折って数えても
そこに答えはなくて

気まぐれに振り回されて
落ち込むのはこっちの方

あなたの優しさは自分に帰属してるもの
すっかりあなたは優しいと思い込んでた

思い出せばあなたは元々そんな風

あなたの傷を私が必死で癒して

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優しい銀河の盗み方

優しい銀河の盗み方

 銀河売りに革靴で踏まれたカビの生えたパンを少女は拾います。各星停車の電車しか停まらない小さな星の古びた駅舎で、少女は銀河売りの背中を睨みました。銀河売りは振り返ると黒い中折れ帽の下から少女を見据えます。「悪く思うな。ゴミかと思ったんだ」。銀河売りは金貨を少女の足もとに投げます。少女はホーム下へ金貨を蹴り捨て、パンを齧りました「お前らの施しは受けない。ゴミはお前らだ」
「勘違いするな。この銀河を売

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座布団の網目にサルバドール

座布団の網目にサルバドール

こんばんは、白子です。

布の網目1つ1つがアパートの部屋に見える。
この前、座布団に顔を埋めて仮眠を取ろうとした時に思ったことです。

大人になると無意味なことを考える時間が少なくなってしまうし、
そんなことないだろう。と空想を止めてしまう時間が増えてしまうけど、こういうことを考えている時間が1番楽しいのです。

昔はお布団の中に潜り込めば、そこはリピテーションのように立て看板が並んだ美術館の長

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【詩】忘れたとしても

【詩】忘れたとしても

結んだ手と手

どうして今になって
こんな小さなことが
大事だなんて

懐かしい夏の香り
遠い面影の湿り気のある空気
木陰のタオル
汗を拭く
母さんに渡される
ペットボトル

母さんのしてくれていたこと

出来ないながらに
台所での母さん
ウロウロと
落ち着かないのは
何かを作りたいから

砂の山が崩れていくように
普通の生活が崩れていく

大事な思い出と
消えていく思い出

二人で歌う好きだった

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ウリア、やってみた。

ウリア、やってみた。

ひいろさんのnoteでおもしろい記事を拝見しました。

ウリア。自分取説。
誕生日を入力すると、生まれもった性格と才能がわかるようです。

では早速私の診断結果を。

以上、これが『わたしの才能取扱説明書』です。

詳しく読むと当てはまる事ばかりでとてもおもしろかったです。

そして自分の強みと弱みを上手く使いこなして生かせれば人生もっと面白くなるかも!と思いました。

ひいろさん、シェアして下さ

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【詩】咆哮

【詩】咆哮

海が、嚆々と鳴っている
たたみかける波の向こうから
絶え間なく、波の砕ける向こうから
片時も、休みなく
強くおどろに、とどろきわたる

眺めわたす水平線は
遠い浜辺の並木のように
波の起伏を繰り返す
平らにひろがる海原は
光と影をみなぎらせ
鷹揚に、浮き沈みを繰り返す

巨大な魔物が、棲むという
足を掴み、海の底まで引きずりこむ
姿を見せぬ、黒い魔物
陸に向かって、吠えている
やるせなく、怒りにま

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