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そらのうた

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#創作

しゃぼん玉(リライト)

しゃぼん玉(リライト)

息を吹きかけて
しゃぼん玉は空を泳ぐ

風が付き添って旅をする
流れに委ねながら仰ぐ世界

ふわふわと夢心地
破裂が待ち構えても上へ

海に映る波光を眼下に
お月様今宵もこんばんは

浮くほどに故郷の地上と距離が生まれても
先の見えない未来と気まぐれに変わる空模様
何かに脅かされても今はこのまま宙を目指して
#ポエム #poem #詩 #詩のようなもの #創作 #自由詩

海の声

海の声

張り裂けそうな胸の痛みを
分かってほしいと嘆くのは
あまりにも簡単だった

静寂を崩す波音は
時に強く
時に優しく
断続的に
浜辺に押し寄せる

濁りを知らない透き通るそれが

詩的な言葉は
音と色と自然と情で成り立つ

君は詩そのものだった
藍色に近い青い波が
声をかけてくれる
その日常に救われていた

有り難さに気付いた今
目を閉じて耳を傾ける
いつもの海が聴こえる

気持ちを綴った手紙を

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光の筋

注がれる光の筋は
光芒の二文字へ凝縮される

君にとっての僕は
普通名詞に収まるかい?
固有名詞として展開されるかい?

歌は詞があるから成り立つの
いつだったか君は得意気に口にした
新緑に風が吹き込まれて刹那揺れた

何かを構成するには
不要なもの
不可欠なもの
その二つが点在して

君との出会いは
君からの言葉は
君の魅せる表情は
埋まらない欠片を
ぴったり当てはめた

僕にとっての君が光芒で

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しゃぼん玉

しゃぼん玉

息を吹きかけて
しゃぼん玉は空へ泳ぐ

春風が付き添って
気の赴くまま旅をする

時には流れに委ねていいかもね
時流を読み解くのは難しいから

透明な柔な円のように
時に僕らはふわふわと夢心地
時に僕らは破裂が待ち構えても上へ

先の見えない未来
気まぐれに変わる空模様
何かに脅かされても今はこのまま宙を目指して
#詩 #詩のようなもの #日記 #創作 #しゃぼん玉 #自由詩

気球葬

気球葬

「僕の心臓が止まったら、気球葬してちょうだい」

従兄弟の君は普段と変わらない口そぶりで告げる。夕暮れ、陽は傾いて影は伸びる。

「なんで気球なの?」
「気球なら、物理的に星に近づくから。僕は死後、お星様になれるかもしれない。」

血が繋がっているのに時折突拍子もないことを口にする、不思議な人。

「大きな病を抱えていないのに、どうして死に耽るの?」
「保険だよ。自分が死んだ後、空に還るのか、違う

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プロローグを経て

どこかで誰かが号泣必死の映画を観て泣く

「今日から人に優しくしよう」とSNSで決意した誰かは数日後、クラスメイトに平気な顔して罵詈雑言を浴びせる

物語は届かないの?
言葉は届かないの?
思いは届かないの?

私はそっと目を閉じた
私は部屋に閉じ籠った
私は前髪をより伸ばした

現実から逃げたくて
私は藍色の空を撮り始めた

明日なんて来るな
金輪際、夜は空けるな

祈りが通じるはずもなくて

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言葉だから伝えられること

言葉なんて嫌いだ

言葉一つで不意に人を傷つけてしまう
無自覚に無邪気な笑顔を浮かべながら

言葉なんて嫌いだ

人の心をそれだけで当て嵌めてしまう
君の悩みは君の願いは何処にあるのか

言葉なんて嫌いだ

本音とは裏腹に綺麗な仮面を形成してしまう
口にできない本心を閉まった人だけ損をする

言葉なんて言葉なんて

言葉一つで人を殺してしまう
言葉一つで人を安堵させうる

後者に目を向けたい

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ブルーアワーを君に送る

未明の頃合いに私は外に出て桟橋に横たわり写真を撮る

この時間にだけ姿を現す紫と青が入り混じった空、ブルーアワーを瞳とカメラに収めるのが日課だ

私がこの空を撮る理由はまだ私が始まっていないから
陽が登らないこの時間が私に味方してくれるような気がした

私は未熟で未完で未成年で
物語は始まってさえいない

誰か1人、理解者が欲しかった
派手なブランドや飾りのための恋愛、
見栄だけに留まらない人と繋

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胡蝶の夢の如く

夢は螺旋みたいだね

いつまでもぐるぐる回って果てがないみたい

夢は想像の具現化だね

頭で描いた事柄が次々に現実になっていく

夢は舞散る桜みたいだね

若さが永遠じゃないと気付いてしまったのさ

夢は熟した果実みたいだね

青かった頃が今の自分を作り願いを叶える

夢は蜃気楼のようだね

あまりにも朧気で存在したか今じゃ怪しい

夢見る自分 夢を叶えた

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「あなたらしい私」を探します

「あなたらしい私」を探します

今でも私は思い出します 君は私にこう言いました

「あなたらしいあなたを私は好きよ」

私らしいってなんだろう、シャーペンのキャップを頬に当てながら頭を働かせました

あれから月日は流れて「あなたらしい」をまだ把握できていません

数年前に「あなたらしい」を解ったつもりなのに、環境の変化に耐えられず、「あなたらしい」は崩壊しました

らしさの幻影を求めて手探りで進んでも、稼ぐこと、生活することで精

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